当連結会計年度における国内経済は、経済活動は正常化したものの物価高の影響を受け個人消費が低迷し、景気の回復に一服感が見られました。製造業では、輸出の増加により緩やかな回復基調が継続しているものの、当第4四半期においては自動車産業の出荷停止の影響を受け、一時的に減速しております。企業の投資状況においては、製造業、非製造業ともに増加しており、企業はデジタル化や生産能力増強に向け、積極的な投資姿勢を維持しております。
海外では中国において、景気減速の影響を受け、個人消費、製造業ともに成長が鈍化いたしました。欧米諸国においては、インフレ圧力の緩和を受けて景気は持ち直しましたが、エネルギーの供給不安による資源価格の高騰、世界的な製造業の不調が継続しており、引き続き注視が必要な状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境は、エレクトロニクス産業において、コロナ禍の巣ごもり需要などが終息したことに伴い、スマートフォンやパソコンをはじめとする様々な高機能電子デバイス向け電子基板の需要が世界的に低水準で推移いたしました。自動車産業は日本、中国において、部品供給不足が緩和されたことにより、生産台数が増加いたしました。
上記のとおり、厳しい事業環境ではありましたが、円安の影響もあり当社グループの売上高は248億59百万円(前連結会計年度比8.4%減)、営業利益は80億41百万円(同13.4%減)、経常利益は82億16百万円(同12.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は55億30百万円(同8.0%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理薬品の開発・製造・販売及び関連資材の販売
電子分野におきましては、中国では一部のプリント基板メーカーにおいて回復基調が見られたものの、スマートフォンをはじめとする高機能電子デバイス向けプリント基板の需要が低迷し、薬品売上高は前連結会計年度比で横ばいに推移いたしました。台湾ではサーバー、高機能電子デバイス向け半導体パッケージ基板の需要が低迷し、薬品売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。韓国では半導体市場の不調が継続したため半導体パッケージ基板の需要が低迷し、薬品売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。
装飾分野におきましては、国内は半導体・部材不足が緩和されたことにより自動車の生産台数は増加したものの、自動車の部品構成の変更に伴う薬品需要の低下及び当第4四半期においては自動車産業の出荷停止の影響を受け、薬品売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。中国では半導体・部材不足の緩和に伴い自動車の生産台数は増加したものの、当社が対象とする自動車部品の需要が低下し、薬品売上高は前連結会計年度比で減少いたしました。
その結果、薬品事業の売上高は216億81百万円(前連結会計年度比11.6%減)、セグメント利益は84億40百万円(同13.9%減)となりました。
主要な事業内容
国内・海外市場における表面処理装置の設計・製造・販売、プラズマ技術を利用したプリント基板洗浄装置の販売、太陽光発電による売電等
装置事業におきましては、経済活動の正常化に伴う新規投資需要の増加により、売上高及び受注残高は増加いたしました。
その結果、売上高は31億78百万円(前連結会計年度比21.9%増)、セグメント利益は4億84百万円(同31.2%増)となりました。新規受注に関しましては、受注高は34億11百万円(前連結会計年度比23.2%減)、受注残高は42億34百万円(同7.1%増)となりました。
主要な事業内容
ワイン製造用ブドウ・苗木の育成・販売等
その他におきましては、売上高0百万円(前連結会計年度比57.0%減)となり、セグメント損失は17百万円(前連結会計年度はセグメント損失17百万円)となりました。
(注)セグメント利益は、営業利益ベースの数値であります。
❷ 設備投資の状況
当連結会計年度において実施いたしました設備投資の総額は759,170千円で、その主なものは次のとおりであります。
当連結会計年度に取得した主な設備
当社 総合研究所 実験設備、測定機器の取得 176,836千円
当社 生産本部
生産設備の改修 58,074千円
運搬用コンテナの取得 14,110千円
当社 熊本事業所(仮称) 建物建設 175,923千円
JCU KOREA CORPORATION めっき槽の取得 42,471千円
JCU表面技術(湖北)有限公司
生産設備の取得 67,540千円
硫酸銅めっき装置 21,889千円
❸ 資金調達の状況
当期の所要資金は自己資金より充当し、外部からの調達は行っておりません。