当社グループの経営理念として、基本理念、ビジョン(目指す世界観)、ミッション(果たす役割)、バリューズ(大切にする価値観)を掲げています。
これらを実現するため、当社グループが創業より大切にし活用してきたリボンモデルをビジネスモデルの基礎としています。リボンモデルとは、個人ユーザーと、企業クライアントのマッチング・プラットフォームを作り出し、より多くの最適なマッチングソリューションを提供することにより双方の満足を追求するビジネスモデルです。
現在は、テクノロジーとデータを活用することで、マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、個人ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、企業クライアントに対して更なる業務効率化を支援しています。
当社グループは、長期的な利益成長と企業価値及び株主価値の最大化に向け、新規事業投資や研究開発、M&A等の成長投資を機動的且つ積極的に実行していきます。そのための主な経営指標を調整後EBITDA及び調整後EPSと設定し、特に調整後EBITDAの達成度を役員の報酬に連動させることにより、株主の皆様との価値共有を促進しています。また、2023年3月期から、ESG目標の達成度を一部の役員の報酬に連動させています。詳しくは、「経営戦略」「Prosper Together」をご参照ください。
当社グループは、テクノロジーの進化等により急速に変化する事業環境に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取組んでいます。
HRテクノロジー事業、マッチング&ソリューション事業の人材領域及び派遣事業が、グローバル人材マッチング市場において、マッチング&ソリューション事業の販促領域が日本において、インターネット広告事業にとどまらず、テクノロジーを駆使して企業クライアントの業績向上及び生産性改善をサポートするソリューションプロバイダーに進化することを目指しています。
加えて、不確実性が高まる中で持続的な企業価値向上を目指すためには、健全なガバナンスの基で、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指す必要があると考えています。そのため、ESG(環境・社会・ガバナンス)について具体的な目標を掲げ、社内外ステークホルダーとの対話を重視しながら、その実現に向けて取組んでいます。
当社グループ全体の経営戦略と対処すべき課題は、以下のとおりです。
当社は、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場及び人材派遣市場の総称を人材マッチング市場と定義し、求職者がより速く容易に仕事を得られることや、企業クライアントの採用に係るコストと時間を削減することを通じた人材マッチング市場における採用プロセスの効率化に取組んでいます。
当社グループは、事業を展開しているすべての人材マッチング市場において、数多くある採用プロセスを自動化し、マッチングの質とスピードの向上に取組んでいます。各サービスが持つ膨大なデータをAIや機械学習技術と組み合わせて活用することで、採用プロセスを簡素化し、求職者と企業クライアントに更なる価値を提供することを目指しています。長期的には、ボタンをクリックするだけで完了するような、より速く効率的で、公正な求職者と企業クライアントのマッチングを目指します(注1)。
HRテクノロジー事業は、世界有数のオンライン求人マッチングプラットフォームであるIndeedとGlassdoor(注2)を含む、求職者と採用企業からなるグローバル人材マーケットプレイスを運営しており、Simplify Hiring戦略推進の中心的な役割を担っており、求職者と中小企業や大企業、派遣会社といった事業規模を問わず数多くの企業クライアントのマッチングを可能にしています。
当社のプラットフォームに掲載されている求人件数は、社外のウェブサイトからアグリゲートされたものを含めると3,000万件以上(注3)にのぼり、更に、求職者は何億もの企業評価、企業クチコミ、給与情報(注4)にアクセスできるため、それらの情報に基づいた仕事やキャリアに関する意思決定をすることができます。また、求人情報の検索やレコメンデーション、履歴書の掲載、キャリアアドバイス、動画や電話による面接の設定や実施等、テクノロジーを活用した求職活動の時間的負荷の軽減や、テクノロジーでは代替できない作業に求職者が集中できるような一連のツールを提供しています。
企業クライアントにとっては、IndeedとGlassdoor共に、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を通して、より効率的に多様な求職者へのアプローチを可能にしています。また、ペイフォーパフォーマンスモデルあるいはサブスクリプションモデルを採用する求人広告を通じて効率的な採用活動を支援すると同時に、ソーシング、スクリーニング、採用候補者とのやり取りや面接といった採用プロセスに係るサービスを提供しています。
Indeedを採用のために毎年利用する企業クライアントは300万社(注5)、求人検索、履歴書作成、企業研究等の採用プロセスに参加するユニークビジターは毎月3億3,000万人(注6)、Glassdoorのユニークビジターは毎月5,500万人(注7)であり、これらの数値が、IndeedとGlassdoorが構築する人材マーケットプレイスの規模を示しています。
人材マーケットプレイスの効率性と有効性を高めるためには、求職者と企業クライアントをマッチングするプロセスを改善することが不可欠です。そのためには、当社が使用する情報の正確性と適時性を改善し続けながら、AIや機械学習技術を活用し、求職者には最適な求人のレコメンデーションを、また企業クライアントには最適な候補者リストを提供することが必要です。更に、この改善を可能にするためには、当社の人材マーケットプレイスにおける求職者とのエンゲージメントを高めることも不可欠です。求職者がログインをしてプロフィールを作成することで、当社は求職者のスキルや好みをより深く理解することができ、よりパーソナライズされた求人情報を提供することができるようになります。これにより、求職者はより良いユーザー体験を得られるだけでなく、より効率的に適切な就職の機会を見つけることができるようになります。
更に、当社がマッチング成立あるいは不成立の要因を理解することも、求職者と企業クライアントそれぞれにとって極めて重要だと考えています。当社の人材マーケットプレイスでは、求職者と企業クライアントの間で、メッセージのやり取り、電話、応募書類の提出、面接の申し込みや返信のリマインド、採用オファー等のやり取りが行われています。これらのやり取りを採用プロセスにおけるそれぞれのステップにおいて追跡することで、求職者と企業クライアント双方の視点から、何故次のステップに進むことができたのかという貴重な情報を得ることができます。
採用プロセスの効率化の進捗度合いを表す指標は、Indeed及びGlassdoor上における1分当たりの平均採用者数(注8)であると考えています。この指標はマッチング精度の向上、採用プロセスの自動化、企業クライアントとの関係性の深化の進捗を計るものであり、これら要素の改善は更なる採用者数の増加に繋がります。2022年の1分当たりの平均採用者数は、社内測定に基づくと平均23名となりました。
また、Simplify Hiringを実現することを目指し、当社グループ全体が保有する企業との関係性、オフライン、オンライン合わせたすべてのユニークなデータを活用した機械学習やAIのテクノロジーを活用し、グループ全体でマッチングエンジンの進化に取組んでいます。
マッチング&ソリューション事業の人材紹介サービスであるリクルートエージェントやリクルートダイレクトスカウトでは、当社グループのマッチングエンジンを活用し、履歴書のスクリーニング等これまで人が手作業で行っていた工程の効率化を進めています。日本市場で60年以上、人材マッチングビジネスを運営する当社のノウハウやデータと、このマッチングエンジンを連携させることで、日本国内でのSimplify Hiring戦略を今後加速的に進めていきます。
人材派遣事業では、アプリベースのプラットフォームであるIndeed Flexとの連携により、データ活用と従来の人材派遣の事業プロセスの自動化や、求人情報、給与の選択肢及び柔軟な労働スケジュールの設定機能を提供することで、派遣社員の求職活動における満足度の向上に取組んでいます。
当社は、2022年のグローバル人材マッチング市場規模を3,270億米ドル程度(注9)と推定しています。
2020年の新型コロナウイルス感染症による縮小から、2021年当初反発した後、グローバル人材マッチング市場は2022年に再び大きく拡大したと考えています。
当社は、直近2年間における大幅な市場規模の拡大は、新型コロナウイルス感染症の拡大による初期影響からの経済回復と、感染症拡大に対する企業クライアント及び求職者双方の反応によるものであり、歴史的に見ても世界の労働市場は特異な期間にあったことを反映していると考えています。
当社は、グローバル人材マッチング市場が長期的に成長すると想定していますが、2023年には経済状況によるマイナスの影響を受ける可能性があり、企業クライアントの採用活動の低下や、求職者の求職活動の増加、またリスク回避を背景とした転職活動の減少をはじめ、労働市場が調整局面となり平準化するため、市場規模が縮小すると予想しています。
なお、2021年の市場規模は、2022年5月16日以降に取得した後述の市場に関する最新情報に基づき、2022年5月16日時点の当社推定値からアップデートしました。主な理由は、採用オートメーション市場及び人材派遣市場の定義と範囲を更新し、採用オートメーション市場に採用管理システム市場(以下「ATS市場」)のグローバルでの年間推定売上(注10)と身辺調査のうち第三者によるサービスによって代替可能な社内リソースの年間推定金額(注11)を新たに含め、人材派遣市場に人材プラットフォーム市場(注12)、人材派遣プラットフォーム市場(注13)及びベンダー/フリーランス管理システム市場(以下「VMS/FMS」)(注14)のグローバルでの年間推定売上、並びにマネージドサービスプロバイダー(以下「MSP」)(注15)及び採用アウトソーシング(以下「RPO」)(注16)により代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額を新たに含めたことによるものです。また、その他の市場についても2022年5月16日以降に取得した市場に関する最新情報に基づき、アップデートしました。
人材マッチング市場規模 (推定)
2022年におけるオンライン求人広告及び採用ツール市場は、グローバルでの年間売上金額ベースで300億米ドル程度(注17)と推定しています。一方で、当社グループがグローバルで2022年における年間売上金額ベースが20億米ドル(注18)を超える規模と見積もるオフライン求人広告市場は、今後もオンライン求人広告市場に流入を続けながら縮小していくと考えています。
人材紹介市場
人材紹介市場は、2022年におけるグローバルでの市場規模を年間売上金額ベースで610億米ドル程度(注21)と推定しており、同市場における多くのサービスは属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しています。
エグゼクティブサーチ市場
2022年におけるエグゼクティブサーチ市場はグローバルでの年間売上金額ベースで420億米ドル程度(注21)の市場規模であると推定しており、同市場における多くのサービスは、人材紹介市場と同様に属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルによるものです。
人材派遣市場
2022年における人材派遣市場は、グローバルでの年間売上金額ベースで5,850億米ドル程度(注24)の市場規模であると推定しており、売上金額から派遣スタッフの給料や関連する費用を控除した売上総利益金額は1,160億米ドル程度(注24)と推定しています。更に、新規市場として人材プラットフォーム、人材派遣プラットフォーム及びVMS/FMSにおける2022年のグローバルでの年間推定売上、並びにMSP及びRPOにより代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額(自動化によって得られる企業クライアントのコスト削減効果を考慮)もこの市場に含まれています。伝統的な人材派遣市場とこれらの新規市場の関連性及び人材派遣のサービスプロバイダーが新規市場のサービスの一部又は全部を提供する頻度を考慮し、当社は新規市場を人材派遣市場として統合することが適切であると考えています。なお、2022年のこれらの市場規模の合計は約1,280億米ドルであると推定しています。当社グループは、同市場において短期的には、テクノロジーを活用して人材派遣事業の効率化に繋がるオンラインプラットフォームサービスを提供し、長期的にはこれらのソリューションを通して市場の変革を図ります。当社は、人材派遣市場における革新的なソリューションの開発を模索し、それを新規及び既存事業に応用することで、データやテクノロジーを活用した将来の事業機会に繋げることを目指します。
採用オートメーション市場
当社が既に一部で事業展開を行っている採用オートメーション市場は、2022年において、640億米ドル程度(注27)の市場規模であると推定しています。市場規模は、企業クライアントが人材採用のために社内リソースに費やしている金額を基に、その金額のうちどの程度が第三者による採用オートメーションサービスによって代替可能であるかを推定することに加え、自動化によって得られる企業クライアントのコスト削減効果を考慮した上で算出しています。更に、採用プロセスにおいて現在使用されている自動化ツールをより包括的に含めるため、この市場にATS市場における2022年のグローバルでの年間推定売上と身辺調査のうち、第三者によるサービスによって代替可能な社内リソースの年間推定金額も含む定義に変更しました。
人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場は、候補者のソーシングやスクリーニング、面接の設定、候補者の選定や配属といった、多くのサービスにおいて属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しているとされてきました。当社グループはデータや自動化を活用し、これらの作業を効率化するソリューションを、業界平均よりも低価格で採用担当者や企業経営者に提供することを目指します。それによって、当社がサービスを提供する企業クライアント数を更に増やし、採用予算のうち、より多くのシェアを獲得することを目指します。
(注1)当社グループは当該領域において法的規制が存在する可能性を認識しており、それらの規制を遵守するよう努めています。
(注2)comScoreに基づく2023年3月の訪問数
(注3)2023年3月においてIndeedに掲載されていた求人数の1日当たり平均
(注4)2023年3月末時点のIndeed上のグローバルでの企業評価、企業クチコミ、給与情報の累計数(約8億5千万件)
(注5)2023年3月時点における直近12ヶ月のアクション数に基づく社内データ
(注6)社内データに基づく2022年10月から2023年3月までの期間にIndeedのウェブサイトを訪問したクッキーIDの月間平均数
(注7)Google Analyticsを用いた社内データに基づく2022年10月から2023年3月までの期間におけるGlassdoorのウェブサイトを訪問したクッキーIDの月間平均数クチコミ
(注8)1分当たりの採用者数は、年間採用者数を一年当たりの分数で割ることで算出される数値です。特定の求職者が特定の日付に特定の仕事に採用された場合に採用者数としてカウントしています。企業クライアント又は求職者がアンケートを通じて採用の意思表示をした場合や、Indeedのレジュメやメッセージ機能において、採用が行われたという明確な証拠が確認された場合に採用者数としてカウントされます。
(注9)求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、及びエグゼクティブサーチ市場における売上金額ベースのそれぞれの市場規模、採用オートメーション市場において企業クライアントが人材採用のために社内リソースに費やしている金額のうち、第三者による採用オートメーションサービスへ代替可能な金額の推定値及びATSと身辺調査の市場規模、並びに人材派遣市場における売上総利益ベースの市場規模及び人材プラットフォーム、人材派遣プラットフォーム、VMS/FMS、MSP、RPOの市場規模に関する当社グループ及び第三者機関の市場データによる推計値の単純合計額。推計値の算出方法は以下の注記をご参照ください。
(注10)ATS市場は、応募者を採用プロセスのさまざまな段階で追跡するためのソフトウエアやその他のツールを企業が提供するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022 及びSIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)及び当社が推定する成長率に基づき、2021年及び2022年のグローバルでの年間売上を約10億米ドルと推定
(注11)身辺調査市場は、企業がデジタル化された方法で応募者の経歴や資格を確認・審査するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022 及びSIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)及び当社が推定する成長率に基づき、2021年と2022年の第三者サービスにより代替可能な社内リソースの年間推定金額を約10億米ドルと推定
(注12)人材プラットフォーム市場は、企業クライアントと労働者の法的関係を可能にする直接的な臨時労働の取り決めを促進するマーケットプレイスで、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022及びSIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)及び当社が推定する成長率に基づき、2021年と2022年のグローバルでの年間売上を、それぞれ約10億米ドル弱、約20億米ドルと推定
(注13)人材派遣プラットフォーム市場は、企業クライアントと派遣業務の候補者との自動マッチングを促進するマーケットプレイスで、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022 及びSIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)及び当社が推定する成長率に基づき、2021年と2022年のグローバルでの年間売上を、それぞれ約10億米ドル弱、約40億米ドルと推定
(注14)VMS/FMS市場は、ベンダー及びベンダーから派遣された臨時スタッフやフリーランス等企業の臨時雇用者プログラムを管理するための技術を提供するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022 及びSIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)及び当社が推定する成長率に基づき、2021年と2022年のグローバルでの年間売上を、それぞれ約20億米ドル、約30億米ドルと推定
(注15)MSP市場は、企業クライアントの臨時雇用プログラムの全部又は一部を自動的に管理するサービスを提供するもので、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022及びSIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)及び当社が推定する成長率に基づき、2021年と2022年の第三者サービスにより代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額を、それぞれ約10億米ドル弱、約10億米ドルと推定
(注16)RPO市場は、企業が第3者に代わって、ソーシングからオンボーディングまでの社内採用機能の一部又は全部を自動的に行うもので、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022 及びSIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)及び当社が推定する成長率に基づき、2021年と2022年の第三者サービスにより代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額を、それぞれ約20億米ドル、約30億米ドルと推定
(注17)各年におけるHRテクノロジー事業の売上に、当社グループがHRテクノロジー事業のサービスを提供している国のオンライン求人広告における主要な競合他社の売上総額についての第三者機関のレポートの数値を当社グループの推計に基づき修正した金額及びLinkedInのタレントソリューション事業の年間売上金額について同社の公表資料から当社グループの推計に基づき修正した金額を合算した、オンライン求人広告及び採用ツール市場の規模
(注18)各年のオンライン求人広告及び採用ツール市場の市場規模に、各年における広告市場全体におけるオンライン広告及びオフライン広告(但し、テレビ、映画及びラジオ広告等を除く。)の比率(第三者機関のレポートに基づく。)を乗じて算出した、オフライン求人広告市場の規模。なお、表中の数値は、オンライン求人広告及び採用ツール市場規模の数値と、オフライン求人広告市場規模の数値を合計したもの
(注19)人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場における2021年の定義変更前の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2021 Updateに基づく。2021年に推定されるグローバル人材市場の成長率14%を2020年のグローバル人材市場の売上金額と推定される4,830億米ドルに適用して得られた2021年の売上の推定金額とされる5,500億円に、そのうち「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」が占める割合である14%を適用して市場規模を算定。同資料においては、人材紹介市場を「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部と分類し、「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」をグローバル人材市場の一部と分類しています。人材紹介市場の市場規模は、上記SIAの資料におけるグローバル人材市場規模の数値に対し、当社が第三者機関から入手した非公開の市場データである当該セグメントのグローバル人材市場に対する国別の人材紹介市場比率を適用して算定。エグゼクティブサーチ市場は、人材紹介市場を除いた「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部として定義され、これら2つのセグメント間の差分として算定
(注20)人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場における2021年の定義変更後の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2022 Updateに基づく2021年のグローバル人材市場の売上金額と推定される6,200億米ドルに、そのうち「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」が占める割合として、14%から修正された15%を適用して市場規模を算定。同資料においては、人材紹介市場を「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部と分類し、「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」をグローバル人材市場の一部と分類しています。人材紹介市場の市場規模は、上記SIAの資料におけるグローバル人材市場規模の数値に対し、当社が第三者機関から入手した非公開の市場データである当該セグメントのグローバル人材市場に対する国別の人材紹介市場比率を適用して算定。エグゼクティブサーチ市場は、人材紹介市場を除いた「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部として定義され、これら2つのセグメント間の差分として算定
(注21)人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場における2022年の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2022 Updateに基づく2021年に推定されるグローバル人材市場の成長率11%を2021年のグローバル人材市場の売上金額と推定される6,200億米ドルに適用して得られた2022年の売上推定金額とされる6,880億円に、そのうち「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」が占める割合である15%を適用して市場規模を算定。同資料においては、人材紹介市場を「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部と分類し、「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」をグローバル人材市場の一部と分類しています。人材紹介市場の市場規模は、上記SIAの資料におけるグローバル人材市場規模の数値に対し、当社が第三者機関から入手した非公開の市場データである当該セグメントのグローバル人材市場に対する国別の人材紹介市場比率を適用して算定。エグゼクティブサーチ市場は、人材紹介市場を除いた「人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場」の一部として定義され、これら2つのセグメント間の差分として算定
(注22)人材派遣派遣市場における2021年の定義変更前の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2021 Updateに基づく、2021年に推定される人材派遣市場の成長率14%を2020年の人材派遣市場の売上金額4,150億米ドルに適用して算出した2021年の売上金額4,730億米ドルに、2021年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均18.68%を適用して算出した額
(注23)人材派遣派遣市場における2021年の定義変更後の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2022 Updateに基づく、2021年の人材派遣市場の売上金額5,270億米ドルに、2021年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均18.68%を適用して算出した額が含まれています。詳細は上部の注記をご確認ください。更に、今回の定義変更により、人材プラットフォーム、人材派遣プラットフォーム、VMS/FMS、MSP、RPOの市場が含まれています。
(注24)人材派遣市場における2022 年の数値は、SIA, Global Staffing Market Estimates and Forecast: November 2022 Updateに基づく、2022年に推定される人材派遣市場の成長率11%を2021年の人材派遣市場の売上金額5,270億米ドルに適用して算出した2022年の売上金額5,850億米ドルに、2022年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均19.85%を適用して算出した額。更に、今回の定義変更により、人材プラットフォーム、人材派遣プラットフォーム、VMS/FMS、MSP、RPO市場が含まれています。
(注25)採用オートメーション市場における2021年の定義変更前の数値は、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: March 2022(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づく2020年の採用オートメーション市場の市場規模と推定される420億米ドルに、当社グループの推定に基づく成長率5%を適用して算出した額。SIAの算定は、企業クライアントが人材採用に際し社内リソースに費やしている予算のうち35%がテクノロジーに代替可能であることに加え、係るテクノロジーにより企業クライアントがコストを35%削減することが可能になるという仮定に基づいています。グローバル市場規模を算定する上での情報の不完全性を考慮し、SIAは読者に対し、推定される市場規模が上下20%の幅を持つ可能性がある旨を念頭におくよう忠告しています。
(注26)採用オートメーション市場における2021年の定義変更後の数値は、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)に基づく2020年の採用オートメーション市場の市場規模と推定される550億米ドルに、当社グループの推定に基づく成長率11%を適用して算出した額、SIAの算定は、企業クライアントが人材採用に際し社内リソースに費やしている予算のうち40%がテクノロジーに代替可能であることに加え、係るテクノロジーにより企業クライアントがコストを28%削減することが可能になるという仮定に基づいています。グローバル市場規模を算定する上での情報の不完全性を考慮し、SIAは読者に対し、推定される市場規模が上下20%の幅を持つ可能性がある旨を念頭におくよう忠告しています。更に、今回の定義変更により、ATS市場及び身辺調査市場が含まれています。
(注27)採用オートメーション市場における2022 年の数値は、SIA, The Evolution of Recruiting: Estimating the Addressable Market for Recruitment Automation: January 2023(Indeedは当該レポートの作成に関し、作成者に報酬を支払っています。)の、企業クライアントが人材採用に際し社内リソースに費やしている予算のうち40%がテクノロジーに代替可能であることに加え、係るテクノロジーにより企業クライアントがコストを28%削減することが可能になるという仮定に基づいています。グローバル市場規模を算定する上での情報の不完全性を考慮し、SIAは読者に対し、推定される市場規模が上下20%の幅を持つ可能性がある旨を念頭におくよう忠告しています。この市場の定義には、ATS市場及び身辺調査市場が含まれています。
(注28)本項に記載する求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場、及び人材派遣市場の市場規模については、上記の注記に記載のとおり外部の統計資料や公表資料を基礎として当社グループが推計したものであり、その正確性には係る統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模は係る推計値と大きく異なる可能性があります。
Help Businesses Work Smarterは、マッチング&ソリューション事業で、各分野、つまりバーティカルに特化した販促マッチングプラットフォーム及びそれに付随するバーティカル業務支援SaaSや、バーティカルを問わない業務支援SaaSのAir ビジネスツールズを提供する販促領域を中心に推進する、日本における企業クライアントの生産性及び業績向上に貢献するという戦略です。
これは、販促マッチングプラットフォームとSaaS、人材マッチングサービスで構成するエコシステム内で、企業クライアントの事業運営に係るすべての経済活動を支える業務を循環、完結させることで実現します。
当社はエコシステムの構築にあたって、「個人ユーザーのアクション数(注1)」、「SaaSサービス別アカウント数(注2)」、「決済流通額(注3)」をKPIとして掲げています。
個人ユーザーのアクション数は、マッチングプラットフォーム上で発生した美容院や飲食店、宿泊施設への予約数、求人広告等への応募数を指し、当連結会計年度は約4.2億件となり、前年同期比34%増となりました。アクション数の増加は、販促領域のマッチングプラットフォームでは企業クライアントの売上増加に繋がり、人材領域では求職者と企業クライアントのマッチング機会の増加に繋がります。
SaaSサービス別アカウント数は、2023年3月末時点で前年同期比30%増の約318万アカウントとなりました。SaaSのAir ビジネスツールズによって、既存のバーティカルに属さない小売店等の新規企業クライアント獲得が可能となり、アカウント数の増加を牽引するキャッシュレス決済サービスのAirペイや採用管理システムのAirワーク採用管理の新規企業クライアントによる利用も増加しました。当事業が提供するSaaSの日本における潜在顧客事業所数を453万程度(注4)と推定しており、各事業所による複数のSaaS利用を想定するため、アカウント数の成長余地は依然として大きいと認識しています。この指標の拡大は、当事業の顧客基盤の拡大を意味します。
決済流通額の当連結会計年度の実績は約1.3兆円となり、前年同期比69%増となりました。Airペイのアカウント数増加に加えて、当連結会計年度はじゃらんネットに次いで、HotPepper Beauty やHotPepperグルメでAirペイによるオンライン決済サービスを開始しました。これにより、予約だけではなく、予約時に決済までをマッチングプラットフォーム上で完結させることが可能になり、決済流通額の拡大に寄与しました。この指標の拡大は、新たな収益貢献の可能性があるフィンテックサービスをエコシステムに加えていく上で重要になります。
当連結会計年度は、フィンテックサービスの拡充も進めました。企業クライアント向けの売上収益早期現金化サービスであるAirキャッシュや、スマホ1つで支払いもできる請求書管理サービスであるAirインボイスの提供を開始しました。
当社は、販促マッチングプラットフォームにSaaSのAir ビジネスツールズを組み合わせることで、企業クライアントと広く事業接点を持つことが可能になります。更に、人材マッチングサービスを加えることで、エコシステム内で企業クライアントの事業運営に係るすべての業務を完結することにより、多様なサービスを継続的に利用いただき、ライフタイムバリューの増加に繋げます。
例えば、販促マッチングプラットフォームと人材マッチングサービスが連携したHotPepper Beauty WORK を2023 年2 月に提供を開始しました。HotPepper Beauty 掲載店舗による求人広告とHotPepper Beautyの掲載情報を自動で連携し、サロンスタッフ紹介、客層や口コミ等、リアルで信頼性のある情報を求職者に提供することで、入社前に具体的なイメージを持った求職活動を可能にしました。また、企業クライアントにとっては、HotPepper Beautyとの自動連携によって、求人情報以外の追加の情報入力の必要がなく、常に最新の情報を基に求人が可能となることから、求職者及び企業クライアントの双方にとって、利便性の高いサービスを提供しています。
当社が目指すエコシステム
2022年4月1日から2023年3月31日までの、リクナビNEXT応募数、タウンワーク応募数、リクルートエージェント応募数、SUUMOカウンター来店個人ユーザーの当社企業クライアントへの送客数、HotPepper Beautyオンライン予約数、じゃらん宿泊予約数、HotPepperグルメオンライン送客数(予約人数)、Airペイ決済回数の合計
(注2)2023年3月末時点でマッチング&ソリューション事業が日本国内で提供する有料及び無料のSaaSサービス別累計アカウント数であり、各サービス登録加盟店舗数及び事業所数を指し、アクティブ及びノンアクティブを含みます。
(注3)Airペイ端末を通じた店舗決済金額(AirペイQRによるQR決済を含む)及びAirペイオンラインを通じたオンライン決済における決済金額の合計金額(決済流通額のうちの、ごく一部に当たる決済手数料が当社の売上収益となるため、流通決済額の増減は当社の売上収益の増減と必ずしも比例しません)
(注4)2022年6月末時点でマッチング&ソリューションSBUが日本国内で提供しているSaaSの潜在顧客事業所数の当社推定。総務省・経済産業省「平成28年経済センサス-活動調査結果」及び中小企業基本法における中小企業者の定義等に基づく中小企業者の事業所数を潜在顧客事業所数としています。2022年6月末時点でマッチング&ソリューションSBUが日本国内で提供しているSaaS(Airワーク採用管理含む)の内容に鑑み、業種にかかわらず全業種においてもSaaS導入可能性があると判断し、すべての業種を潜在顧客事業所数の対象としています。また、潜在顧客事業所数に算入する事業所の規模は、SaaSの現時点における主たる顧客ターゲットに鑑みこれまでと同様、中小企業基本法における中小企業としています。
当社は、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考えています。2021年5月に、経営戦略として掲げたESG(環境・社会・ガバナンス)の目標に対する当連結会計年度の進捗は以下のとおりです。
環境(E)
短期目標として定めた、当社グループの事業活動におけるカーボンニュートラルは、前連結会計年度に続き当期も達成する見込みです(注1,2)。そして、2031年3月期までに目指すバリューチェーン全体を含めたカーボンニュートラル(注1,2)に向けては、3カ年の実質削減目標(注3)を定め、SBTi (Science Based Targets initiative)の1.5℃目標(注4)に署名し、排出削減を進めています。その活動が評価され、前連結会計年度に引き続き当期もCDP(注5)によるサプライヤー・エンゲージメント評価において最高評価であるサプライヤー・エンゲージメント・リーダーに選定されました。
また、プロダクトを通じた環境への貢献も始めています。Indeed上で採用面接を完結するIndeed Interviewによって面接のための交通移動を減らすことで、温室効果ガスの排出回避に貢献(注6)しています。
社会(S)
世界で人材マッチング事業を展開する当社グループとして、人々にとって欠かせない生活基盤である「仕事」の領域で、社会に大きなインパクトを創出し、すべての求職者の失業期間の短縮に貢献するために2つのコミットメントを掲げています。
2031年3月期までに就業までに掛かる時間を半分にする目標に向けては、まず、Indeed上のユーザーデータの収集と分析に注力する中で、仕事の種類や年収等によって求職期間に大きな違いがあることが分かってきました。
そして、就業までに掛かる時間の短縮に向けて、Indeed上のプロダクト開発を進めました。例えば、企業クライアントが求人広告へのクリック数に対して課金される「Pay Per Click」モデルではなく、応募に対して課金される「Pay Per Application」モデルを利用した場合、就業までに掛かる時間が約17%短縮されました。また、企業クライアントがIndeed上でスキルによるマッチングができる「Indeedアセスメント」を利用すると、採用に掛かる期間が約16%(注8)短くなるといった結果が出てきています。
2031年3月期までに累計3,000万人の障壁に直面する求職者の就業を支援する目標に向けては、世界で共通した障壁となっている学歴や障がい、犯罪歴(注9)、軍隊経験(注10)、求職活動のために必要なテクノロジーや交通手段へのアクセスを持っていないといった障壁(注11)の低減に取組みました。そして、プロダクトの進化とパートナーシップを通じて(注12)、約390万人の就業を支援することができました(注13)。
また、当社グループでは、創業以来、従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで新たな事業やサービスを生み出してきました。そこで、多様な従業員の価値創造への意欲を最大化することを経営の重要テーマと位置付け、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の推進に取組んでいます。
2031年3月期までに当社グループ全体における上級管理職・管理職・従業員それぞれの女性比率を約50%とする目標(注14)に向けては、3カ年目標(注2)を定めて取組みを加速しています。特に、ジェンダーギャップが大きい日本を中心に事業を展開するマッチング&ソリューション事業では、これまで暗黙知として管理職に求めていたスキルや働き方を問い直し、管理職要件を明文化しました。その結果、女性候補者はもちろん、男性候補者も増え、候補者全体が拡大するといった兆しが出てきています。
ガバナンス(G)
当社は、経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるためには、監査役を含む取締役会構成員の多様性を高めることが重要であると考えています。スキルや経験、バックグラウンドの多様性を高めることに加えて、特にジェンダーについては目標を定めて取組んでいます。
2031年3月期までに当社の取締役及び監査役全体の女性比率を約50%にする目標に向けては、2023年6月に開催予定の定時株主総会に、新たな女性取締役候補であるKatrina Lake氏を含む選任議案を上程する予定です。本議案が可決されれば、女性比率は約27%から約33%に上昇する見込みです(注15)。また、本選任によって、ジェンダーに加えて、国籍や年齢、スキルや経験等の属性についても取締役会の多様性が高まります。
また、当社の業務執行取締役と主にテーマを推進する執行役員に対して、3カ年目標を定めたGHG排出量削減と女性比率向上の達成如何を、当連結会計年度からの長期インセンティブ報酬(注16)の一部に連動させることを取締役会において決定し、取組みを加速しています。
事業活動における温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量は、スコープ1(自社が管理・所有するオフィスにて直接排出されるGHG)とスコープ2(自社が管理・所有するオフィスにて購入した電力・熱・蒸気エネルギー等の使用を通して間接的に排出されるGHG)の合計。バリューチェーン全体におけるGHG排出量は、スコープ1、2に加えて、スコープ3(スコープ1、2を除く間接的に排出されるGHG)を含むすべて。GHG排出量の測定、排出量に対する第三者認証の取得、更に残存する排出量に対してオフセットを行った上でカーボンニュートラルの達成を目指す。
(注2)GHG排出量の数値はGHGプロトコルに基づき算定した概数。また、GHG排出量及び回避したGHG排出量についてはSOCOTEC Certification Japan、又はSCS Global Servicesによる独立した第三者保証を取得している。
(注3)GHG排出削減目標については2022年度から2024年度の実績、従業員における女性比率目標については2022年4月1日時点から2025年4月1日時点までの実績、取締役会構成員における女性比率については2022年7月1日時点から2025年7月1日時点までの実績を対象とする。
(注4)The Science Based Targets initiative (SBTi)が定める短期目標であり、地球温暖化を産業革命前の温度レベルと比較して1.5℃以内に維持するために必要な削減のレベルと一致するGHG排出削減目標。
(注5)CDPは2000年に設立された英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)。世界最大級の環境データベースを保有し世界の主要金融機関と協力し、企業が環境に与える影響を明らかにしている。
(注6)Indeed Interviewを通じたGHGの排出回避量は約13,000t-CO2以上であり、当社グループのバリューチェーンを超えた貢献であるため、当社グループのスコープ1、スコープ2、スコープ3の計算には内包しない。
(注7)2022年1月から2023年1月までに米国Indeed上の採用について、求職者がIndeedを通じて採用された仕事に対して、応募してから採用されるまでの期間から算出した差分。分析データは、Indeedの2つの料金モデル (応募に対する課金、又はクリックに対する課金) のいずれかを利用した有料求人のみを含む。Pay Per Applicationは、雇用主が基準を満たす求職者からの応募にのみに支払う新しい課金モデル。Pay Per Clickは、Indeedの基本課金モデルで、求職者が求人広告をクリックした際に雇用主に課金される。
(注8)Indeed上の求人掲載が(a)14日未満で、(b)2022年11月1日から2022年12月31日までの間に応募があった求人において、雇用主がIndeed上で採用するまでの日数に、スキルテスト(Indeedアセスメント)を利用する場合とそうでない場合で統計的に有意な差があった。採用までの時間は、求人情報がIndeedに掲載された日から、採用が決まったために雇用主が掲載を終了した日までの差分
(注9)米国では約7,000万人に犯罪歴があり(出典:The Sentencing Project)、犯罪歴がある求職者の失業率は米国平均の約5倍(出典:Prison Policy Initiative)
(注10)米国商工会議所財団の2016年の調査で、退役軍人の53%が退役後4ヶ月以上失業していることがわかっている。実際、当社サービスにおいても、軍隊生活から市民生活に移行中の退役軍人は、軍で得たスキルや経験を雇用市場でうまくアピールできずに仕事探しに苦戦するケースが多く存在している。
(注11)インターネットに接続することができず求人プラットフォームにアクセスすることができない、面接や仕事に行くための交通手段がないといった、求職活動の機会を著しく限定する障壁を示す。
(注12)当社グループのオンライン求人プラットフォームを通じた支援や、当社グループが協働するNPO等とのパートナーシップを通じた支援等を実施。2030 年度に向けて、今後新たに発生する雇用市場の障壁に対して、その低減に向けた取組みを追加する可能性がある。
(注13)2021年5月1日から2023年3月31日までの間に、世界中の求職者及び雇用主からIndeed上で報告された採用シグナルを通じた就業データの集計。学歴、犯罪歴、軍隊経験、障がいの有無、又は求職活動のために必要なパソコンやインターネット等を持っていないという雇用市場の障壁のうち、少なくとも1つに直面した求職者の就業数の累計
(注14)上級管理職は、当社及びマッチング&ソリューション戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下SBU)においては執行役員/専門役員、HRテクノロジーSBUと人材派遣SBUにおいては主要子会社社長/重要機能トップを示す。管理職・従業員の女性比率は、当社、全SBU統括会社及び各SBU配下の主要子会社について集計。管理職は、部下を持つすべての管理職
(注15)取締役会構成員は、取締役及び監査役の合計を示す。
(注16)長期インセンティブBIP信託(株式)報酬の一部として設定し、3カ年目標の達成如何によって支給有無を決定する。
当社グループ全体の経営戦略を推進するために取組んでいる各SBU事業戦略は、以下のとおりです。
HRテクノロジー事業
より効率的な求職活動及び採用活動の需要に応え、テクノロジーと当社が保有する膨大なデータを活用することにより、IndeedとGlassdoorの求人広告事業及び採用ソリューション事業のグローバル市場での更なる売上収益の成長に注力していきます。
マッチング&ソリューション事業
販促・人材領域のオンラインマッチングプラットフォームと、業務・経営支援ツールのSaaSの提供を通じて、金融サービスを含む、企業クライアントの事業運営に係るすべての経済活動を支えるエコシステムを構築をしていきます。
人材派遣事業
幅広い業界で求職者への就業機会や企業クライアントへの柔軟な労働サービスを提供しながら、安定的な事業運営を目指します。日本では調整後EBITDAマージン水準の維持、欧州、米国及び豪州では調整後EBITDAマージンの継続的な改善に取組みます。
当社のキャピタルアロケーションは、以下を優先順位として設定しています。
また、個別の投資案件の実行の是非を判断する際には、資本コストを上回るハードルレートを適用する等、資本効率を意識した経営に取組んでおり、ROEは15%程度を目安として設定しています。