株主の皆さまには、日頃より格別のご高配を賜り、厚く御礼申しあげます。
2021年度の連結経営成績は、新型コロナウイルス感染症の再拡大や半導体供給不足による四輪車販売台数の減少、原材料価格高騰の影響などはあったものの、コストダウンやインセンティブの抑制効果、為替影響などにより、営業利益は前年度にくらべ2,110億円増益の8,712億円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、496億円増益の7,070億円となりました。
2022年度は、販売台数の増加や為替影響などはあるものの、さらなるコストの上昇など、厳しい外部環境は続くと見込んでおります。Hondaは全方位で収益改善の取り組みを継続し、2022年度の連結業績見通しは営業利益で8,100億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、持分法による投資利益の増加もあり7,100億円を計画しております。厳しい事業環境下においても、Hondaは将来へ向けた仕込みを確実に行い、電動化や新たな成長へ向けた取り組みを今後も加速させてまいります。
なお、2021年度の年間配当金は、1株当たり120円といたしました。2022年度の年間配当金の予想は、2021年度と同額の1株当たり120円としております。
Hondaは2050年に、「Hondaの関わるすべての製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラルを目指すこと」、「全世界でHondaの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロを目指すこと」を目標に掲げ、全社一丸となり推進しております。
環境では、年間で約3,000万台を販売する世界一のパワーユニットメーカーとして、まずは私たちの提供するモビリティ、そしてその動力源であるパワーユニットのカーボンニュートラル化を進めていきます。
四輪事業では、2030年までに、軽商用からフラッグシップクラスまで、グローバルで30機種のEV(電気自動車)を展開し、年間200万台を超える生産を計画しております。また二輪事業では、電動化だけでなく燃費改善やバイオ燃料の活用等にも取り組み、環境トップランナーを目指していきます。さらに、さまざまな電動商品とサービス、ならびにバッテリー、エネルギー、モバイルパワーパック、水素、そしてそれらをつなげるコネクテッドプラットホームの構築により、多様な国や地域で、お客さまの用途に応じた多面的・多元的なソリューションを提供し、社会全体の利便性や効率性を高め、「自由な移動の喜び」を「地球環境負荷ゼロ」で実現していきます。
安全では、「Honda SENSING」の普及とさらなる進化に取り組むとともに、一人ひとりの能力や状態に合わせ、運転ミスやリスクを減らし、運転時のヒューマンエラーゼロを目指す「知能化運転支援技術」と、すべての交通参加者である人とモビリティが通信でつながることで、事故が起きる手前でリスクを予兆・回避する「安全・安心ネットワーク技術」など、現在開発中の先進の将来安全技術を公開しました。
人々の価値観やビジネス形態が大きく変わる中、将来にわたり社会から存在を期待される企業であり続けるために、Hondaはモビリティカンパニーとして、従来の延長線上にない発想で人の生活圏や行動圏を拡げるとともに、社会をも変えていく原動力になるべく挑戦を続けてまいります。
株主の皆さまにおかれましては、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申しあげます。
2022年6月
取締役
代表執行役社長