事業の経過及び成果

 エンタテインメントコンテンツ事業を取り巻く環境としては、コンシューマ分野(前期までのデジタルゲーム分野及びパッケージゲーム分野)におきまして、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う外出自粛による巣ごもり消費の影響や、家庭用ゲーム機における次世代機の発売及びデジタル化の進展により、PCや家庭用ゲーム機でのダウンロード販売が進むとともに、ゲーム需要の高まりが見られました。今後も新たなビジネスモデルやサービスによる収益機会の多様化や、さらには5Gやクラウドといったテクノロジーやインフラの発展に伴い、グローバルでのゲーム市場の活性化や拡大が期待されます。アミューズメント施設・機器市場につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う施設稼働の低下が見られましたが、プライズカテゴリーを中心として徐々に回復傾向にあります。
 遊技機業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う政府による緊急事態宣言の発出や、各地方自治体による休業要請を受け、第1四半期においては全国のパチンコホールが休業対応を実施いたしました。その影響を受けて旧規則機の撤去期限が延長となったこともあり、特に上半期においてホールの購買意欲の著しい低下が見られました。このような状況下ではあったものの、パチンコ遊技機については新規則機の人気タイトルが複数登場しております。また、パチスロ遊技機についても、新基準機である6.1号機の投入が開始されております。

 リゾート業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による旅行の延期や中止のほか、各国の渡航制限等の実施により国内外の旅行需要が低下し、旅行者数が大幅に減少いたしました。政府が2020年7月より開始した『Go Toトラベル事業』のキャンペーン期間中においては国内観光需要の回復が見られましたが、2020年12月に発表された『Go Toトラベル事業』の一時停止の影響や、2021年1月に再度発出された緊急事態宣言に伴い経済活動が制限される等、旅行需要は再び低調に推移しております。なお、『特定複合観光施設区域整備法』にかかる施行令等が2019年4月より順次施行されており、2020年1月にカジノ管理委員会が発足されたほか、2020年10月に政府による基本方針案が公表され、IR区域整備計画の認定申請期間の見直しが行われました。また、2021年1月には一部の地方自治体においてIR事業者の公募であるRFP(Request for Proposal)が開始されました。
 このような経営環境のもと、当連結会計年度における売上高は277,748百万円(前期比24.2%減)、営業利益は6,553百万円(前期比76.3%減)、経常利益は1,715百万円(前期比93.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,274百万円(前期比90.7%減)となりました。なお、当連結会計年度において実施した構造改革の取り組みに伴い、固定資産の売却益15,258百万円、投資有価証券の売却益11,266百万円を特別利益に、アミューズメント施設分野及びアミューズメント機器分野における子会社の譲渡や、希望退職者募集に伴う特別退職加算金等による構造改革費用34,191百万円を特別損失に計上しております。また、今後の業績動向を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産を計上し、これに伴い法人税等調整額△12,200百万円を計上いたしました。


セグメント別の概況は以下のとおりであります。
 なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
 また、当グループの報告セグメントとして従来「エンタテインメントコンテンツ事業」に含まれていたセガサミークリエイション株式会社の営む事業について、当連結会計年度より「遊技機事業」に変更し、セグメント利益を営業利益から経常利益へ変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。加えて、報告セグメントの記載順を見直しました。

 エンタテインメントコンテンツ事業 

 コンシューマ分野におきましては、フルゲーム(※)については『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ(欧米版)』、『龍が如く7 光と闇の行方(欧米版)』、『Football Manager 2021』などの新作タイトルを発売したほか、リピート販売が好調に推移し、販売本数は4,177万本(前期は2,857万本の販売)となりました。また、F2P(※)については、『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』や『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』などの新作タイトルに加え、既存タイトルも好調に推移いたしました。
※コンシューマ分野を以下3つのビジネスモデルに区分しております。


 アミューズメント機器分野におきましては、UFOキャッチャーシリーズやプライズ等の定番製品を中心に販売いたしました。
 アミューズメント施設分野におきましては、構造改革の実施により、アミューズメント施設運営子会社の株式譲渡を2020年12月に実施したことに伴い、第3四半期連結会計期間末に同社を連結の範囲から除外しております。

 映像・玩具分野におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開が延期となりましたが、「名探偵コナン」のTVアニメシリーズの特別総集編となる映画『名探偵コナン 緋色の不在証明』の公開や、映像制作に伴う収入及び配分収入を計上したほか、玩具において『マウスできせかえ! すみっコぐらしパソコンプラス』等の新製品や定番製品を販売し、堅調に推移いたしました。
 なお、第3四半期連結会計期間において営業外収益に計上していた投資有価証券評価益は、当第4四半期連結会計期間の株式売却に伴い投資有価証券売却益として特別利益に計上しております。
 以上の結果、売上高は217,810百万円(前期比12.0%減)、経常利益は27,917百万円(前期比71.6%増)となりました。

 遊技機事業 


 パチスロ遊技機におきましては、『パチスロ北斗の拳 宿命』等の販売を行い、35千台の販売(前期は123千台の販売)となりました。パチンコ遊技機におきましては、『P真・北斗無双 第3章』等の販売を行い、69千台の販売(前期は104千台の販売)となりました。
 以上の結果、売上高は53,198百万円(前期比51.0%減)、経常損失は11,332百万円(前期は経常利益22,781百万円)となりました。

 リゾート事業 


 リゾート事業におきましては、『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、集客数の大幅な落ち込みが見られたことから施設利用者数は前期比65.7%となりました。一方で、『Go Toトラベル事業』のキャンペーン期間中においては個人客の需要が高まり、2020年10月、11月の施設利用者数は前年同月比で110%以上となる等の回復が見られました。また、日本国内におけるIR参入に向けた費用が発生いたしました。
 海外におきましては、PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.(当社持分法適用関連会社)が運営する『パラダイスシティ』において、新型コロナウイルス感染症の影響等により、2020年1月~12月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)が前期比で33.8%、カジノ来場者数が前期比45.5%となる等、大幅な落ち込みが見られました。※PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.は12月決算のため3ヶ月遅れで計上
 以上の結果、売上高は6,320百万円(前期比39.7%減)、経常損失は8,979百万円(前期は経常損失5,354百万円)となりました。

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2021/06/24 12:00:00 +0900
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