第12期 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 3608
株式会社TSIホールディングス 当連結会計年度(2022年3月1日から2023年2月28日まで)における当アパレル業界は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和並びに経済活動の正常化が進んだことにより、外出需要の回復に伴い、個人消費にも回復基調がみられました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢などによる世界的な資源価格高騰及び急激な為替変動などにより、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような経営環境のもと当社グループは、2022年4月に公表した、2025年に向けた新たな中期経営計画「TSI Innovation Program 2025(TIP25)」に基づき、引き続きデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴う社会環境並びにお客様のライフスタイルの変化に対応し、自社の独創的な提供価値を創出すべく、抜本的な改革を進めてまいりました。ファッションエンターテインメントのかたちを創造すべく、EC拡大を主として成長事業領域への投資に注力するとともに、不採算店舗の撤退から大型店舗出店や一等地への再出店へとフェーズを移行し、魅力的な店舗開発に取り組むことで収益構造の改革を目指してまいりました。
さらに、2022年3月に当社グループ会社の1社統合を目指した取り組みの第2弾として実施した吸収合併(子会社である㈱TSIを吸収合併存続会社、㈱上野商会を吸収合併消滅会社とする吸収合併)により、これまで築き上げてきたブランドの個性を活かしつつ、確実に収益力を強化するために、両社の重複機能を減らし、組織構造をスリム化することで損益分岐点を引き下げるとともに、グループ全体としてのガバナンスの強化を図ってまいりました。
また、2022年9月20日付で実施した本社の移転及びこれに伴う各事業のオフィス集約により、グループ会社を含めた事業全体の効率化を目指してまいりました。
当社グループとしましては、当社グループ各社の店頭売上確保並びにECによる販売強化を図るとともに、商品の仕入を厳しく見極めて適正基準まで抑えるなど、在庫リスクの軽減並びに原価の抑制などの措置に徹底して努めたものの、前年同期に実施した新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う緊急的な販管費抑制の反動もあり、結果として厳しい状況が続きました。
その結果、売上高については、1,544億56百万円(前期比10.0%増)、営業利益は23億29百万円(前期比47.5%減)、経常利益は38億59百万円(前期比33.8%減)となりました。また、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益は30億63百万円(前期比199.6%増)となりました。
セグメント別の売上の概況は次のとおりです。
当社のアパレル関連事業を構成する各子会社につきましては、前述した中期経営計画(TIP25)に基づき、成長事業領域への投資、リアル店舗の改革とEC販路へのシフトを行うことにより収益力の強化に注力してまいりました。
既存事業については、ストリートブランドの「ステューシー」、ロンドンのコレクションブランドの「マーガレット・ハウエル」、ミリタリーファッションを主軸とする「アヴィレックス」、アウトドアファッションを主軸とする「アンドワンダー」などが、特色を活かした商品を展開することにより収益力の拡大を目指してまいりました。
これらの取り組みにより、アパレル関連事業の売上高は、1,493億49百万円(前期比10.0%増)となりました。
その他の事業につきましては、販売代行及び人材派遣事業を営む㈱エス・グルーヴ、合成樹脂製品の製造販売を行う㈱トスカバノック、店舗設計監理や飲食事業を営む㈱プラックス、化粧品、香水、石鹸等の仕入及び販売を行うLaline JAPAN㈱、そして米国カリフォルニア州で人気のオーガニックカフェを日本で運営するUrth Caffe JAPAN㈱などの事業により、売上高は58億25百万円(前期比10.8%増)となりました。