株主総会参考書類

第3号議案 
当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)継続の件

 当社は、平成26年6月27日開催の当社第91回定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策」(以下「現対応策」といいます。)を継続することにつき、株主の皆様のご承認をいただき、現対応策を継続しております。
 現対応策の有効期間は本定時株主総会終結のときまでであることから、当社では、株主共同の利益及び企業価値の維持・向上の観点から、継続の是非も含めそのあり方について検討してまいりました。その結果、情勢の変化や機関投資家の動向等を踏まえ、株主の皆様のご承認を得ることを条件として、継続することを決定したものであります(以下、継続後の対応策を「本対応策」といいます。)。つきましては株主の皆様に本対応策を一部改定し、継続することのご承認をお願いするものであります。なお本対応策の有効期間は、本定時株主総会において株主の皆様にご承認いただけた場合には、ご承認をいただいたときから、平成32年6月開催予定の当社定時株主総会終結のときまでといたします。
 なお、本対応策を決定した取締役会には、社外監査役3名を含む当社監査役5名が出席し、本対応策に沿って適正な運用が行われる限り、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策として相当であると判断される旨の意見を表明しています。

 本対応策において現対応策から見直しを行った主な内容は以下のとおりです。

  1. 独立委員会が対抗措置の発動勧告を行う場合について列挙した類型につき、一部削除し、要件を限定したこと
  2. 非適格者が保有する本新株予約権を取得する場合、その対価として金銭等の交付は行わない旨を明記したこと
  3. その他文言等の修正

Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
 ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえば利害関係者との良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。

Ⅱ.基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社では、1967年に経営方針を制定し、これに基づいた企業活動を行うことでお客様をはじめとするステークホルダーとの信頼関係の構築に努めてまいりました。
 一方で、社会情勢や社会的要請、当社グループの事業構成等については、約50年前の制定当時と大きく状況が変化しています。こうした背景から、当社の歴史の中で培われてきた価値観や精神を再確認するとともに、未来に向けた指針を改めて明文化していくことが必要となり、本年1月、持続的成長の実現及び企業理念に基づく経営体制の強化を目的に経営方針を含む「企業理念」全体を見直し、改定を行いました。
 今回の改定においては、従来の経営方針の内容をベースに、CSR(企業の社会的責任)やCSV(共通価値 の創造)等の観点を踏まえ、その適用範囲については当社単体から当社グループ全体へと拡大したものとなっております。併せて、行動理念である「企業行動憲章」の改定とともに、2015年制定の「グローバルビジョン」を含めた理念体系の整備を行いました。
 経営環境の変化が予想される中、当社グループ全体で目的意識を共有し諸課題に取り組んでいくことを持続的成長の実現に向けた強い原動力としていきます。今後とも企業理念に基づく活動を推進し、当社グループの存在価値を高め、社会の発展に貢献してまいります。
 具体的な取り組みとしては、「生産性№1」と「成長への基盤」を基軸に据えた、2017年度を最終年度とする「中期経営計画2017」に取り組み中であり、その2年目となる2016年度は「強固な収益体制を確立し、新たな成長のステージに向けた足固めに取組む年」と位置付け、BIM等を活用した生産システム改革、総労働時間の25%削減に向けた業務フロー改革、研究開発については無人化・自動化施工システム等の開発、戦略事業については、京橋一丁目東地区再開発事業(新本社ビル建替え、2024年完了予定)に加え、浮体式洋上風力発電事業を将来収益を担う事業へ育てるべく注力するなど、各施策に取り組んでまいりました。
 また、本年を「攻」の1年と位置付け、戦略事業の更なる活性化を図るため「戦略事業推進室」を設置し、上記の戦略事業に加え、グループ企業間の相乗効果を狙いとした情報・人材の交流を含めた連携なども強化してまいります。
 こうした成長戦略を支える経営基盤の充実につきましては、コンプライアンス、内部統制等、リスクマネジメントの強化・徹底をはじめ、人“財”戦略、CSR(企業の社会的責任)に取組んでおり、更なる成長を確かなものとしてまいります。
 具体的な取り組みといたしましては、本年1月の「戸田建設グループ企業理念」の改定、また本年4月におきましては、「働き方改革検討委員会」を設置し、オフィスでの「望ましい働き方」とそれを実現するオフィス空間及び諸制度を検討し、新本社ビルでの働き方に反映させるべく活動を開始いたしました。
 当社は、東京オリンピック・パラリンピックの翌年2021年に創業140周年を迎えます。それまでには建設会社の中で最も高い生産性と強靭な財務体質を兼ね備えた体制を整え、永続的に社会に貢献していくことを目指してまいります。
 なお、現行の「中期経営計画2017」における業績目標が、順調な業績の後押しを受け2015年度において既に達成されていることを踏まえ、2017年度を初年度とする新中期経営計画を1年前倒しで策定することといたしました。その内容につきましては添付書類「事業報告」に記載のとおりでございます。

Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

1.本対応策の概要と目的

 当社取締役会は、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、本対応策を継続することといたしました。
 本対応策は、以下のとおり、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
 なお、本対応策においては、対抗措置の発動等にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会規程(その概要については別紙1をご参照ください。)に従い、当社社外取締役、当社社外監査役、又は社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者又はこれらに準じる者)で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会(以下「独立委員会」といいます。)の勧告を最大限尊重するとともに、株主及び投資家の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。本対応策継続時における独立委員会の委員には、別紙2に記載の3氏が就任する予定です。
 また、平成29年3月31日現在における当社大株主の状況は別紙3「当社の大株主の株式保有状況」の通りであり、同時点において当社役員及びその関係者(以下「当社役員等」といいます。)により発行済株式の約28%が保有されております。しかしながら、当社役員等は株主としての議決権の行使に関しては独立した関係にあり、それぞれが異なる判断をすることも尊重しなければなりません。また、当社役員等といえども、その各々の事情に基づき今後当社の株式等の譲渡その他の処分をしていく可能性は否定できません。このような状況の中で、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのある大規模買付行為が行われた場合、今回ご報告するような対応策の継続なくしては、企業価値向上の観点から適正な対応をしていくことが困難であると認識しております。なお、当社は現時点において当社株式等の大規模買付行為に係る提案を受けているわけではありません。

2.本対応策の内容

(1) 本対応策に係る手続き

①対象となる大規模買付等
 本対応策は以下の(ⅰ)又は(ⅱ)に該当する当社株式等の買付け又はこれに類似する行為(ただし、当社取締役会が承認したものを除きます。係る行為を、以下「大規模買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。大規模買付等を行い、又は行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)は、予め本対応策に定められる手続きに従わなければならないものとします。

  1. (ⅰ) 当社が発行者である株式等1について、保有者2の株式等保有割合3が20%以上となる買付け
  2. (ⅱ) 当社が発行者である株式等4について、公開買付け5に係る株式等の株式等所有割合6及びその特別関係者7の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

②「意向表明書」の当社への事前提出
 買付者等におきましては、大規模買付等の実行に先立ち、当社取締役会に対して、当該買付者等が大規模買付等に際して本対応策に定める手続きを遵守する旨の誓約文言等を記載した書面(以下「意向表明書」といいます。)を当社の定める書式により日本語で提出していただきます。
 具体的には、「意向表明書」には、以下の事項を記載していただきます。

  1. (ⅰ) 買付者等の概要

    (イ) 氏名又は名称及び住所又は所在地
    (ロ) 代表者の役職及び氏名
    (ハ) 会社等の目的及び事業の内容
    (ニ) 大株主又は大口出資者(所有株式又は出資割合上位10名)の概要
    (ホ) 国内連絡先
    (ヘ) 設立準拠法

  2. (ⅱ) 買付者等が現に保有する当社の株式等の数、及び、意向表明書提出前60日間における買付者等の当社の株式等の取引状況
  3. (ⅲ) 買付者等が提案する大規模買付等の概要(買付者等が大規模買付等により取得を予定する当社の株式等の種類及び数、並びに大規模買付等の目的(支配権取得若しくは経営参加、純投資若しくは政策投資、大規模買付等の後の当社の株式等の第三者への譲渡等、又は重要提案行為等8その他の目的がある場合には、その旨及び内容。なお、目的が複数ある場合にはそのすべてを記載していただきます。)を含みます。)

③「本必要情報」の提供
 上記②の「意向表明書」をご提出いただいた場合には、買付者等におきましては、以下の手順に従い、当社に対して、大規模買付等に対する株主及び投資家の皆様のご判断並びに当社取締役会の評価・検討等のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を日本語で提供していただきます。
 まず、当社は、買付者等に対して、「意向表明書」を提出していただいた日から10営業日9(初日不算入)以内に、当初提出していただくべき情報を記載した「情報リスト」を上記②(ⅰ)(ホ)の国内連絡先に発送いたしますので、買付者等には、係る「情報リスト」に従って十分な情報を当社に提出していただきます。
 また、上記の「情報リスト」に従い買付者等から提供していただいた情報では、大規模買付等の内容及び態様等に照らして、株主及び投資家の皆様のご判断並びに当社取締役会の評価・検討等のために不十分であると当社取締役会が合理的に判断する場合には、当社取締役会が別途請求する追加の情報を買付者等から提供していただきます。
 なお、大規模買付等の内容及び態様等にかかわらず、以下の各項目に関する情報は、原則として「情報リスト」の一部に含まれるものとします。

  1. (ⅰ)買付者等及びそのグループ(共同保有者10、特別関係者及びファンドの場合は各組合員その他の構成員を含みます。)の詳細(沿革、具体的名称、資本構成、事業内容、財務内容、役員の氏名及び職歴等を含みます。)
  2. (ⅱ)大規模買付等の目的(「意向表明書」において開示していただいた目的の詳細)、方法及び内容(経営参画の意思の有無、大規模買付等の対価の種類及び金額、大規模買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付予定の株式等の数及び買付等を行った後における株式等所有割合、大規模買付等の方法の適法性を含みます。)
  3. (ⅲ)大規模買付等の対価の算定根拠(算定の前提事実、算定方法、算定に用いた数値情報及び大規模買付等に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジーの内容、算定の際に第三者の意見を聴取した場合における当該第三者の名称、意見の概要及び当該意見を踏まえて金額を決定するに至った経緯を含みます。)
  4. (ⅳ)大規模買付等の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法及び関連する取引の内容を含みます。)
  5. (ⅴ)大規模買付等に際しての第三者との間における意思連絡の有無及び意思連絡がある場合はその内容及び当該第三者の概要
  6. (ⅵ)買付者等が既に保有する当社の株式等に関する貸借契約、担保契約、売戻契約、売買の予約その他の重要な契約又は取決め(以下「担保契約等」といいます。)がある場合には、その契約の種類、契約の相手方及び契約の対象となっている株式等の数量等の当該担保契約等の具体的内容
  7. (ⅶ)買付者等が大規模買付等において取得を予定する当社の株式等に関し担保契約等の締結その他第三者との間の合意の予定がある場合には、予定している合意の種類、契約の相手方及び契約の対象となっている株式等の数量等の当該合意の具体的内容
  8. (ⅷ)大規模買付等の後における当社及び当社グループの経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策
  9. (ⅸ)大規模買付等の後における当社の従業員、労働組合、取引先、顧客及び地域社会その他の当社に係る利害関係者の処遇等の方針
  10. (ⅹ)当社の他の株主との利益相反を回避するための具体的方策

 なお、当社取締役会は、買付者等から大規模買付等の提案がなされた事実については速やかに開示し、提案の概要及び本必要情報の概要その他の情報のうち株主及び投資家の皆様のご判断に必要であると認められる情報がある場合には、適切に開示いたします。
 また、当社取締役会は、買付者等による本必要情報の提供が十分になされたと認めた場合には、その旨を買付者等に通知(以下「情報提供完了通知」といいます。)するとともに、速やかにその旨を開示いたします。

④取締役会評価期間の設定等
 当社取締役会は、情報提供完了通知を行った後、その翌日を起算日として、大規模買付等の評価の難易度等に応じて、以下の(ⅰ)又は(ⅱ)の期間を、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定し、速やかに開示いたします。

  1. (ⅰ)対価を現金(円価)のみとする当社全株式等を対象とする公開買付けの場合には最大60日間
  2. (ⅱ)その他の大規模買付等の場合には最大90日間

 ただし、上記(ⅰ)(ⅱ)いずれにおいても、取締役会評価期間は評価・検討のために不十分であると取締役会及び独立委員会が合理的に認める場合にのみ延長できるものとし、その場合は、具体的延長期間及び当該延長期間が必要とされる理由を買付者等に通知するとともに、株主及び投資家の皆様に開示いたします。また、延長の期間は最大30日間とします。

 当社取締役会は、取締役会評価期間内において、必要に応じて適宜外部専門家等の助言を得ながら、買付者等から提供された本必要情報を十分に評価・検討し、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から、買付者等による大規模買付等の内容の検討等を行うものとします。当社取締役会は、これらの検討等を通じて、大規模買付等に関する当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、買付者等に通知するとともに、適時かつ適切に株主及び投資家の皆様に開示いたします。また、必要に応じて、買付者等との間で大規模買付等に関する条件・方法について交渉し、更に、当社取締役会として、株主及び投資家の皆様に代替案を提示することもあります。

 当社取締役会は、買付者等より意向表明書、本必要情報の提出を受け、取締役会評価期間開始と同時に、独立委員会に対し、買収防衛策発動の是非について諮問します。なお、その際に買付者等より提出を受けた全ての情報を独立委員会に提供いたします。

⑤対抗措置の発動に関する独立委員会の勧告
 独立委員会は、取締役会評価期間内に、上記④の当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成及び代替案立案と並行して、以下の手続きに従い、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非に関する勧告を行うものとします。その際、独立委員会の判断が当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、当社の費用で、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者(投資銀行、証券会社、フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができるものとします。なお、独立委員会が当社取締役会に対して以下の(ⅰ)又は(ⅱ)に定める勧告をした場合には、当社取締役会は、当該勧告の事実とその概要、その他当社取締役会が適切と判断する事項について、速やかに情報開示いたします。

  1. (ⅰ)買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守しない場合
    独立委員会は、買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守しなかった場合、原則として、当社取締役会に対し対抗措置の発動を勧告します。
  2. (ⅱ)買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守した場合
    買付者等が本対応策に規定する手続きを遵守した場合には、独立委員会は、原則として当社取締役会に対して対抗措置の不発動を勧告します。
    但し、本対応策に規定する手続きが遵守されている場合であっても、別紙4に掲げるいずれかの類型に該当すると認められる等、当該買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであり、かつ対抗措置の発動が相当であると判断される場合には、例外的措置として、対抗措置の発動を勧告することがあります。

⑥取締役会の決議
 当社取締役会は、上記⑤に定める独立委員会の勧告を最大限尊重するものとし、係る勧告を踏まえて当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から速やかに対抗措置の発動又は不発動の決議を行うものとします。
 当社取締役会は、上記の決議を行った場合には、その内容が対抗措置の発動であるか不発動であるかを問わず、速やかに当該決議の概要その他当社取締役会及び独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。

⑦対抗措置の中止又は発動の停止
 当社取締役会が上記⑥の手続きに従い対抗措置の発動を決議した後又は発動後においても、(ⅰ)買付者等が大規模買付等を中止した場合又は(ⅱ)対抗措置を発動するか否かの判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、かつ、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上という観点から発動した対抗措置を維持することが相当でないと考えられる状況に至った場合には、当社取締役会は、対抗措置の中止又は発動の停止を行うものとします。
 当社取締役会は、上記決議を行った場合、速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。

⑧大規模買付等の開始
 買付者等は、本対応策に規定する手続きを遵守するものとし、取締役会において対抗措置の発動又は不発動の決議がなされるまでは大規模買付等を開始することはできないものとします。

(2) 本対応策における対抗措置の具体的内容

 当社取締役会が上記(1)⑥に記載の決議に基づき発動する対抗措置としては、新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てを行うこととします。
 本新株予約権の無償割当ての概要は、別紙5「新株予約権無償割当ての概要」に記載のとおりといたします。
 当社取締役会は、対抗措置の発動を決議した後又は発動後においても、上記(1)⑦に記載のとおり、対抗措置の中止又は発動の停止を決定することがあります。例えば、対抗措置として当社取締役会が本新株予約権の無償割当てを決議した場合において、買付者等が大規模買付等を中止し、当社取締役会が上記(1)⑦に記載の決議を行った場合には、本新株予約権の無償割当てについて設定した基準日に係る権利落ち日の前日までにおいては本新株予約権の無償割当てを中止し、本新株予約権の無償割当ての効力発生日以後本新株予約権の行使期間の開始日の前日までにおいては当社が無償で本新株予約権を取得する等の方法で、対抗措置の発動を停止することができるものとします。

(3) 本対応策の有効期間、廃止及び変更

 本対応策の有効期間は、本定時株主総会において承認が得られた場合には、当該承認決議の時から平成32年6月開催予定の定時株主総会終結の時までとします。
 ただし、係る有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本対応策の変更又は廃止の決議がなされた場合には、本対応策は当該決議に従い、その時点で変更又は廃止されるものとします。また、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本対応策の廃止の決議がなされた場合には、本対応策はその時点で廃止されるものとします。
 なお、当社取締役会は、会社法、金融商品取引法、その他の法令若しくは金融商品取引所規則の変更又はこれらの解釈・運用の変更、又は税制、裁判例等の変更により形式的な変更が必要と判断した場合には、独立委員会の承認を得た上で、本対応策を修正し、又は変更する場合があります。
 当社は、本対応策が廃止又は本対応策の内容について当社株主の皆様に実質的な影響を与えるような変更が行われた場合には、当該廃止又は変更の事実及び(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。

3.本対応策の合理性

(1) 買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること

 本対応策は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を全て充足しており、かつ、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえております。

(2) 当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

 本対応策は、上記1.に記載のとおり、当社株式等に対する大規模買付等がなされた際に、当該大規模買付等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されているものです。

(3) 株主意思を重視するものであること

 本対応策は、本定時株主総会において、株主の皆様のご承認を得たうえで継続するものです。また、上記2.(3)に記載したとおり、本定時株主総会においてご承認いただいた後も、その後の当社株主総会において本対応策の変更又は廃止の決議がなされた場合には、本対応策も当該決議に従い変更又は廃止されることになります。従いまして、本対応策の継続及び廃止には、株主の皆様のご意思が十分反映される仕組みとなっています。

(4) 独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

 本対応策においては、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、対抗措置の発動等を含む本対応策の運用に関する決議及び勧告を客観的に行う取締役会の諮問機関として独立委員会を設置しております。
 独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社の社外取締役、社外監査役又は社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士若しくは学識経験者等)から選任される委員3名以上により構成されます。
 また、当社は、必要に応じ独立委員会の判断の概要について株主及び投資家の皆様に情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本対応策の透明な運営が行われる仕組みを確保しています。

(5) 合理的な客観的発動要件の設定

 本対応策は、上記2.(1)に記載のとおり、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。

(6) デッドハンド型若しくはスローハンド型買収防衛策ではないこと

 上記2.(3)に記載のとおり、本対応策は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。従って、本対応策は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
 また、当社は期差任期制を採用していないため、本対応策はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

4.株主及び投資家の皆様への影響

(1) 本対応策の継続時に株主及び投資家の皆様に与える影響

 本対応策の継続時には、本新株予約権の発行自体は行われません。従って、本対応策がその継続時に株主の皆様の有する当社株式に係る法的権利及び経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることはありません。
 なお、前述の2.(1)に記載のとおり、買付者等が本対応策を遵守するか否か等により当該買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、株主及び投資家の皆様におかれましては、買付者等の動向にご注意ください。

(2) 本新株予約権の無償割当て時に株主及び投資家の皆様に与える影響

 当社取締役会が対抗措置の発動を決定し、本新株予約権の無償割当てを行う場合には、別途定める割当て期日における株主名簿に記録された株主の皆様に対し、その保有する株式1株につき本新株予約権1個を上限とした割合で、本新株予約権が無償にて割り当てられます。このような仕組み上、本新株予約権の無償割当て時においても、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じず、株主の皆様の有する当社株式に係る法的権利及び経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることは想定しておりません。
 ただし、買付者等につきましては、この対抗措置の発動により、結果的に、法的権利又は経済的利益に何らかの影響が生じる場合があります。
 なお、当社取締役会が、本新株予約権の無償割当ての決議をした場合であっても、上記2.(1)⑦に記載の手続き等に従い対抗措置の中止又は発動の停止を決定した場合には、当社株式の株価に相応の変動が生じる可能性があります。例えば、本新株予約権の無償割当てを受けるべき株主が確定した後において、当社が対抗措置の発動の停止を実施し本新株予約権を無償取得して新株を交付しない場合には、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの経済的価値の希釈化は生じないことになるため、当社株式1株当たりの経済的価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った株主及び投資家の皆様は、株価の変動により損害を被る可能性がある点にご留意ください。
 また、本新株予約権の行使又は取得に関して差別的条件を付す場合には、当該行使又は取得に際して、買付者等の法的権利、経済的利益に影響が生じることが想定されますが、この場合であっても、買付者等以外の株主の皆様の有する当社株式に係る法的権利及び経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることは想定しておりません。

(3) 本新株予約権の無償割当てに伴って株主の皆様に必要となる手続き

 本新株予約権の無償割当て期日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様は、当該新株予約権の無償割当ての効力発生日において、当然に新株予約権者となるため、申込みの手続きは不要です。
 また、当社が取得条項を付した新株予約権取得の手続きをとる場合には、買付者等以外の株主の皆様におかれましては、新株予約権の行使価格相当の金銭を払い込むことなく、当社による新株予約権取得の対価として当社株式を受領することになるため、当該新株予約権に関する払込み等の手続きは不要となります。
 以上のほか、割当て方法、行使の方法、当社による取得の方法及び株式の交付方法等の詳細については、本新株予約権の無償割当てに関する当社取締役会の決議が行われた後、当社は、その手続きの詳細に関して、適用ある法令及び金融商品取引所規則に基づき、適時かつ適切に開示又は通知を行いますので当該開示又は通知の内容をご確認ください。

以 上

別紙1~5・ご参考
  1. 金融商品取引法第27条の23第1項に規定される「株券等」を意味するものとします。以下別段の定めがない限り同じとします。なお、本対応策において引用される法令等に改正(法令名の変更や旧法令等を継承する新法令等の制定を含みます。)があった場合には、本対応策において引用される法令等の各条項は、当社取締役会が別途定める場合を除き、当該改正後においてこれらの法令等の各条項を実質的に継承する法令等の各条項に読み替えられるものとします。
  2. 金融商品取引法第27条の23第1項に規定される保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
  3. 金融商品取引法第27条の23第4項に規定される「株券等保有割合」を意味するものとします。以下同じとします。
  4. 金融商品取引法第27条の2第1項に規定される「株券等」を意味するものとします。以下(ⅱ)において同じとします。
  5. 金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。以下同じとします。
  6. 金融商品取引法第27条の2第8項に規定される「株券等所有割合」を意味するものとします。以下同じとします。
  7. 金融商品取引法第27条の2第7項に定義される特別関係者をいいます。ただし、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。以下同じとします。
  8. 金融商品取引法第27条の26第1項、金融商品取引法施行令第14条の8の2第1項、及び株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令第16条に規定される重要提案行為等をいいます。以下別段の定めがない限り同じとします。
  9. 営業日とは、行政機関の休日に関する法律第1条第1項各号に掲げる日以外の日をいいます。以下同じとします。
  10. 金融商品取引法第27条の23第5項に規定される共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされると当社取締役会が認めた者を含みます。以下同じとします。