事業の概況

各事業の状況は、次のとおりであります。

(注)

各事業の売上高は、外部顧客に対する売上高に各事業間の内部売上高等を加算して表示しております。

 戸建住宅部門では、お客様の住まいづくりに真摯に向き合い地域に密着した事業展開を推進し、販売拡大に努めてまいりました。
 国内におきましては、「敷地対応力」の強化と、大空間・大開口を実現する3階建「skye3(スカイエスリー)」を発売するなど、多彩な商品ラインアップでお客様のニーズに対応してまいりました。また、コロナ禍におきましてもウェブサイト上で楽しく簡単に家づくりを体験できる「Lifegenic(ライフジェニック)」の販売を進める一方、ニューノーマル時代を見据えた住まい提案として、快適に在宅勤務ができる当社オリジナルのテレワークスタイル「快適ワークプレイス」と「つながりワークピット」、「吸着性光触媒コーティング」と「空気浄化ef (イーエフ)」を組み合わせた「抗ウイルス・きれい空気提案」、さらには家で過ごす時間が長くなる中でペットとより快適に自宅で過ごすための業界初の猫専用ユニットバス「ネコレット」の販売を開始するなど、社会や生活の変化をとらえ、お客様の課題解決に積極的に取り組んでまいりました。
 海外におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるライフスタイルの変化に伴う郊外での住宅需要の拡大が追い風となり、米国子会社Stanley Martin Holdings, LLCの業績が好調に推移いたしました。
 以上の結果、当事業の売上高は5,161億9百万円(前期比3.7%増)、営業利益は218億1千8百万円(前期比20.7%増)となりました。

 賃貸住宅部門では、ご入居者様に選ばれ、長く住み続けたいと思っていただける住まいをご提供するため、市場性と顧客ニーズに適った質の高い賃貸住宅を土地オーナー様にご提案することにより、ご入居者様の安心・安全・快適な暮らしと、土地オーナー様の長期安定経営をサポートしてまいりました。
 当社におきましては、2020年7月に都市部・中心市街地向け3階建て商品「GRACA(グラサ)」を発売いたしました。
 大和リビングマネジメント株式会社におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により経済的な影響を受けたご入居者様に対し、2020年4月より賃料支払猶予措置を実施するとともに行政による助成金や給付金制度等の情報提供を行い、同社管理物件にお住まいのご入居者様の生活を守る取り組みを実施してまいりました。
 また、2020年11月には大和リビングケア株式会社にて、サービス付き高齢者向け住宅「D-Festa(ディーフェスタ)小平」(東京都)をオープンいたしました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響等で請負工事の受注が減少したことなどから、当事業の売上高は9,827億8千5百万円(前期比2.3%減)、営業利益は908億3千2百万円(前期比7.9%減)となりました。

 マンション部門では、お客様の住みやすさに加え、環境負荷低減に配慮した付加価値の高いマンションづくりに努めてまいりました。また、ご購入いただいた皆様の安心・安全・快適な暮らしを支えるため、当社グループによる管理サービスの充実に取り組んでまいりました。
 当社におきましては、旧耐震マンションの建替事業物件「プレミスト文京千石」(東京都)が都市部への快適なアクセスと歴史ある街並みが評価され、好評のうちに短期間で完売いたしました。また、二重サッシや高性能断熱材等により建物の基本性能を向上させると同時に、エコジョーズやエコファーム、床暖房等の高効率設備導入を進めるなど、環境負荷低減を実現した「プレミストタワー靱本町」(大阪府)は、経済産業省より「超高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」に採択されました。本町駅や都心のオアシスである靭公園へ各々徒歩1分のロケーションに加え、IoTの採用による快適な住空間やタワーの眺望が評価され、販売が順調に進捗しております。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響や新規物件の販売スケジュールが遅れたことにより、当事業の売上高は3,397億9千万円(前期比8.8%減)、営業利益は53億9千7百万円(前期比66.0%減)となりました。

 住宅ストック部門では、大和ハウスリフォーム株式会社におきまして、当社施工の戸建・賃貸住宅を所有されているオーナー様に対し、インスペクション(点検・診断)を通じたリレーションの強化や保証期間延長のためのリフォーム提案を強化してまいりました。併せて法人のお客様の事業用資産に向けたメンテナンス提案に注力し、受注拡大を図ってまいりました。
 また、より良質な既存住宅の流通の活性化に向けた「Livness(リブネス)」事業におきましては、戸建住宅・マンションオーナー様に向けたキャンペーンや、コロナ禍における営業活動としてオンラインセミナーを実施するとともに、オーナー様を中心としたあらゆるお客様の住まいのお悩みにお応えするため、リブネス課を設置し60拠点まで拡大してまいりました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響でリフォーム工事の受注が減少したことなどにより、当事業の売上高は1,247億1千8百万円(前期比14.4%減)、営業利益は104億3千8百万円(前期比37.6%減)となりました。

 商業施設部門では、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しながら、テナント企業様の事業戦略に対応した適切な出店計画の提案や、エリアの特性を活かし、様々なニーズに応じたバリエーション豊かな企画提案を行ってまいりました。特に、複合商業施設やオフィスビル等の大型物件への取り組みの強化や、投資用不動産の購入を検討されているお客様に向け、当社で土地取得・建物建築・テナントリーシングまで行った物件を販売する取り組みの強化等により業容の拡大を図ってまいりました。
 また、愛知県春日井市にて約70店舗のテナント構成を予定している大型商業施設「(仮称)春日井商業プロジェクト」の開発、広島県広島市にて大和情報サービス株式会社が運営するショッピングセンター「ALPARK(アルパーク)」の大規模リニューアル(2023年春に全面リニューアルオープン:総店舗数160店舗予定)に着手するなど、当社グループが保有する経営資源を組み合わせ、お客様のニーズに合わせた複合施設開発に取り組んでおります。
 ダイワロイヤル株式会社におきましては、「ダイワロイネットホテル福山駅前」(広島県)等をオープンさせ、地域特性や立地条件に配慮した展開を進めてまいりました。
 また、大和リース株式会社におきましては、都市型公園の建設・維持管理・運営を行う事業として2020年7月、大阪府泉南市に府営公園の一部を同社が整備した「泉南りんくう公園(愛称:SENNAN LONG PARK)」を開業いたしました。
 これらの取り組みを行う一方で、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い一部の業態の設備投資が減少したことなどにより、当事業の売上高は8,083億9千5百万円(前期比0.2%増)、営業利益は1,228億9千8百万円(前期比12.6%減)となりました。

 事業施設部門では、法人のお客様の様々なニーズに応じた施設建設のプロデュースや資産の有効活用をトータルサポートすることで業容の拡大を図ってまいりました。
 国内におきましては、物流施設開発の次の柱にすべく、千葉県印西市の千葉ニュータウンにて、日本最大のデータセンター団地の開発を計画し、1棟目のデータセンターを着工いたしました。
 物流施設関連では、沖縄県豊見城市にて沖縄県最大(※1)のマルチテナント型物流施設「DPL沖縄豊見城」をはじめ全国39ヶ所の物流施設を、また海外におきましてもマレーシア・クアラルンプール近郊にて開発するマルチテナント型物流施設第2弾「D Project Malaysia Ⅱ」を着工し、豊富な経験とノウハウでお客様の物流戦略をバックアップしてまいりました。
 医療介護施設関連では、老朽化・耐震基準を満たしていない建物を持つ病院をターゲットに建替えや移転の提案、また高齢者住宅・介護施設の併設等医療法人の経営課題を解決するソリューション提案を強化してまいりました。
 事務所・工場等の拠点サポート関連では、開発造成工事中である山口県防府市の「防府第二テクノタウン」にて初の進出企業が決定するなど当社開発の工業団地への企業誘致を強化してまいりました。加えて食品工場におきましては、食品製造・加工事業者を対象に、HACCP(※2)義務化に向けたセミナーを開催するとともに、安全認証に適応した施設建設の提案を強化してまいりました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で一部の企業の設備投資計画が中止・延期されたことなどから、当事業の売上高は9,899億8千4百万円(前期比14.1%減)、営業利益は1,159億1千万円(前期比3.9%減)となりました。
※1 「DPL沖縄豊見城」、「DPL沖縄豊見城Ⅱ」を合わせた延床面積で沖縄県最大。
※2 食品の製造・加工等のあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚染等の危害を事前分析・管理する衛生管理手法。

 ホームセンター事業では、ロイヤルホームセンター株式会社におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響による巣ごもり需要を捉えつつ、「ロイヤルホームセンター戸田公園店」(埼玉県)及び「ロイヤルプロ藤沢並木台店」(神奈川県)を新たにオープンするなど、様々なお客様の暮らしに役立つ店舗を展開してまいりました。
 物流事業では、大和物流株式会社におきまして、「京都物流センター」をはじめ4ヶ所を新たに開設し、お客様のビジネスに最適な物流拠点の整備を行っております。
 フィットネスクラブ事業では、スポーツクラブNAS株式会社におきまして、「スポーツクラブNAS 小阪」(大阪府)をオープンいたしました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で、当事業の売上高は5,073億5千9百万円(前期比4.3%減)、営業利益は107億7千1百万円(前期比44.1%減)となりました。

企業集団の部門別受注高及び売上高

(注)
  1. 記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。
  2. 各事業部門の区分につきましては、「1.企業集団の現況に関する事項 (6) 主要な事業内容」に記載しております。
  3. 前期繰越高・当期受注高・当期売上高・次期繰越高ともに外部顧客に対する前期繰越高・当期受注高・当期売上高・次期繰越高を表示しております。
  4. Stanley Martin Holdings, LLCが当連結会計年度中に、Essex Homes Southeast, Inc.及びその関係会社と事業譲渡契約を締結したこと等により、前期繰越高+当期受注高-当期売上高は次期繰越高に一致しません。

(注)
  1. 「売上高」「事業別売上高構成比」は外部顧客に対する売上高を表示しております。
  2. 「営業利益」のグラフ内に記載の調整額には、セグメント間取引消去、のれんの償却額、各セグメントに配賦していない全社費用が含まれております。

対処すべき課題

 今後の世界経済は、早期にコロナ禍を脱したと言われる中国の存在、米国をはじめとした主要国の経済対策効果で、深刻な景気悪化局面からは持ち直しているものの、コロナ禍による影響で先行きは不透明な状況であります。加えて、新興国の経済成長や米中の対立、脱炭素社会への挑戦の加速化等、これまでにない変動要因により不確実性が増しております。国内では新型コロナワクチンの接種が今後本格的に始まるものの、新型コロナウイルス感染症(変異株)の影響に伴い、景気回復が遅れる懸念は拭えない状況であります。
 このような事業環境の中、当社グループは2021年4月より「事業本部制」の導入による経営基盤の強化を図っております。各事業のバリューチェーンを構成するグループ会社は原則該当する事業本部の傘下とし、各事業本部がより経営に関与していくことで、事業戦略の一貫性をもってマネジメントを行ってまいります。今後、この事業本部制のもと、スピード感ある意思決定、そして社会課題への柔軟な対応でさらなる成長を目指してまいります。
  一例といたしまして、住宅事業のバリューチェーン戦略では、今後も変化していく多様な住まい方の提案に向け、改めてお客様にご提供する価値を「家を帰る場所から『生きる』場所へ」と再定義し、家を建てる瞬間はもちろん、その先の人生をお客様とともに想像し、ライフスタイルやライフステージが変化しても幸せが続く場所を提供してまいります。
  また、今後の成長領域といたしまして、物流施設の開発をさらに促進すると共に、需要の高まりが予想されるデータセンターの基盤整備に取り組んでいく予定であります。当社グループが物流施設開発で培ったノウハウを様々な分野で生かしてまいります。
  一方、当社グループは、SDGsへの取り組みにつきましても率先して進めてまいりました。特に注力する「環境」や「社会」といったカテゴリーにおきまして、我々は、「つくる責任」「 つくった責任」を果たし、まちづくりを通じてサステナビリティ課題への取り組みをさらに加速させてまいります。当社グループが開発したネオポリスにおきましては、「リブネスタウンプロジェクト」として、順次「再耕」し、住民の方々が安心して永く住み続けられる魅力あるまちづくりを推進してまいります。
 株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

ご参考

第83期(2021年度)の目標 ー業績予想・資本政策・株主還元

 売上高4兆3,000億円、営業利益3,200億円、当期純利益2,150億円を目指してまいります。
 また、財務の健全性を維持しつつ、「資本効率の改善」「株主還元の充実」に取り組んでまいります。

業績予想


資本政策・株主還元

財産及び損益の状況の推移

①企業集団の財産及び損益の状況の推移

(注)

売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、総資産、純資産の金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。

②当社の財産及び損益の状況の推移

(注)

受注高、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、総資産、純資産の金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。

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2021/06/29 12:00:00 +0900
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