❶ 事業の経過及び成果
当連結会計年度における国内経済は、個人消費の一部において物価上昇の影響が継続しているものの、雇用環境や企業収益の改善などにより景気は緩やかな回復基調が継続いたしました。製造業では、弱含んでいた電子部品や生産用機械に持ち直しの動きが見られ、生産活動は一進一退の状態で推移しております。企業の投資状況は、製造業、非製造業ともに堅調に推移しており、デジタル化を中心に積極的な投資姿勢を維持しております。
海外では中国において、各種政策の効果は見られるものの、個人消費は引き続き緩やかな減少傾向となり、景気は足踏み状態となりました。製造業は米国との通商問題による一時的な需要増加に伴い、堅調に推移いたしました。欧米諸国においては、一部の地域で足踏みが見られるものの、インフレ圧力の緩和を受け景気は持ち直してまいりました。今後につきましては、引き続き米国の政策動向による影響や中東地域をめぐる情勢などに注視が必要な状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス産業において、世界的なスマートフォンやパソコンをはじめとする様々な高機能電子デバイスの在庫調整が一巡したと見られたことで、各種製品の需要は回復基調に転じ、出荷台数が増加いたしました。自動車産業は中国において、新興国向けに需要が持ち直したため、生産台数は増加いたしました。
その結果、当社グループの売上高は283億56百万円(前連結会計年度比14.1%増)、営業利益は105億13百万円(同30.8%増)、経常利益は109億20百万円(同32.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は74億97百万円(同35.6%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理薬品の開発・製造・販売及び関連資材の販売
電子分野におきましては、中国ではスマートフォンをはじめとする高機能電子デバイスの在庫調整が一巡したことでプリント基板の需要が回復基調となり、薬品売上高は前連結会計年度比で大幅に増加いたしました。台湾では半導体市場に回復の兆しが見られ、サーバー、高機能電子デバイス向け半導体パッケージ基板の需要が緩やかに拡大したため、薬品売上高は前連結会計年度比で増加いたしました。韓国では半導体市場の底打ちや顧客の在庫調整の進展により半導体パッケージ基板の需要に緩やかな回復が見られ、薬品売上高は前連結会計年度比で増加いたしました。
装飾分野におきましては、国内は一部自動車メーカーによる出荷停止の影響が緩和されたものの、デザイントレンドの変化に伴う薬品需要の低下もあり、薬品売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。中国では半導体・部材不足の緩和に伴い自動車の生産台数は増加したものの、当社が対象とする自動車部品の需要が低下したため、薬品売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。
その結果、薬品事業の売上高は241億54百万円(前連結会計年度比11.4%増)、セグメント利益は106億80百万円(同26.5%増)となりました。
主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理装置の設計・製造・販売、プラズマ技術を利用したプリント基板洗浄装置の販売、太陽光発電による売電等
装置事業におきましては、受注案件が予定通り進行したことで売上高は大幅に増加いたしましたが、お客様の投資案件が一巡したことで新規受注が減少し、受注高及び受注残高は減少いたしました。
その結果、売上高は42億2百万円(前連結会計年度比32.2%増)、セグメント利益は7億40百万円(同52.6%増)となりました。新規受注に関しましては、受注高は12億24百万円(前連結会計年度比64.1%減)、受注残高は13億3百万円(同69.2%減)となりました。
その他におきましては、㈱そらぷちファームの全株式を譲渡し、連結の範囲から除外したことに伴い、「その他」の区分を廃止しております。
(注)セグメント利益は、営業利益ベースの数値であります。
❷ 設備投資の状況
当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は6,359,744千円で、その主なものは次のとおりであります。
当連結会計年度に取得した主な設備
当社 総合研究所 実験設備、測定機器の取得 426,843千円
当社 生産本部 生産設備の改修 115,063千円
当社 熊本事業所 建物建設 4,840,086千円
JCU(THAILAND) CO., LTD. 新規工場新設予定地 634,231千円
JCU KOREA CORPORATION X線ボイド検査機 50,513千円
JCU VIETNAM CORPORATION 自動消防システム 44,165千円
❸ 資金調達の状況
当期の所要資金は自己資金より充当し、外部からの調達は行っておりません。