事業の経過およびその成果

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、混迷するウクライナ情勢や欧米の銀行破綻に伴う信用不安、円安リスクを孕む為替相場、世界的なインフレ圧力など、景気減速が懸念される不透明な環境が続く一方、新型コロナウイルス禍からの社会・経済活動の正常化に伴い、外食やインバウンド消費の回復を中心に、影響の大きかった企業の業績改善など明るい材料もみられました。
 かかる中、情報サービス産業におきましては、ビジネスモデル変革を伴うデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)関連の投資や、さらにグリーントランスフォーメーション(GX)への取り組みなど、堅調な状況が続きました。
 このような状況のもと、当社グループは現中期経営計画(2022年4月から2025年3月)において、「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIerへの進化~」を基本方針に、お客様に技術を提供するパートナーから企業変革をともに推進するパートナーへ領域を拡大し、事業の成長と変革を加速するとともに、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでおります。
 当連結会計年度の業績につきましては、受注高は48,780百万円(前年同期比13.0%増)、売上高は46,188百万円(同6.3%増)、営業利益は5,387百万円(同9.5%増)、経常利益は5,442百万円(同8.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,090百万円(同17.9%増)となりました。

 当連結会計年度の報告セグメント別の概況は、次のとおりであります。
 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較は変更後の区分に読み替えた数値で比較しております。

<エンタープライズソリューション>
 当セグメントは、ビジネスソリューション事業、金融・公共ソリューション事業、システム機器販売事業で構成しております。ビジネスソリューション事業では製造業、小売業、物流業などのお客様業務を支援するITソリューションを提供しております。金融・公共ソリューション事業では保険業、銀行業などの金融分野や、官公庁・団体などの公共分野のお客様業務を支援するITソリューションを提供しております。システム機器販売事業では各ソリューション事業に伴い必要となるPC・サーバーなどの機器を納入しております。
 売上高につきましては、小売業向けや官公庁・団体向けのシステム開発が堅調に推移したものの、システム機器販売の減少により若干の減収となりました。利益につきましては、収益性の高い案件の貢献により増益となりました。
 これらの結果、受注高は16,188百万円(前年同期比18.2%増)、売上高は14,777百万円(同0.8%減)、営業利益は2,099百万円(同6.7%増)となりました。

<サービスソリューション>
 当セグメントは、デジタルソリューション事業、クラウド・インフラサービス事業で構成しております。デジタルソリューション事業ではIoT&AIサービスやWebサイト・EC構築などの業種共通ソリューションを提供しております。クラウド・インフラサービス事業では、パブリック・プライベートクラウドの環境構築サービスや自社データセンターによるハウジング・ホスティングサービス、お客様の情報システムの運用設計から構築、管理を行う総合的なマネジメントサービスなどを提供しております。
 売上高につきましては、デジタルソリューション、クラウド・インフラサービスともに堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、一部の低採算案件の影響や事業拡大に向けた体制強化および戦略的投資により減益となりました。
 これらの結果、受注高は13,806百万円(前年同期比11.5%増)、売上高は12,995百万円(同9.6%増)、営業利益は509百万円(同3.1%減)となりました。

<エンベデッドソリューション>
 当セグメントは、組込み開発事業で構成しております。オートモーティブ、産業機器向けなどのアプリケーションやミドルウエア、ドライバ開発を行っており、製品の多様化や効率化、高品質設計によるスマート化に向けた各種ソリューションを提供しております。
 売上高につきましては、オートモーティブ・モビリティ分野、通信・設備機器分野を中心に好調に推移し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う売上総利益の増加により増益となりました。
 これらの結果、受注高は9,759百万円(前年同期比6.5%増)、売上高は9,794百万円(同11.2%増)、営業利益は1,404百万円(同16.4%増)となりました。

<デバイスソリューション>
 当セグメントは、デバイス開発事業で構成しております。画像処理や通信関連などのLSIの設計やボード設計を行っており、高位設計、論理設計・検証、論理合成、レイアウト設計、製造からテストまで、要件に応じたソリューションを提供しております。
 売上高につきましては、半導体設計・開発分野が堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う売上総利益の増加により増益となりました。
 これらの結果、受注高は9,026百万円(前年同期比13.8%増)、売上高は8,621百万円(同9.2%増)、営業利益は1,373百万円(同12.8%増)となりました。

 報告セグメント別の売上高、構成比率は次のとおりであります。

■セグメント別売上高


■売上高構成比


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2023/06/21 12:00:00 +0900
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