対処すべき課題

 当社グループを取り巻く環境は、足元においては、新型コロナウイルス対応の行動制限が段階的に緩和・撤廃される動きが広がっており、世界的な経済活動の正常化の流れは徐々に加速していくことが期待されます。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化により、世界経済の見通しは一気に不透明感を増してきました。
 また、中長期的にはCASE(未来の車の特性をConnected・Autonomous・Shared・Electricの頭文字で表したもの)に代表される自動車業界の大変革が当社グループの事業に大きな影響・変化をもたらすことが確実視されております。これに対し、我々にしか作れないモノづくりをしっかり守り・発展させながら、時代の変化に対応する新規ビジネスを確実に進め、年輪的成長につなげてまいります。
 さらに「2050年カーボンニュートラル」の実現を目指し、再生可能エネルギーの利用促進、省エネ、生産プロセス・物流改善といった長年の継続的活動とともに、革新電気炉導入検討、新たな鍛造工法開発等の技術革新にも取り組んでまいります。
 上記のとおり、コロナ禍、地政学的リスク、CASE、カーボンニュートラルと言った世界規模の課題が相次ぎ発生、当社グループの経営に影響を与えており、まさに「潮目が変わった」と言える激しい変化が続いております。今こそ、物事の本質を的確に捉え、これまで当社が整備してきた2030年ビジョンをはじめとする強固な仕事のフレームワークを大切にし、時代の変化を先読みし、何事にも「自分ごと」として、高い志で自ら変革にスピード感を持って挑戦してまいります。
 そのようななか、当社グループは、2030年ビジョンの実現を目指し、2022年度は、「未来への絶え間ない成長に向けて(Survival for the future) Aichi Wayでの“大変革” !」をスローガンとして、以下の施策を中心に取り組んでまいります。

1. 『モノづくりの底力』を引き上げる事業基盤の強靭化

(1):要員管理、生産性マメジメントの充実による限量経営の進化
(2):現有能力の最大化と鉄源ハイブリッド拡大による上方弾力性の確保
(3):TPSをベースとした徹底した効率化の断行とアウトプットの付加価値向上
(4):原材料調達のリスクマネジメント強化(鉄スクラップ、中国高依存資材等)

2. 『両利きの経営』の推進(既存事業の継続・発展と、新規ビジネスの育成加速)

(1):生技・製造・販売が一体となった鍛鋼ビジネスの競争力再構築
(2):先読みしたリエンジの先出しによる生産能力の拡大
(3):水素社会化、インフラクライシスへの対応によるステンレスビジネスの拡大
(4):人々の豊かな生活や環境保全に役立つアイチDNAからのビジネスモデルの早期構築
(5):CASE、CN、DX対応への部門間連携、プロジェクト活動の強化

3. グローバルでの連結経営力の強化

(1):インドビジネス(Home&Away)の確実なマイルストーン管理でのプロジェクト進行
(2):子会社の収益力向上(限量経営、競争力強化)
(3):グローバルでの危機管理体制の整備(BCM:Business Continuity Management 事業継続マネジメント、ガバナンス、コンプライアンス)

4. 明るく、風通しの良い職場に向けて

(1):双方向コミュニケーションで風通しの良い規律ある明るい職場づくり
(2):「人を育てる」管理監督者教育の充実と当事者意識の高い事技スタッフの計画的育成
(3):抜本的な働き方改革(ダイバーシティ推進、65歳現役社会の実現等)によるワーク・ライフの充実

 これらの取り組みをさらに加速・強化することにより、全社員が心を1つに力を1つに、モノづくり力の向上とESG経営実践に向け、全員参加で取り組み、当社グループの企業価値を高めてまいります。

株主のみなさまにおかれましては、引き続き変わらぬご支援とご指導を賜りますようお願い申しあげます。

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2022/06/22 11:00:00 +0900
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