事業報告

対処すべき課題

 当社グループでは2017年度を最終年度とする中期経営計画を推進しておりましたが、最終年度の業績目標(営業利益率4.2%以上)を前年度に達成し、引き続き本年度も達成することができる見通しとなりました。また、施策面におきましても、「生産性No.1」と「成長への基盤」に向けた取り組みが概ね順調に進んでおります。
 一方、中長期的観点においては、2020年以降に予想される建設投資の減少、少子高齢化による社会構造の変化などの経営課題に迅速に対応し、持続的成長を実現していかなくてはならないと認識しております。
 このような状況を踏まえ、前・中期経営計画を1年前倒しで終了し、「戸田建設グループ グローバルビジョン」の実現に向けたフェーズⅡとして、「中期経営計画2019」を本年度よりスタートさせることといたしました。

「中期経営計画2019」(要旨)

1.中期経営計画2019で目指す姿

・「Assembly(組み立て)& Collaboration(共創)」による新価値の創造

① 生産性No.1・安全性No.1の進化
: 1人当たり完成工事高30%向上・残業ゼロ・事故ゼロへの挑戦

② 差別化価値の獲得
: 強みの開拓と更なる強化、収益の多様化

2.2019年度 グループ業績目標

(1) 連結売上高・営業利益等

※ 労働生産性=付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数(期中平均、派遣社員等を含む)

(2) 事業別売上高・利益

※ 新領域は、エネルギー関連事業及びその他新規事業

※[ ]は構成比率

※ 長期目標は、2020年以降を視野に入れた経営の方向性

(3) 資本効率・株主還元

※ 総還元性向=総株主還元額(配当総額+自社株式取得総額)÷親会社株主に帰属する当期純利益

※ 2016年度下段( )は、税金等調整前当期純利益に法定実効税率を乗じて試算した数値

(4) 投資計画



3.事業方針

(1) 生産性No.1・安全性No.1の進化

・ 設計・施工段階における業務(基本・実施設計、施工計画、労働環境整備等)のフロントローディングを推進する。

・ 自動化・機械化施工等、新技術・ICT(情報コミュニケーション技術)を開発し、適用する。

(2) 差別化価値の獲得

① 国内建設事業

・ 安定成長分野 : 得意分野(病院・学校、再開発、山岳トンネル、区画開発等)において、当社グループ独自の価値を提供する。

・ 重点強化分野 : 高付加価値オフィスビル、大規模インフラ、経年優化に向けた更新等の継続的な受注を目指す。

② 戦略事業

・ 将来収益の柱とするべく「投資開発」「新領域」「国内グループ会社」「海外」へのリソースシフトを推進する。

(3) 経営基盤の強化とステークホルダー価値の向上

・ 人財流動化(ローテーション)、働き方改革を通じて、社員の多様化・多彩化・ポテンシャルアップを図る。

・ キャッシュフローの改善及び適正な内部留保の確保(自己資本比率40%程度)により健全な財務体質を維持する。

・ 環境保全をはじめ、持続的可能な社会の構築に向けた取り組みを推進する。