事業の経過及び成果

 当連結会計年度(2020年1月1日から2020年12月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による政府の緊急事態宣言(2020年4月7日から2020年5月25日)により長期間にわたる活動の自粛の影響から、深刻なダメージを受けました。個人消費につきましても、緊急事態宣言にて大きく落ち込みが見られました。緊急事態宣言解除後、段階的に経済活動が再開される中において個人消費の回復も見られましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の状況によっては持ち直しの動きに足踏みが見られるかたちとなりました。また、足許につきましても国内外で新型コロナウイルス感染症が拡大しており、今後の動向を注視する必要がある状況にあります。
 当社グループの属するアウトドア業界におきましても、4月から5月にかけては新型コロナウイルス感染拡大防止のために店舗及びキャンプ場を休業する動きが全国的に広がったことでダメージを受けました。ただし、ステイホーム期間中に自宅にてアウトドア体験をされたい方の増加や、3密を避けたレジャーとしてキャンプ需要の高まりが日本のみならず世界的に確認されるといった中でキャンプ関連の商材やサービスが注目されました。また日本では、メディアやSNSといった媒体でキャンプならびにアウトドア企業が取り上げられる機会が多く、レジャー全般の中でのキャンプの認知度が向上したことで、キャンプ参加者のすそ野の広がりが確認されました。
 このような環境の中にて、当社グループの営業概況といたしましては、第2四半期までは緊急事態宣言に伴う休業影響もあり前年を下回る売上にて推移しましたが、その後のキャンプ需要の高まりに応じてアウトドア関連商材が好調に推移した結果、当連結会計年度における売上は前年を大きく上回る水準となりました。また、コロナ禍においてECを利用されるお客様の増加によりECの売上が好調に推移いたしました。
 販売費及び一般管理費については、コロナ禍において経費の見直しや役員報酬の減額といった取り組みにより一定の削減を行いましたが、当連結会計年度においては国内外にて直営店を計7拠点オープンしたことにより、前年を上回る水準となっております。
 これらの結果、当連結会計年度における業績は以下の通りとなりました。
  売上高 16,764,586千円(前年比17.6%増)
  営業利益 1,493,240千円(前年比61.6%増)
  経常利益 1,551,082千円(前年比61.1%増)
  親会社株主に帰属する当期純利益 1,048,378千円(前年比146.4%増)
 国内での事業につきましては、4月から5月に店舗やキャンプフィールドの休業影響によって直営店舗及び卸売店舗における売上は大きく減少いたしましたが、6月以降のキャンプ需要の高まりに合わせて、当連結会計年度における売上は昨年を上回る水準にまで回復いたしました。緊急事態宣言の解除後においても外出を倦厭されるお客様が多いことから、既存店舗(オープン年の翌年から1年を経過した店舗)の売上としては、昨年水準までは完全には回復していないことが確認されていますが、緊急事態宣言下において実施したオンラインでの顧客エンゲージメントの強化策が奏功し、当社ECへの誘導をスムーズに行えたことで6月以降のキャンプ需要の高まりをしっかりと捕捉することができました。株式会社スノーピークビジネスソリューションズにおいては、スノーピークグループ全体のIT及び人財育成にかかる事業支援の強化を図り、そのノウハウを外部向けのソリューション提供に活用したことでコロナ禍にありながらも売上を増加させることができました。
 海外での事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大による影響は見られたものの、各国にて前年を上回る売上実績となりました。国別に見ますと、韓国、台湾では新型コロナウイルス感染拡大が早期に抑えられて以降、ソーシャルディスタンスを確保できるレジャーとして、キャンプの需要が持続した状況にあります。米国では、昨年より展開している焚火関連商品の販売強化策に加え、日本で培ってきたオートキャンプの文化を米国でも展開するコミュニケーション強化策、及びオンラインでの顧客エンゲージメント強化策等が奏功し、EC及び卸売での売上拡大につながりました。また、9月には旗艦店舗を併設したSnow Peak USA Headquarters(Global HQ4)をグランドオープンし、今後の米国での販売を更に加速させてまいります。英国については、都市部のロックダウンが長期間にわたり断続的に続いたこともあり、当初計画していた店舗での営業活動が行えませんでした。ただし、卸売の取引先の拡大が進捗を見せており、売上につきましても今後拡大につなげてまいります。その他地域(現地拠点を持たない国や地域)の売上につきましても、一部感染拡大の影響を受けたものの、前年比プラスの成長となりました。


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2021/03/26 12:00:00 +0900
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