① 事業の経過及び成果
当連結会計年度におけるわが国経済は、全体としては緩やかな回復基調にあります。一方で、物価は緩やかながら上昇を続けていることに加え、中国経済への懸念や中東地域情勢などの景気下振れリスクが点在していることから、先行きにつきましてはこれらの動向に注意が必要な状況にあります。
このような状況下、当社グループは「デジタル一番星」、「お客様感動No.1」を常に追求し、その実現のため「選びやすい売場」及び「お客様の立場に立った接客」を常に心がけ、コンサルティングセールスのレベルアップやお客様のニーズに合ったサービスの充実に取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は761,301百万円(前年同期比121.6%)、営業利益は30,560百万円(前年同期比91.0%)、経常利益は32,937百万円(前年同期比90.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,979百万円(前年同期比85.7%)となりました。なお、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
また、当社グループの経営指標として重要視しておりますEBITDA(※)は、57,540百万円(前年同期比103.2%)となりました。
(※)EBITDA=経常利益+支払利息+社債利息+減価償却費+のれん償却額−持分法による投資損益
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(デジタル家電専門店運営事業)
猛暑によりエアコン等季節品の需要が高まった一方、端末買い換えサイクルの長期化や電気通信事業法の改正により携帯電話が低調に推移し、家電小売業界の売上は概ね横ばいの推移となりました。
このような状況下、人材・店舗・DXへの投資を継続いたしました。DXへの投資につきましては、システム部門でのツール開発等に加え、GlobalLogic Japan株式会社との協創による「DXプロジェクト」のサービス提供を開始しました。3月には第2弾サービスの提供を開始しており、今後もお客様が快適かつ楽しくお買い物ができるよう、サービス開発を行ってまいります。商品につきましてはエアコンが好調に推移した一方、携帯電話は苦戦が続いております。3月においては、当社の原点であるコンサルティングセールスの強化に努めた結果、前年を上回る利益となっており、引き続き来期に向けた改善を進めてまいります。
これらの結果、売上高は267,801百万円(前年同期比100.5%)、経常利益は15,975百万円(前年同期比77.4%)となりました。
(キャリアショップ運営事業)
携帯端末販売・窓口のオンライン化が進む中、端末価格の値上がりによる買い替えサイクルの長期化や中古端末の需要拡大もあり、キャリアショップにおいてはこれまで以上に質の高い店舗運営が求められております。
このような状況下、安心・安全につながるセキュリティ関連サービスなど独自サービスをはじめ、お客様のニーズに合わせたコンサルティングを通じ、お客様に喜ばれる店舗運営を継続してまいりました。また、来店予約の仕組みの見直し等も行い、お客様の受け入れ最大化に努めてまいりました。
これらの結果、売上高は346,541百万円(前年同期比147.9%)、経常利益は8,430百万円(前年同期比136.7%)となりました。
(インターネット事業)
生活に不可欠なインフラである超高速ブロードバンドサービスの利用が増加する中、グループ店舗において主力となるFTTHサービス「@nifty光」やメールサービス等のご案内をすることで、グループシナジー効果を発揮してまいりました。3月末時点でのブロードバンド会員数は129万件と、前年同月から0.9万件の純増となりました。また、超高速サービス「@nifty光10ギガ」につきましても、お客様が安全かつ快適にご利用いただけるよう、セキュリティ等のオプションサービスも含めたご案内を行ってまいりました。
株式会社セシールは、お客様の期待を超える商品・サービス作りを進めてまいりましたが、売上及び利益については苦戦が続きました。
これらの結果、売上高は66,397百万円(前年同期比97.5%)、経常利益は5,393百万円(前年同期比81.0%)となりました。
(海外事業)
東南アジア諸国においても、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和されており、個人消費の伸長や労働市場の改善により、経済活動の回復が続いております。インフレ率がピークアウトしている傾向も見られますが、物価の上昇については景気の影響に対して引き続き注視が必要な状況にあります。
このような状況下、当社は、お客様に支持される店舗づくりのため、更なる接客の質の向上に向けた人材育成と、改装やスクラップアンドビルドなど店舗への投資に取り組んでまいりました。また、日本での各種ノウハウを海外にも取り入れることにより、各地域のお客様に喜ばれる店舗づくりを進めてまいりましたが、販管費の抑制には課題が残りました。
これらの結果、売上高は69,436百万円(前年同期比135.0%)、経常損失は329百万円(前年同期は経常利益1,508百万円)となりました。
(金融事業)
132円台でスタートした米ドル/円相場ですが、FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測等を背景に円安が進み、10月末には151円台の円安水準となりました。その後の利下げ観測の強まりも1月からは後退し、151円台で期末を迎えました。このほか、ユーロ/円相場は163円台で期末を迎えるなど、円は主要国の通貨に対して下落基調が続きました。
このような状況下、FX初心者でも運用しやすい当社独自の運用手法である「トラリピ」のサービス拡充を進めてまいりました。「トラリピ世界戦略」と称し、トラリピと相性の良い通貨ペア「豪ドル/NZドル」「ユーロ/英ポンド」「米ドル/カナダドル」への分散投資の推進を行いました。これにより、預かり資産残高は1,195億円となりました。
これらの結果、売上高は6,010百万円、経常利益は1,795百万円となりました。
(店舗運営の状況)
デジタル家電専門店運営事業では、スクラップアンドビルドにより、デジタル家電専門店14店舗を新規出店、7店舗を閉店し221店舗となり、通信専門店1店舗を新規出店、2店舗を閉店し18店舗となりましたので、合わせて239店舗となりました。
キャリアショップ運営事業では、直営店・FC店を合わせて、スクラップアンドビルドにより、16店舗を新規出店・譲受、60店舗を閉店・譲渡し、960店舗となりました。
海外事業では、スクラップアンドビルドにより、4店舗を新規出店、3店舗を閉店、TMTを子会社化し、116店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における総店舗数は1,315店舗となりました。
② 設備投資の状況
当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は6,905百万円で、その主なものは次のとおりであります。
㈱ノジマ
③ 資金調達の状況
当社グループは、運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能にするため、主要取引金融機関と当座貸越契約及び財務制限条項が付された貸出コミットメント契約を締結しております。
④ 他の会社の株式その他の持分又は新株予約権等の取得又は処分の状況
該当事項はありません。