事業の経過および成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の激化や地政学的リスクの高まりなど海外経済の下振れリスクが継続する中、人手不足への対応や生産性向上に向けた企業の設備投資意欲が根強く、災害からの復旧・復興需要を背景に公共投資の増加基調が維持されていたことなどにより景気が下支えされてきました。しかしながら、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴う影響により世界経済は急速に悪化、国内景気も厳しさを増しております。
 当社グループの属する情報サービス業界におきましても、AIやIoT技術などの先端デジタル技術への投資、「働き方改革」に寄与する業務効率化ニーズの高まりなどを背景に、企業の強いIT投資意欲に支えられ、今後も投資案件の増加が見込まれておりましたが、先行き不透明な状況となっております。
 このような環境下、当社グループは、2018年5月18日に発表した中期経営計画「Challenge to 2020」で掲げた、売上高140億円、営業利益23億円、ROE10%以上の達成へ向けて事業を推進してまいりました。金融機関向けソリューションにおいて主力パッケージである個人ローン業務支援システム「SCOPE」などの好調な販売により受注高が伸長、さらに前期末時点で過去最高を更新した受注残が売上に寄与したことから、当連結会計年度の売上高は152億39百万円(前期比121.4%)、営業利益は17億28百万円(前期比105.5%)、経常利益は18億39百万円(前期比107.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億32百万円(前期比107.3%)となり、売上高、各利益は過去最高を更新いたしました。
 当連結会計年度の受注高は159億69百万円(前期比97.8%)、受注残は128億85百万円(前期比106.0%)となりました。また、セグメント別の営業概況は次のとおりです。

(システムソリューション)

 システムソリューションでは、フィナンシャルシステムにおける個人ローン業務支援システム「SCOPE」の販売が引き続き好調であり、地銀系保証会社向けの保証・求償管理システムについてもバージョンアップを実施しさらなる受注を獲得いたしました。ノンバンク向け債権管理システムでは、既存機能にSMS送信システム「e-SMS」や入金約束受付サービス「NYUS」を組み合わせた提案が評価されており、業務効率化ならびに人員の有効活用を目指した「TCS-Web」の受注を獲得しております。また、コールセンター向けシステムのロボティックコールでは、大手地方銀行・カード会社等より新規で受注を獲得し好調を維持しております。
 小売業向けでは基幹システム「RITS」およびECサイト構築パッケージ「ITFOReC」のユーザーに対し消費税改正・軽減税率対応の開発およびリリースを完了いたしました。また、首都圏の百貨店向け大型案件において「RITS」とキャッシュレス決済ソリューション「iRITSpay」が10月に稼働、3月までに第二次システムも稼働いたしました。
 公共向けでは都道府県初となる沖縄県からの滞納管理システムの受注を獲得したほか、給食費の公会計化の推進に伴い給食費管理システムの検討が活発化し、学務支援システムの新規受注を獲得いたしました。
 さらにマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策への態勢強化という課題解決にむけて販売に注力している「NICE Actimize AML/CFTソリューション」については、ターゲットとしている地方銀行数行より受注を獲得いたしました。
 一方、小売業向け等の大型案件において、一部低採算となったことにより、セグメント利益は前年対比で減益となりました。
 その結果、受注高は83億33百万円(前期比85.6%)、売上高は89億88百万円(前期比118.8%)、セグメント利益は17億97百万円(前期比91.4%)となりました。

(サービスソリューション)

 サービスソリューションでは、安定収益源である保守サービスや公共分野向けBPO(業務受託)サービスを中心に活動しております。BPOサービスが好調に推移し、政令市・中核市を主体に新規契約を獲得しました。また、業務の立ち上げから安定的な運用へ移行する中で、効率的な人員配置を行うなど、コスト削減にも取り組んでおります。
 その結果、受注高は43億87百万円(前期比106.0%)、売上高は34億75百万円(前期比121.0%)、セグメント利益は6億19百万円(前期比121.5%)となりました。

(基盤ソリューション)

 基盤ソリューションでは、システム機器販売、クラウドを含む基盤インフラ設計・構築・納入・設置、ネットワークシステムの提供を行っております。キャリア向け大手顧客からの更改案件を受注したほか、前期受注したシステム機器の納入が進んだことから、売上、利益共に前年同期に比べ大幅な増加となっております。
 さらに、キャッシュレス決済において主力の「iRITSpay」の販売が順調に推移しており、QRコード・バーコードスキャナを内蔵した一体型タイプの新商品マルチ決済端末も市場へ投入いたしました。
 その結果、受注高は32億48百万円(前期比132.5%)、売上高は27億75百万円(前期比131.4%)、セグメント利益は5億97百万円(前期比155.5%)となりました。

[売上高の内訳]
 セグメント別の売上構成は以下のとおりです。

 (注)

セグメント別売上高は、外部顧客への売上高を表示しております。

<社会貢献活動>
 当社は、企業としての社会的責任を果たすため、公益財団法人日本ユニセフ協会に寄付を行っております。
 また、令和元年房総半島台風および令和元年東日本台風の義援金として、日本赤十字社および長野県災害対策本部に寄付を行っております。

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2020/06/19 11:30:00 +0900
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