当期の事業の概況

 当連結会計年度における世界経済は,米中貿易摩擦の長期化によって設備投資が低迷し,減速傾向が続きました。また日本経済は,輸出および輸入の大幅な減少などにより企業収益が悪化し,さらには新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響もあり,大幅に悪化しました。
 そのような中で,当社グループの主要な販売市場である工作機械・ロボット・半導体製造装置などの業界においては,設備投資の減少が続き,需要が大幅に減少しました。加えて,新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的としたフィリピン政府の休業命令により,2020年3月中旬からフィリピン工場の操業を停止したため,期末の売上収益の一部が翌期へ先送りとなりました。
 その結果,当連結会計年度における連結売上収益は70,706百万円(前年同期比16.5%減)となり,連結営業利益は1,043百万円(前年同期比84.2%減),連結税引前当期利益は986百万円(前年同期比85.7%減),親会社の所有者に帰属する当期利益は426百万円(前年同期比91.4%減)となりました。
 受注高は72,011百万円(前年同期比7.4%減),受注残高は16,907百万円(前年同期比8.4%増)となりました。



セグメント別の業績

日本

売上構成比

 日本には,当社および連結子会社の山洋工業株式会社,山洋電気テクノサービス株式会社があります。セグメント売上収益は72,340百万円(前年同期比16.8%減)となり,セグメント損失は257百万円(前年同期はセグメント利益4,114百万円)となりました。

北米

売上構成比

 北米には,連結子会社のSANYO DENKI AMERICA,INC.があります。セグメント売上収益は8,207百万円(前年同期比18.3%減)となり,セグメント利益は152百万円(前年同期比76.1%減)となりました。

ヨーロッパ

売上構成比

 ヨーロッパには,連結子会社のSANYO DENKI EUROPES.A.およびSANYO DENKI GERMANY GmbHがあります。セグメント売上収益は4,475百万円(前年同期比18.4%減)となり,セグメント利益は303百万円(前年同期比37.2%減)となりました。

東アジア

売上構成比

 東アジアには,連結子会社の山洋電气(上海)貿易有限公司,山洋電氣(香港)有限公司,台灣山洋電氣股份有限公司,SANYO DENKI KOREA CO.,LTD.,上海山洋電气技術有限公司,山洋電气貿易(深圳)有限公司,中山市山洋電气有限公司,山洋電气精密機器維修(深圳)有限公司および山洋電气(天津)貿易有限公司があります。セグメント売上収益は8,774百万円(前年同期比24.7%減)となり,セグメント利益は222百万円(前年同期比58.3%減)となりました。

東南アジア

売上構成比

 東南アジアには, 連結子会社のSANYO DENKI PHILIPPINES,INC.,SANYO DENKI SINGAPORE PTE.LTD.,SANYO DENKI INDIA PRIVATE LIMITEDおよびSANYO DENKI (THAILAND) CO.,LTD.があります。SANYO DENKI PHILIPPINES,INC.においては,新型コロナウイルス感染症の感染防止を目的としたフィリピン政府の休業命令により,2020年3月中旬から工場の操業を停止したため,期末の生産・販売の一部が減少しました。その結果,セグメント売上収益は18,794百万円(前年同期比16.1%減)となり,セグメント利益は362百万円(前年同期比58.3%減)となりました。
 なお,SANYO DENKI PHLIPPINES,INC.は2020年5月18日より生産活動が再開されました。


事業部門別の業績

クーリングシステム事業

San Ace(サンエース)は,冷却ファン,ファンユニットなど,山洋電気のクーリングシステム製品を総称するブランドです。

売上構成比

 クーリングシステム製品「San Ace」は,サーバや通信装置向けの需要が堅調でした。また,半導体製造装置や制御機器向けの需要が増加しました。一方,ロボット等のファクトリーオートメーション向けの需要は第3四半期まで低調が続きましたが,第4四半期から増加に転じました。
 その結果,売上収益は22,160百万円(前年同期比5.0%減),受注高22,752百万円(前年同期比2.6%減),受注残高4,677百万円(前年同期比14.5%増)となりました。

主要製品
DCファン ファンユニット
耐久ファン エアフローテスター
ACファン PWMコントローラ


パワーシステム事業

SANUPS(サナップス)は,無停電電源装置(UPS),インバータ,太陽光発電システム用パワーコンディショナなど,山洋電気のパワーシステム製品を総称するブランドです。

売上構成比

 パワーシステム製品「SANUPS」は,災害対策用途を中心に公共設備向けの需要が堅調でした。一方,産業設備向けやFA機器の需要は停滞しました。再生可能エネルギー用途では,自家消費用途の投資先送りなどで低調でした。
 その結果,売上収益は7,834百万円(前年同期比6.4%増),受注高8,154百万円(前年同期比10.5%増),受注残高2,152百万円(前年同期比17.5%増)となりました。

主要製品
UPS(無停電電源装置) インバータ
パワーコンディショナ 無瞬断切換装置
グリッド管理装置 防災用ディーゼル発電装置
瞬時電圧低下補償装置


サーボシステム事業

SANMOTION(サンモーション)は,サーボモータ・アンプ,ステッピングモータ・ドライバ,コントローラ,エンコーダなど,山洋電気のサーボシステム製品を総称するブランドです。

売上構成比

 サーボシステム製品「SANMOTION」は,第3四半期から5G通信や半導体産業の設備投資が活発になったため,半導体製造装置やロボット,電子部品実装機向けの需要が回復しましたが,第2四半期までの需要の落ち込みを取り戻すまでには至りませんでした。一方,工作機械や射出成形機向けの需要は年間を通じて低調でした。
 その結果,売上収益は32,697百万円(前年同期比31.1%減),受注高33,177百万円(前年同期比17.7%減),受注残高8,516百万円(前年同期比6.0%増)となりました。

主要製品
ACサーボシステム ステッピングシステム
DCサーボシステム モーションコントローラ
リニアサーボシステム


電気機器販売事業

電気機器販売事業は,産業用電気機器,制御機器,電気材料などの販売をおこなう事業です。

売上構成比

 産業用電気機器,制御機器および電気材料は,医療機器関連の需要が堅調に推移しました。防災用のリチウムイオン電池を搭載した無停電電源装置や太陽光発電事業も需要が増加しました。鉄鋼関連事業においては,設備投資案件の減少により需要が大幅に減少しました。
 その結果,売上収益は5,889百万円(前年同期比26.1%増),受注高5,870百万円(前年同期比21.0%増),受注残高853百万円(前年同期比2.2%減)となりました。


電気工事事業

電気工事事業は,産業用コントロールシステムの設計,開発,施行,保全工事を提供する事業です。

売上構成比

 製鉄所構内の電気工事は,予備品,補修工事の需要が増加したことにより,堅調に推移しました。構外案件およびシステム案件は,水処理および再生エネルギーを中心とした大型工事が完成したことにより,堅調に推移しました。
 その結果,売上収益は2,124百万円(前年同期比15.1%増),受注高2,057百万円(前年同期比13.1%増),受注残高708百万円(前年同期比8.7%減)となりました。


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2020/06/19 11:30:00 +0900
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