対処すべき課題

 新型コロナウイルス感染症の影響で、景気後退リスクが増大するなど先行き不透明な状況にあり、世界的な景気変動局面が当面続くことが想定されます。当社においても、4月・5月は食料品売場および一部テナントを除き、全店休業を余儀なくされるなど大変厳しい状況下にあります。
 また今後の消費環境では、モノからコトへの消費のシフトがさらにすすみ、小売業態ではEC(eコマース)市場の成長が続く一方で、物販中心のリアル店舗に依存した業態が衰退するリスクも考えられます。
 クレジット市場については、2021年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、インフラの整備がすすみ、市場の拡大が見込めるものの、新たなテクノロジーによる金融サービスの革新で、市場が激変する可能性もあります。
 こうした環境下において、当社グループでは、これらの事業環境の変化に対応するため、小売とフィンテックが一体となった独自のビジネスモデルを進化させ、企業価値の向上をめざしております。
 当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念にもとづき、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会をステークホルダーの皆さまと共に創ることにあります。
 当社グループがめざすのは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員に、将来世代を加えたすべてのステークホルダーの利益の拡大です。そのために、すべてをステークホルダーの視点で考え、行動することにより共有できる価値づくりに取り組み、結果として企業価値の向上をはかる「共創サステナビリティ経営」をすすめております。
 当社グループでは、その結果として生み出される企業価値のさらなる向上をめざし、具体的な取り組みをすすめております。

具体的な取り組み

<小売セグメント>

 店舗事業は、SC・定借化により、従来の百貨店型ビジネスからの事業構造の転換を実現し、次世代型のライフスタイルSCの展開で、資本生産性を高めてまいります。
 オムニチャネル事業は、ECに軸足を置いたビジネスを推進し、グループのノウハウを重ねあわせた独自のビジネスモデルで事業領域を拡大いたします。
 プラットフォーム事業は、店舗内装や物流、ビルマネジメントなど小売で培ったノウハウを統合的に運営し、BtoBビジネスを推進してまいります。

<フィンテックセグメント>

 カード事業は、全国でのエポスカードファン拡大に向け商業施設やコンテンツ系企業との提携を強化し、高い収益性の維持と事業規模の拡大の両立をはかってまいります。
 サービス事業は、クレジットのノウハウを活用した家賃保証や保険などサービス収入を拡大し、投下資本の少ないビジネスでROICを高めてまいります。
 IT事業は、新たなテクノロジーの活用によってお客さまの利便性を高め、グループの事業領域拡大をサポートいたします。

<最適資本構成・成長投資・生産性向上>

 利益成長によるROICの向上と、グループの事業構造に見合った最適資本構成を構築し、安定的にROICが資本コストを上回る構造を実現いたします。
 SC・定借化のノウハウを活用した商業施設の開発や技術革新を取り入れるためのベンチャー投資など、将来の企業価値向上につながる成長投資をおこないます。
 「ひとつのマルイグループ」として事業ポートフォリオにあわせた人材活用をすすめ、グループの生産性をさらに向上いたします。
 2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症の影響も予想されますが、以上のような取り組みにより、引き続き中長期的な企業価値の向上につとめてまいります。
 株主の皆さまにおかれましては、より一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。

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2020/06/29 12:00:00 +0900
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