当社は、株主様に対する利益還元の充実を経営上の重要課題の一つと位置づけ、各事業年度の配当につきましては、成長事業分野に対する生産設備、新規事業に対する技術開発投資および市場開拓投資のための内部留保を勘案しつつ、安定的な配当を継続的に実施することを基本方針としております。
当期(2024年3月期)の業績につきましては、VCCS(旧車載通信機器)セグメントが前期比で増収・大幅増益となった一方、CTC(旧回路検査用コネクタ)セグメントが大幅な受注減から売上高半減となり営業赤字に転じ、FC・MD(旧無線通信機器)セグメントも減収減益となりました。その結果、連結売上高は前期比で小幅な減収、各利益は前期比で大幅な減益となりましたが、2024年2月に公表した業績予想値に対しては上回る形で着地いたしました。
次期(2025年3月期)につきましては、世界各地域における政治的対立・緊張と紛争の拡大もあって世界経済がますます不透明さを増し、当社主要市場において軸となるテーマも変遷する難しい展開になるとみられます。このような状況の中、当社グループにおきましては、2024年初以降、CTC/FC両事業の再成長への足掛かりを得つつあり、2024年5月公表の「新中期経営計画2024−2028」に沿って、資本コスト経営の下「選択と集中」を強く意識した投資管理により、増収増益とキャッシュフロー創出力強化を推進してまいります。
以上の状況を踏まえ、当期の期末配当につきましては、次期以降の業績見通し、資金需要および財務安定性の確保を総合的に勘案し、以下のとおりといたしたいと存じます。
◆業績推移