当連結会計年度の事業の内容

 当社および当社子会社(以下「当社グループ」)は、従来の通信キャリアという枠を超えるという「Beyond Carrier」戦略の下、通信事業をさらに成長させつつ、ヤフー・LINEおよび新領域を加えた3つの領域を伸ばしていくことで収益源の多様化を進めています。
 通信事業のさらなる成長に向けた取り組みとしては、まずモバイルサービスにおいて、多様化するお客さまのニーズに合わせたサービスを提供するマルチブランド戦略を推進し、契約数の拡大を図っています。最新のスマートフォン・携帯端末や大容量データプランを求めるお客さま向け高付加価値サービス等を提供する「SoftBank」ブランド、店頭でのサポートが受けられ月々の通信料を抑えることを重視するお客さまにスマートフォン向けサービス等を提供する「Y!mobile」ブランド、生活シーンの変化などによりオンラインで完結するサービスへのニーズの高まりに対応したオンライン専用の「LINEMO」ブランド等を提供しています。これらの結果、当期末のスマートフォン契約数は、前期末比で165万件増加しました。
 法人事業の成長に向けた取り組みとしては、急速に高まった企業や自治体のテレワーク・デジタル化への需要を取り込み、業績を伸ばしました。特に大きく業績を伸ばしたソリューションビジネスについては、クラウドサービスなど、継続性のある収入で成長を牽引しています。
 ヤフー・LINE事業の成長に向けた取り組みとしては、2021年3月に、当社の子会社であるZホールディングス㈱とLINE㈱との経営統合により、日本最大規模のインターネットサービス企業グループとなりました。LINE㈱を子会社化したことによる影響に加え、広告の需要回復によりメディア領域の売上が増加しました。
 新規事業の創出・拡大の取り組みとしては、キャッシュレス決済サービス「PayPay」が、累計登録者数、決済回数、決済取扱高を順調に増やし、引き続き成長しています。また、2021年10月より年商10億円以下の加盟店向けの決済システム利用料を有料化したことにより、PayPay㈱の収入は増加しました。さらに、合弁会社の設立などを通じて、ソフトバンクグループ㈱および同社の子会社やその投資先をはじめとする、先端技術を保有する企業やソリューションの提供を行う企業との連携に取り組んでいます。なお、これらの合弁会社の多くは持分法適用会社であり、当社の業績には持分法による投資損益として寄与します。
 以上の結果、2021年度の売上高は5兆6,906億円となり、前期比4,851億円(9.3%)増加しました。ヤフー・LINE事業で3,616億円(30.0%)、コンシューマ事業で1,123億円(4.1%)、法人事業で241億円(3.5%)、それぞれ増収となりましたが、流通事業で307億円(5.8%)の減収となりました。
 営業利益は、前期比150億円(1.5%)増の9,857億円となりました。売上原価と販売費及び一般管理費は、LINE㈱の子会社化や、売上高増加に伴い増加しました。
 親会社の所有者に帰属する純利益は5,175億円となり、前期比262億円(5.3%)増加しました。これは主として、持分法による投資損失が増加した一方で、営業利益が増加したことや、保有する投資有価証券の評価益の計上などにより金融収益が増加したことによるものです。
 当期の調整後EBITDAは1兆7,402億円となり、前期比254億円(1.5%)増加しました。これは主として、営業利益の増加に加え、Zホールディングス㈱とLINE㈱との経営統合に関連してZホールディングス㈱が発行したストック・オプションに関する株式報酬費用の増加、および同統合に伴い減価償却費及び償却費が増加したことによるものです。当社グループは、⾮現金取引の影響を除いた調整後EBITDAを、当社グループの業績を適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。

(注)
  1. 調整後EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費(固定資産除却損含む)+株式報酬費用±その他の調整項目当期より、調整後EBITDAの定義を見直し、株式報酬費用を加味することにしました。これに伴い、前期の数値を修正再表示しています。
  2. 調整後フリー・キャッシュ・フロー=フリー・キャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)Aホールディングス㈱ならびにZホールディングス㈱および同社の子会社のフリー・キャッシュ・フロー、LINE㈱との経営統合に伴う子会社の支配獲得による収支、および役員への貸付などを除き、Aホールディングス㈱およびZホールディングス㈱からの受取配当を含みます。
次の項目へ
2022/06/23 13:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×

カメラをかざして
QRコードを
読み取ってください

{{ error }}