① 事業の経過及び成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大傾向からワクチン接種が進展したことにより、まん延防止等重点措置も解除される等、経済活動に回復の兆しが見え始めたものの、半導体供給問題や原材料価格の高騰に加え、ロシア・ウクライナ情勢による影響もあり、経済状況の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループは「デジタル一番星」、「お客様感動No.1」を常に追求し、その実現のため「選びやすい売場」及び「お客様の立場に立った接客」を常に心がけ、コンサルティングセールスのレベルアップやお客様のニーズに合ったサービスの充実に取り組んでまいりました。
2021年10月には、AXN株式会社を子会社化し有料衛星放送事業を開始いたしました。質の高い放送サービスの供給を通じ、より充実した優良なサービスの提供に取り組んでおります。なお、2022年3月にはスルガ銀行株式会社との資本業務提携を解消し保有株式の売却を行い、また、子会社であるシグニ株式会社の株式を売却し、事業のポートフォリオの組み替えを行いました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は564,989百万円(前年同期比108.0%)、営業利益は33,166百万円(前年同期比98.0%)、経常利益は35,890百万円(前年同期比55.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は25,862百万円(前年同期比49.0%)となりました。なお2021年6月のスルガ銀行持分法適用除外に伴い、持分法投資損益を控除した対前年増減率は、経常利益が前年同期比99.0%、親会社株主に帰属する当期純利益が前年同期比105.9%となります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は20,843百万円減少、売上原価は2,298百万円減少、販売費及び一般管理費は18,722百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ177百万円増加しております。
また、当社グループの経営指標として重要視しておりますEBITDA(※)は、53,504百万円(前年同期比103.4%)となりました。
(※)EBITDA=経常利益+支払利息+社債利息+減価償却費+のれん償却額-持分法による投資利益
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(デジタル家電専門店運営事業)
昨年の巣ごもり需要や給付金需要の反動がありましたが、店舗における徹底した新型コロナウイルス感染症対策と家庭で過ごす時間の増加に対応した、ニューノーマルにおける需要へのコンサルティングセールスを推進し、より多くのお客様に喜ばれ、ご来店いただける取り組みを継続いたしました。商品別には、有機ELテレビ等の販売が好調に推移したほか、大型・高機能の冷蔵庫、洗濯機や調理家電、理美容家電が堅調に推移したため、デジタル家電事業の売上高は前年を上回りました。また、新宿、池袋等、駅前の好立地に積極的な出店を行い、17店舗を新規出店し、既存の店舗についても改装を進めてまいりました。
これらの結果、売上高は251,443百万円(前年同期比102.2%)、経常利益は20,685百万円(前年同期比100.4%)となりました。なお、当期の「収益認識に関する会計基準」の適用により、売上高は19,890百万円減少、経常利益は194百万円増加しております。
(キャリアショップ運営事業)
オンライン専用プランをはじめとした低料金プランへの切り替えが進む中、キャリアによる代理店支援も量から質へと変化し業界全体は厳しい情勢にあります。
このような状況下、お客様に安心してご利用いただける環境を整えるとともに、お客様の生活スタイルに合ったプランのコンサルティングやサービスの提供に加え、利便性を高めるための店舗移転や改装を積極的に進め、売上高は前年を上回りましたが、出張販売等の販売促進費が増加したこともあり利益面は前年を下回りました。
また、2021年10月には、キャリアショップ事業を運営するアイ・ティー・エックス株式会社(以下、ITX)から、ITXコミュニケーションズ株式会社(以下、ITXC)を分社化し、これにより、ITXはドコモ事業、ITXCはKDDI事業にそれぞれ専念し、より質の高いコンサルティングを行う体制といたしました。
これらの結果、売上高は187,953百万円(前年同期比102.9%)、経常利益は5,887百万円(前年同期比69.4%)となりました。なお、当期の「収益認識に関する会計基準」の適用による影響は軽微であります。
(インターネット事業)
生活に不可欠なインフラである超高速ブロードバンドサービスにつきましては、テレワークやオンライン授業が定着したことによる拡大傾向が継続し、グループの各店舗においてNTT東日本、NTT西日本が提供するフレッツ光のサービス「@nifty光」やセキュリティサービスのご案内を積極的に行い、グループシナジー効果の最大化に取り組みました。
また、2021年3月に子会社化した株式会社セシールについては、事業構造の見直しを進め、グループのリソースを活用した新しい生活スタイルをより豊かにする提案を行ってまいりました。2021年12月には行動支援プラットフォームサービス等を展開している、ニフティライフスタイル株式会社が東京証券取引所マザーズに上場いたしました。
これらの結果、売上高は72,358百万円(前年同期比147.2%)、経常利益は5,770百万円(前年同期比154.7%)となりました。なお、当期の「収益認識に関する会計基準」の適用により、売上高は951百万円減少、経常利益は14百万円減少しております。
(海外事業)
東南アジアにおいては、各国政府による新型コロナウイルスの感染症対策が変化する中、シンガポール・マレーシアにおいては、店舗のスクラップアンドビルドや質の改善、人材の教育・研修の充実を図ることで、より質の高い接客・サービスの提供に取り組みました。
このような状況下、前年度のロックダウンによる店舗閉鎖は解除となり売上高は前年を上回りましたが、政府からの補助金の減少も有り、利益面は前年を下回りました。
なお、シンガポールでは、2021年11月にオーチャード通りの好立地に位置する新商業施設「COURTS Nojima」において海外初の自社による施設運営事業を開始し、家電・家具専門店「COURTS」フロアをオープンしました。
これらの結果、売上高は43,005百万円(前年同期比107.7%)、経常利益は2,102百万円(前年同期比72.7%)となりました。
(店舗運営の状況)
デジタル家電専門店運営事業では、スクラップアンドビルドにより、デジタル家電専門店17店舗を新規出店、3店舗を閉店し205店舗となり、通信専門店3店舗を閉店・譲渡し21店舗となりましたので、合わせて226店舗となりました。
キャリアショップ運営事業では、直営店・FC店を合わせて、スクラップアンドビルドにより、9店舗を新規出店・譲受し、22店舗を閉店・譲渡したため、585店舗となりました。
海外事業では、2店舗を新規出店、5店舗を閉店し、65店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における総店舗数は876店舗となりました。
② 設備投資の状況
当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は12,850百万円で、その主なものは次のとおりであります。
㈱ノジマ
(注)
当該物件は不動産信託受益権であり、その計上にあたっては信託財産を自ら所有するものとして計上しております。
③ 資金調達の状況
当社グループは、運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能にするため、主要取引金融機関と当座貸越契約及び財務制限条項が付された貸出コミットメント契約を締結しております。
④ 他の会社の株式その他の持分又は新株予約権等の取得又は処分の状況
該当事項はありません。