当社が対処すべき課題

 2018年度も、セブン‐イレブン店舗の新規出店及びグループ外への展開も更に進むことからATM設置台数が着実に増加し、引き続き底堅い収益環境が見込まれます。一方で、内外マクロ経済の変化や、技術の進化による決済手段の多様化等の影響を受ける可能性があります。
 このような状況のなか、当社が持続的に成長するためには収益構造に厚みを持たせることが重要な課題であると認識し、その解決に向け2019年度を最終年度とする中期経営計画を2017年5月に策定いたしました。

 本年度は中期経営計画期間の中間年度であり、事業環境の変化に対応し、必要な施策の積み上げを行う中期経営計画を達成させる為に重要な年度であると認識しております。

 本中期経営計画では「本業を伸ばしつつ事業の多角化」を実現することを基本方針とし、以下3事業の強化を図り、業容の拡大に努めております。
①ATMプラットフォーム事業
②決済口座事業
③海外事業
 これらの事業に対する具体的な取り組み及び進捗状況は以下のとおりです。

 ①ATMプラットフォーム事業
 全国24,000台を超えるATMインフラをプラットフォームと位置づけ、提携先事業者とご利用されるお客さまを増やすための施策を展開してまいります。より多くのお客さまに当社ATMサービスをご利用いただくため、従来の金融機関を中心とした提携先へのサービス提供の充実に加え、決済分野への新規参入事業者に向けたサービス提供も開始いたしました。また従来の概念にとらわれない新しいATM利用スタイルの創造を目指した新サービス「現金受取サービス」の提供準備等、引き続き新たな市場開拓に努めてまいります。
 また、グループ内への着実な設置を継続しつつ、交通・流通・観光の各拠点を中心にグループ外にも高稼働のATM設置を積極的に進めてまいります。このような取り組みを通じ、ATMプラットフォームの品質・規模両面での充実を図りATMサービスの拡大に努めてまいります。

 ②決済口座事業
 個人向けローンや海外送金サービスなどの既存サービスの利便性向上・収益力強化に加え、新技術を活用した独自の新サービスの開発により、更なる収益の拡大に努めてまいります。またセブン&アイグループのCRM・デジタル戦略と協働し、セブン‐イレブンをはじめグループ各社に来店される一日約2,200万人のお客さまに決済等の新しい金融サービスを提供するための取り組みを進めてまいります。

 ③海外事業
 2017年度よりスタートした北米における当社連結子会社のFCTI, Inc.による、米国セブン‐イレブン店舗内へのATM設置は計画通りに進捗しております。合わせてATM稼働率向上の施策として、当社ATMサービスの認知向上、米国セブン‐イレブンとのシナジー効果を追求した新サービスの提供準備等を徹底し、早期安定稼働を目指してまいります。また、インドネシアをはじめその他の地域への進出にも、当社が有するノウハウ・インフラを最大限活用し、海外ビジネスの開拓に取り組んでまいります。

 これらの取り組みを通じ、本中期経営計画の最終年度となる2019年度には、2016年度と対比し経常収益400億円、経常利益80億円の新たな創出に努めてまいります。


 企業としての成長に向けた新たな分野への積極的投資とインフラ事業者として事業継続に必要なリスクへの備えとする一方、株主の皆さまへの還元についても着実に強化してまいります。株主還元の基本を配当とし、配当性向40%以上を方針とし、安定的かつ継続的な配当額の維持増額に努めてまいります。

 以上のように、当社は、社会課題及び事業環境の変化への対応を踏まえた中期経営計画を推進し、本業を通じ社会と企業の双方に価値を生み出すCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)に積極的に取り組み持続可能な社会、持続可能な成長を目指してまいります。
 株主の皆さまにおかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。


2018/06/19 12:00:00 +0900
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