当社グループは、「安全の確保は社業の基盤である」との認識の下に、よいサービスと商品を適正な利潤を得て社会に安定的に供給するとともに、すべてのコストについて不断の削減に努め、効率的な経営を行うことを基本方針としております。
なお、その実行に当たっては社会的要請へ適応し、環境に配慮した行動をとることとしております。
当社グループは、企業集団の人的・物的資源を生かしながら、次の3つの事業を推進します。
・ 全世界にわたる水域で原油、石油製品、石油化学製品、液化天然ガス、液化石油ガス、発電用石炭、肥料、木材チップなどの基礎原料の輸送を行う外航海運業
・ 国内、近海を中心とした水域で液化天然ガス、液化石油ガス、石油化学ガスなどの基礎原料の輸送を行う内航・近海海運業
・ 東京都心を中心に、賃貸オフィスビルの所有、運営、管理及びメンテナンス事業並びにフォトスタジオの運営を行う不動産業
当社グループは2030年に向けたグループ企業の一層の成長を見据えた、3ヵ年の中期経営計画「Be Unique and Innovative. : The Next Stage‐2030年に向けて‐」(計画期間:2020年4月〜2023年3月)を策定しました。
2017年度に策定された前中期経営計画「Be Unique and Innovative. ‐創立125周年(2024年)に向けて‐」(計画期間:2017年4月〜2020年3月、以下「前計画」という) では、「バランス経営の推進と先進性への挑戦」をテーマとし、海運業では、オイルタンカーでの競争力強化や内航ガスビジネスでの優位性確保に努め、また不動産業では、ターゲットエリア内への資産集約の一環として新橋田村町地区再開発事業を推進するとともに、英国ロンドンのオフィスビルを取得する等、次世代ビジネスへの取組みも加速化させ、海運業と不動産業を両輪とした経営の進化に注力しました。
本計画では、時代の要請に応え自由な発想で進化し続ける独立系グローバル企業としての地位確立を2030年に向けての目標に掲げます。そして本計画期間中においては、前計画の方針を踏襲し、独自のビジネスモデルである“IINO MODEL”の形成、高品質なサービス“IINO QUALITY”の提供を更に追求し、自社の経済的価値を高めると同時に、サステナビリティ(※1)への積極的な取組みにより環境保全を含めた社会的ニーズに対応することで社会的価値をも創造し、当社グループの理解する共通価値の創造(CSV(※2))を目指して参りたいと考えております。
本計画において、当社グループは、増大する三国間輸送需要の取込みに向け、グローバルな事業展開の拡大を更に加速させます。また、変化の著しい社会環境及び海運市場への対応として、不動産事業及びエネルギー輸送への取組みを更に強化し、安定収益基盤の更なる盤石化を図ります。これら施策に加え、共通価値の創造を目指して社会的価値を創造するべく、サステナビリティへの取組みを加速して参ります。更に、環境・社会を意識した経営を進めるべくESG・SDGsへの対応を強化し、デジタル基盤を整備し新たな価値を創造するべくデジタルトランスフォーメーションの推進も加速させます。
また、本計画策定にあわせ、下記の通り「企業理念体系」を再整理しました。
(※1) 当社グループではサステナビリティ(持続可能性)を次の通り定義します。
「地球上の生態系が存続可能な環境の維持と人類社会の発展を両立させ将来世代に繋げること」
(※2) 共通価値の創造(CSV=Creating Shared Value)の定義は次の通りです。
「経済的価値を創造しながら社会的ニーズに対応することで社会的価値も創造するアプローチ」
引用:Porter, Michael E., and Mark R. Kramer. “Creating Shared Value.” Harvard Business Review
企業理念体系
数値目標
※1燃料油・・・2020年度以降は適合油の単価前提
※2EBITDA・・・営業利益+減価償却費+主たる事業投資に係る受取配当金及び持分法投資損益
なお、上記数値目標の算出にあたっては、2020年4月から9月の間は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が継続するという前提のもと、売上高の減少及び費用の増加等を織り込んでいます。
「Be Unique and Innovative.:The Next Stage‐2030年に向けて‐」の補足資料は、当社グループホームページに掲載しております。
https://www.iino.co.jp/kaiun/index.html