事業の経過及びその成果

(1)事業の状況

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、感染拡大に歯止めがかからず、人・物の動きや経済活動が世界的に制限されたことで、第二次世界大戦後で最悪の景気後退と言われるほどのダメージを受けました。
 国境を越えるサプライチェーンが途絶し、対面するサービス業に制約がかかるなど供給面に影響が生じたことに加え、外出制限や渡航制限に伴い、飲食や宿泊、運輸などで前例の無い規模で需要が縮小し、さらに耐久財についても需要が急減するなど全世界で異次元の経済危機に発展しました。
 国内経済においては、緊急事態宣言が出され、GDPが年率換算で戦後最悪の下落となった4~6月期以降、感染拡大第2波、第3波の影響による先行き不透明感から、民間消費や設備投資といった内需が弱い状況が続き、業種間の成長格差も広がりました。
 当社グループの取引に関する業界は、次世代通信規格「5G」やデータセンター向けが好調に推移した一方、国内の産業・工作機械の設備投資は抑制されました。また国内の自動車生産は復調傾向にあったものの、車載半導体不足が世界中で深刻化し、2月以降は多くのメーカーが減産や生産調整を迫られることとなりました。
 このような状況下、当社グループは、5年間の新たな成長戦略として中期経営計画「ICHIGAN 2024」を2020年4月からスタートし、「環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現に貢献する」をテーマに掲げ、代理店、商社の枠を超えた事業創出会社として新たな価値を創造していくことを目指し、事業活動を進めてまいりました。

 その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高1,968億41百万円(前期比14.4%減)、営業利益34億15百万円(前期比38.6%減)、経常利益36億53百万円(前期比36.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益23億43百万円(前期比39.3%減)となりました。
 なお、当期の期末剰余金の配当につきましては、2020年5月の公表どおり、1株当たり28円(年間56円)といたしました。


(2)事業別売上高の状況

(注)
  1. 事業別の連結売上高は百万円未満を切り捨てし、合計値はすべてを集計ののち、百万円未満を切り捨てて表示しています。
  2. 当連結会計年度より、組織変更を契機に報告セグメントの見直しを行い、従来「ICT施設システム」に含めていました「ビル事業」を「冷熱システム」に統合し、また報告セグメントの名称を「冷熱システム」から「冷熱ビルシステム」に、「ICT施設システム」から「ICTシステム」にそれぞれ変更しています。以降の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しています。


(3)事業別の状況

主要取扱商品
プログラマブルコントローラ、サーボシステム、インバータ、モータ、各種表示器、センサ、
配線用遮断器、NC装置、産業用ロボット、レーザ加工機、放電加工機、マシンビジョンシステム、トレーサビリティシステム、生産管理システム、自動化システム


 半導体製造装置関連及び工作機械向けは年度後半から中国市場を中心に好転しましたが、自動車関連を始めとした製造業向けが年間を通じて低調に推移しました。
 その結果、FAシステムの連結売上高は357億13百万円(前期比13.9%減)となり、営業利益は5億72百万円(前期比56.4%減)となりました。


主要取扱商品
パッケージエアコン、ルームエアコン、チリングユニット、エコキュート、低温機器、飲料クーラー、
クリーンルーム・恒温恒湿システム、換気機器、暑熱対策機器、エレベーター、エスカレーター、太陽光発電システム

 年度後半における冷熱システム分野の換気需要及び冷蔵・冷凍関連分野の好調が下支えしたものの、前年度活況を呈していた建設市場の反動減及び新規案件の延期・中止等の影響の結果、冷熱ビルシステムの連結売上高は272億78百万円(前期比17.8%減)となり、営業利益は11億97百万円(前期比28.1%減)となりました。


主要取扱商品
植物工場関連設備、パソコン、サーバ、その他情報処理機器、デジタルサイネージ、映像・画像情報システム、
RFID機器及びシステム、監視カメラ、メディカルファシリティ、メディカルサプライ品


 スマートアグリ分野では、年度前半に大型植物工場案件の計上がありましたが、後半は生産事業へのビジネスモデル転換の準備期間と重なったことにより低調に推移しました。ネットワークシステム分野では、テレワーク用製品の引き合いが強くコンポーネントビジネスが堅調に推移しましたが、モニタリングなどの工場管理システムの新規受注が低調に推移しました。ヘルスケア分野では、サプライビジネスが増加基調となりましたが、病院内IT設備関連ビジネスは低調に推移しました。
 その結果、ICTシステムの連結売上高は76億5百万円(前期比18.1%減)となり、営業利益は2億92百万円(前期比46.2%減)となりました。


主要取扱商品
マイコン、メモリ、ロジック、アナログ、ASIC、パワーデバイス、光関連素子、ディスクリート、センサ、
表示デバイス(LCD、有機EL、LED)、電池、一般電子部品(コイル、コンデンサ、抵抗、フィルタ)、コネクタ、プリント基板、その他デバイス品、素材(アルミ材、高機能樹脂材等)、素形材(金属加工品、樹脂成形品)、設備・機械製品


  国内では、自動車関連向けが後半回復傾向となり、産業機器関連向けについても下期後半より中国向けを中心に回復してきましたが、前半の低迷をカバーするには至らず減収となりました。
 海外子会社では、自動車関連向けが後半回復基調となりましたが、前半低調に推移したことに加え、中国地域におけるエアコンなどの空調機器関連向けが天候不順等の影響を受け、減収となりました。
 その結果、エレクトロニクスの連結売上高は1,262億72百万円(前期比13.6%減)となり、営業利益は16億16百万円(前期比26.3%減)となりました。


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2021/06/24 11:00:00 +0900
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