第14期 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 3608
当社グループは、「ファッションエンターテインメントの力で、世界の共感と社会的価値を生み出す。」というパーパスの実現に向けてサステナビリティ経営をすべての事業活動の礎としています。財務価値と非財務価値の両輪をもって、持続可能な事業成長を推進すべく2027年に向けた中期経営計画「TSI Innovation Program 2027(TIP27)」を策定し、2024年4月に公表いたしました。前年度を通じて、TIP27の各施策において、失われつつあった「稼ぐ力」を全社を挙げて取り戻し、収益体質の徹底的な筋肉質化と、収益力を支える基盤整備を行ってまいりました。
1. 抜本的な収益構造改革
収益構造改革の大きなテーマは、仕入原価低減、需給管理の適正化(プライシング)、店舗収益構造見直し、基幹/ECシステムの効率化、販管コスト削減、の5つを設定しております。
前年度においては、販管コストの削減が最も業績に寄与しました。物流、広告宣伝、業務委託などの領域においての実施可否のロジカルな意思決定やその効果測定等の社内審議を定型化し、定常業務として落とし込むことができました。また、2月にECサイト統合が完了し、今年度より運営コストの大きな削減が見込まれています。
仕入原価低減、プライシング、店舗収益構造見直しについては、前年度で準備を完了させ、今年度からの本格的な効果発現を見込んでいます。
仕入原価低減は、主要仕入れ先の集約によるスケールメリットの追求や、海外生産の現地決済化によるコスト効率化を図ります。
プライシングは、商品価格の設定について統一したルールを策定し、その適正化を図ることで過度の値引き販売を避け、利益率の向上を目指します。
店舗収益構造見直しは、曜日や時間帯による繁閑差を考慮した人員配置や、複数店舗で特定業務を担当する役割の設定など、戦略的な人的リソースの活用を目指します。
2. 成長回帰に向けた再投資
ECにおいて、当社ブランドを一堂に集めた「mix.tokyo」を2月にリニューアルオープンしました。従来個別に運営していたサイトの統合により、ブランド・EC・店舗をシームレスにつないだ顧客体験を実現しております。今後はサイト機能強化や同じタイミングで統合した会員基盤を活用した顧客への提案力強化に注力してまいります。
また、当社グループが有する個性的なブランドのそれぞれについて再評価を行い、ブランドポートフォリオの中で成長を重視するか、それとも利益の確保を重視するかという位置づけを明確化しました。これとともに、これらの基準を充たさないブランドについては概ね本年2月末までに撤退を完了し、成長性と収益性の高いブランドに経営資源を集中投下する準備を整えました。
あわせて、成長が見込める市場セグメントに対し、新規ブランドの開発やM&Aによる事業展開、既存ブランドの拡大など最適な方法による成長機会の拡大を積極的に図ってまいります。
3. 経営基盤の見直し及び強化
グループ内における部門の集約や人員配置の最適化、外部化や業務の効率化を踏まえた人員規模の見直しを図り、本社人員のスリム化を計画通りに実行しました。これと並行して、経営管理のルール、プロセスの整理や仕組みの統一を図ることにより、課題把握や対策のスピーディーな実行及び検証を可能とすることで、収益構造改革と成長回帰のスピードアップを図ってまいります。