当社は、2007年3月1日開催の当社取締役会において、「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針(以下、「対応方針」)」の導入を決定し、同年およびその後の有効期限である2年ごとの定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいたうえで、対応方針を継続してまいりました。対応方針は、当社株式に関わる大規模な買付行為の提案がなされた際、当該提案内容が当社の企業価値、株主共同の利益に及ぼす影響などについて株主の皆様が的確に判断できるよう、買付行為の提案者および当社取締役会の双方から迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案などの提供がなされ、さらにそれらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することを目的としたものであります。2017年6月23日開催の当社第15回定時株主総会においては、資本市場からの要請等に応え、株主意思確認手続きの導入等の変更を加えた上で対応方針の継続についてご承認いただきました(以下、現在の対応方針を「現方針」)。現方針の有効期限は、本総会終結の時までとなっており、その継続につきましては株主の皆様のご承認を得て行うことといたしております。
当社では、現方針について、その後の情勢変化等も勘案しつつ、企業価値の向上および株主共同の利益の向上の観点から、継続の是非も含めそのあり方を検討してまいりました結果、特別委員会の勧告も踏まえ、2019年5月14日開催の取締役会において、本総会における出席株主の皆様の議決権の過半数のご承認を条件に、現方針を一部変更(以下、変更後の当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針を「本方針」)のうえ、継続していくことを決議いたしました。
つきましては、本方針の趣旨にご賛同いただき、下記「4.本方針の内容」の通り、その継続につきご承認いただきたいと存じます。本議案につき本総会に出席した株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得られなかった場合には、現方針の有効期間満了後、その継続は行わないことといたします。
なお、本方針は、資本市場からの更なる要請等に応えるべく、現方針から主に以下の点を変更しております。
①株主意思確認手続きを経ずに対抗措置を発動できる場合を、大規模買付者が本方針の定めるルールを遵守しない場合およびいわゆる高裁四類型に該当する場合に限定しました。
②対抗措置を新株予約権の無償割当てに限定しました。
記
当社は、経営支配権の異動は、企業活動・経済の活性化にとって有効な手段の一つであり、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、これを受け入れるかどうかは、原則として、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。
しかしながら、大規模買付行為またはこれに関する提案につきましては、株主の皆様が、当該大規模買付行為または提案の企業価値および株主共同の利益への影響を的確に判断する必要があると認識しております。そのために、大規模買付者および当社取締役会の双方から、株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間を確保することといたします。
JFEグループは、発足以来、「常に世界最高の技術をもって社会に貢献する」という企業理念を通じて、長期的な観点に立って、当社の企業価値および株主共同の利益の向上に努めることを経営の基本姿勢としております。
JFEスチール株式会社は、世界トップクラスの銑鋼一貫メーカーです。世界最高水準の製造技術と商品開発力による高い国際競争力を持ち、優れた機能と品質およびコスト競争力を持つ鉄鋼製品を、高いエネルギー効率と低い環境負荷のもとで安定的に生産することで、長年にわたり社会に貢献してまいりました。
JFEエンジニアリング株式会社は、鉄鋼業と造船業において長く培われた技術を融合・進化させながら、最先端技術力をベースとした商品・サービスの提供により時代の変化に適応し、環境・エネルギー分野や電力創生、インフラ建設等の多様な分野においてビジネスを展開し、人々の生活と産業を支えるエンジニアリング事業を国内外において幅広く展開しております。
JFE商事株式会社は、主にJFEスチールが生産する鉄鋼製品の加工・販売、原料資機材の購買等を中心に国内外において取引を行なうグループ中核商社であり、活動ステージとネットワークは、アジアを中心に世界に広がっております。
当社グループは、その事業特性に鑑み、持続的な企業価値と株主共同の利益の確保・向上のために、以下に掲げる、長年の経営努力と継続的な投資によって蓄積された当社の企業価値の源泉を、長期的に確保・向上させていく必要があります。
① 他社を凌駕する高度な技術力(プロセス技術力・商品開発力)および知的財産
前段で述べた幅広い分野において世界最高水準の技術力を維持・向上させるためには、基礎研究をはじめとした幅広い分野における研究開発投資を長期的に継続して行なう必要があります。当社グループは、お客様のニーズを先取りした独自新商品の開発、高品質な商品を効率的に生産する技術の開発、地球環境保全に寄与する商品および製造技術の開発、ならびにグループ全体としてのシナジーを活かした開発により、常に業界をリードし、新たな分野を開拓していくというグループ共通の開発コンセプトのもと、積極的な研究開発活動を展開しており、高付加価値・高機能・高品質の製品を安定的に社会に提供し続けています。
② 世界最高水準の製造実力、コスト競争力
特に鉄鋼事業においては、その生産には大量かつ高温の物質を取り扱う巨大な設備と、それを安全かつ着実に稼働させる技術・技能が不可欠であり、環境・安全・防災面への対策等を継続的に行ないつつ、絶え間なくコスト競争力強化に取り組むことが求められます。設備投資の金額はグループ全体で年間数千億円に達し、多くの設備は数十年単位での稼働を前提としており、投資効果は短期に発現するものばかりではありません。また、安定的な稼働のためには適切な設備保全・補修等の地道で継続的な努力が必要であるという特徴を併せ持っています。このような事業の特性により、投資の意思決定においても長期的な視点に基づいた経営判断が不可欠となります。
③ 長期的な教育訓練や実務経験により培われた優れた人的資本
当社グループの多様な事業を企業理念と行動指針に基づいて着実に遂行していくためには、それらを十分に理解し実践することのできる優れた人材の確保と長期的な育成が不可欠です。当社はグループ共通の人材マネジメントに関する基本方針を定め、事業会社各社の実情に応じた具体的な施策を展開しております。
④ お客様・株主の皆様・取引先・従業員・地域社会等、その他全てのステークホルダーの皆様との長期にわたる良好な信頼関係
当社グループは、長期にわたるお客様との信頼関係に基づいたお取引により、強固で安定的なお客様基盤を有しています。多岐にわたるお客様のニーズを速やかに捕捉し、ご要望に的確かつ迅速にお応えするための製造・販売・流通・品質保証体制の構築や、お客様と一体となった共同研究開発の仕組みの整備等を通じて、国内外の多くのお客様から高い信頼と評価を頂いております。
また、環境保全や安全衛生管理、事業所所在地におけるいわゆるCSR活動を積極的かつ継続的に行なうことで環境負荷の低減や地域社会との共生を可能とし、事業継続に関するリスクを低減させることにより持続的な成長を図ることが必要です。
このような企業価値の源泉に基づく強みを最大限に活かし、長期的な視点に立った様々な施策を地道に継続していくことが、当社の事業基盤を堅固なものとし、企業価値等の向上と持続的な成長に資するものと考えられます。このような経営を行なうためには、当社の企業価値の源泉に関する深い理解と知識・経験に基づいて、長期的な観点からメリットを十分に検討し、短期的にはコストが発生したとしても必要な投資を着実に行なう等、適切な判断と資源配分を行なうことが不可欠であります。
① 中期経営計画の着実な実行
当社グループは、発足以降、事業運営の指針となる中期経営計画を3年ごとに策定し、持続的な成長に向けた企業体質の構築・強化に取り組んでまいりました。これまで、商社事業・造船事業をはじめとする事業ポートフォリオの見直し、鉄鋼事業における国内製造基盤整備の為の投資、各事業における海外でのM&Aを含めた投資等を行ない、中長期的な企業価値の向上を図ってまいりました。
現在遂行中の第6次中期経営計画(2018~2020年度)では、「最先端の技術力」・「先進IT」・「グループ連携」・「多様な人材力」を最大限活用することによって、成長分野に戦略的に取り組み、中長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現への貢献を推進することで、JFEグループの企業理念である「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。」の実現を目指しております。特に、財務・収益目標については、単年度ではなく3年間で安定的な達成を目指す水準として、期間平均目標を今回初めて導入し、短期的な成果のみにとらわれるのではなく、より一層中長期的な観点に基づいた目標設定を行なっております。加えて、当社および事業会社の取締役等に対しても、中長期的な企業価値の向上に貢献する意識をより高めることを目的とする中長期業績連動型株式報酬制度を、2018年度より導入しました。
グローバルな競争を勝ち抜くため、第6次中期経営計画を着実に遂行し、引き続き企業価値・株主共同の利益の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
② ESG課題に関する取り組み
国際社会においては、国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、気候変動抑制に関する「パリ協定」が発効されるなど、持続可能な社会の実現に向けた世界的な枠組みが形成され始めています。当社グループの事業の性質上、持続的な事業運営を実現するためには地球環境の保全や社会との共存・共栄を図ることは必要不可欠であり、こうした事業環境の変化を的確に認識し、それに迅速に対応することは、当社グループの経営の最重要課題の一つであると考えています。
そのため当社グループは、事業運営の指針となる第6次中期経営計画において、「ESG課題への継続的な取り組み」を主要施策の一つに位置付けて取り組むことといたしました。CSR重要課題(マテリアリティ)に対する重要業績評価指標(KPI)を新たに事業会社ごとに設定し、PDCAサイクルを確実に回すことで、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上および持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えております。
「E(環境)」への取り組みについては、地球環境の保全を最重要課題の一つと位置付け、製鉄プロセスにおけるCO2排出削減や水資源・エネルギーの再利用に加えて、環境に配慮した商品・プロセス技術の開発や資源循環ソリューションの提供により、環境負荷低減を積極的に推進しております。
「S(社会)」への取り組みについては、当社は、優れた機能と品質を持つ商品やサービスを提供していくことが豊かな社会づくりへの貢献であり、これを支える人材の確保・育成が重要な課題と考えています。働き方改革・業務改革の推進、人材育成や技術伝承、ダイバーシティの推進など、多様な人材がその能力を最大限発揮できる環境整備を進めてまいります。また、人権の尊重はすべての事業運営の基盤であると考えており、当社の取り組み姿勢をより明確に示すため、2018年4月に、グループ各社ならびにその役員および従業員が遵守すべき規範として「JFEグループ人権基本方針」を制定しました。
「G(ガバナンス)」の充実については、これまでコーポレートガバナンス基本方針の制定、指名委員会・報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価とその結果を踏まえた取締役会・監査役会の構成の見直し、中長期業績に連動した役員株式報酬制度の導入、当社社長の選解任の基本方針やそのプロセスの決定等に取り組んできました。今後はこれらをさらに有効に機能させ、より一層グループ経営の透明性、公正性を高めるとともに、様々なステークホルダーとの双方向のコミュニケーションと公平な情報発信を一層強化してまいります。
③ 資本政策と利益配分に関する方針
当社は、株主価値の持続的な向上を目指し、収益基盤維持強化のための国内外製造拠点における設備更新に加え、グローバルに拡大する事業機会での成長投資とリスクに適切に対応するため、必要となる十分な株主資本の水準を保持します。
また当社は、株主への利益還元を最重要課題の一つと考えており、グループ全体として持続性のある企業体質の強化を図りつつ、積極的に配当を実施していく方針であり、現在の第6次中期経営計画においては、配当性向を30%程度とすることを基本方針としております。
当社の企業価値および株主共同の利益を持続的に確保、向上させるためには、当社の企業価値の源泉を十分に理解し、長期的視点に立った経営を行なう必要があります。
当社は、長年の継続的な投資と経営努力の蓄積により、世界最高水準の技術開発力と製造実力、豊富な知的財産、および長期にわたるお客様とのお取引と信頼関係に基づいた強固なお客様基盤を確立してまいりました。また、全てのステークホルダーにとっての持続的な企業価値向上を目指して、長期的視点に立った人材育成や、環境・安全・社会貢献・コーポレートガバナンスへの取り組み等に積極的に取り組んでまいりました。
この結果として得られた当社の企業価値の源泉である様々な経営資源は、新興国をはじめとする海外および国内の競合他社にとって極めて貴重なものであり、他社においては実際に企業秘密を不正な形で取得される事案も発生しています。このような経営資源を容易に獲得するため、豊富な資金力を背景に敵対的な買収が試みられる可能性は依然として存在すると考えております。
当社は、経営支配権の異動は企業活動・経済の活性化にとって有効な手段の一つであり、当社株式の大規模買付行為が開始された場合において、これを受け入れるかどうかは、原則として株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。その判断にあたっては、当社株主の皆様に迅速に必要かつ十分な情報・意見・提案等の提供がなされ、さらにそれらを検討するための必要かつ十分な時間が確保される必要があると考えております。
しかしながら、現行の日本の資本市場や法制度においてはそのための情報収集・検討期間が必ずしも十分に確保されておりません。公開買付けの規制を受けることなく大規模買付行為が行なわれる可能性もあり、また、公開買付けによる場合であっても、買付者が設定できる最短の公開買付期間は僅か20営業日(その場合買付対象者が期間延長請求を行なっても延長後の買付期間は30営業日)であるなど、株主は限られた情報に基づいて極めて短期間のうちに応募するか否かの判断を迫られる可能性があります。このような法制度のもとでは、当該大規模買付行為について必要かつ十分な情報・意見・提案等をふまえて株主の皆様が的確に判断する機会が損なわれるおそれがあり、結果として当社の長期的な企業価値および少数株主を含む株主共同の利益を毀損する可能性は決して否定できないと考えます。
このような状況において、当社は、不適切な大規模買付行為により株主の皆様による的確な判断の機会が損なわれ、当社の長期的な企業価値および株主共同の利益が侵害されることを防ぐことが、経営者としての株主の皆様に対する責務であると考えており、そのために十分な情報提供と十分な時間を確保するための最低限のルールを設定することのみを目的として対応方針を導入しております。したがって、この趣旨をご理解いただければ、本方針の継続により株主の皆様からの信頼が低下するおそれはないものと確信しております。
また、本方針においては、ルール違反の場合およびいわゆる高裁四類型に該当する場合を除く全ての場合に、対抗措置発動に際し株主の皆様の意思確認手続きを行なうこととしており、当社取締役会はその決定に従った対応をとります。したがって、経営陣が自己保身のため恣意的に本方針を運用することは不可能な仕組みとなっており、経営陣の自己規律性を弱めるおそれはありません。
なお、本方針は、単に機微技術および知的財産等の当社グループからの流出の防止や買付価格の引き上げを目的としたものではありません。あくまで株主の皆様に的確に判断していただくための最低限の環境を確保することのみを目的としておりますので、今後日本の法制度が整備され、必要な情報の提供と十分な時間の確保がなされる仕組みが確立し、上記のような懸念が払拭された場合には、本方針は廃止いたします。
当社取締役会は、当社株式の大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)を設定し、大規模買付行為に先立ち、大規模買付者に対して大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求めるとともに、当社取締役会として大規模買付情報を十分に評価・検討し、大規模買付者との交渉や株主の皆様への代替案の提示等を行なうための期間を確保いたします。
大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすものではなく企業価値および株主共同の利益を著しく損なうものでもないことが明らかである場合を除き、対抗措置としての新株予約権の無償割当ての実施の是非につき株主意思を確認し、その承認が得られた場合に対抗措置を発動いたします。ただし、大規模買付者が上記の大規模買付ルールを遵守しない場合、あるいは遵守した場合には4.4)(2)③に定める要件(いわゆる高裁四類型)に該当するときに限り、株主意思確認手続きを経ることなく、当社取締役会として対抗措置を発動する方針です。
なお、当社は、大規模買付行為の企業価値および株主共同の利益への影響、並びに本方針に基づく対抗措置の発動について、取締役会判断の透明性、客観性、公正性および合理性を担保するため、社外取締役等を中心とする特別委員会を設置いたしております。
本方針は、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行なう者を「大規模買付者」)に関する当社の対応方針を定めたものであり、その内容は以下に記載のとおりであります。また、特別委員会は、取締役会で定める特別委員会規程(その概要は別紙1「特別委員会規程の概要」のとおり。)に従って運用され、本年6月5日現在の特別委員会委員の氏名および略歴は、別紙2「特別委員会委員の氏名および略歴」のとおりであります。
当社取締役会としては、大規模買付行為は、以下に定める大規模買付ルールに従って行なわれることが、企業価値および株主共同の利益に合致すると考えます。この大規模買付ルールとは、大規模買付者は、①事前に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供したうえで、②当社取締役会による一定の評価期間が経過した後または株主意思確認手続きをとる場合には当該手続きの結果に従った当社取締役会の決議が完了した後に大規模買付行為を開始する、というものであります。
(1)意向表明書の提出
大規模買付者が大規模買付行為を行なおうとする場合には、まず当社宛に、大規模買付ルールに従う旨の意向表明書を、日本語で作成された書面にてご提出いただくことといたします。意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先および提案する大規模買付行為の概要を明示していただきます。
(2)大規模買付情報の提供
当社は、当社株主の皆様の判断および取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下、「大規模買付情報」)を大規模買付者より提供していただくために、意向表明書の受領後5営業日以内に、大規模買付者から当初提供していただくべき大規模買付情報のリストを大規模買付者に交付いたします。
大規模買付情報は、日本語で作成された書面にて当社取締役会に対し提供していただくこととし、その項目の一部は以下の通りであります。
① 大規模買付者およびそのグループの概要
② 大規模買付行為の目的および内容
③ 買付対価の算定根拠および買付資金の裏付け
④ 大規模買付行為完了後に意図する当社グループの経営方針および事業計画
⑤ 大規模買付行為完了後に意図する当社グループのお客様、サプライヤー、地域社会、従業員その他の当社グループに係る利害関係者に関する方針
⑥ 大規模買付者が当社グループの事業と同種の事業を営んでいる場合、独占禁止法や海外競争法に照らした大規模買付行為の適法性についての考え方
当社取締役会は、大規模買付情報のリストの発送後60日間(初日不算入)を、当社取締役会が大規模買付者に対して大規模買付情報の提供を要請し、大規模買付者が大規模買付情報の提供を行なう期間(以下、「情報提供期間」)として設定し、情報提供期間が満了した場合には、直ちに取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」)を開始するものとします。ただし、大規模買付者から合理的な理由に基づく延長要請があった場合には、情報提供期間を必要に応じて最長30日間(初日不算入)延長することができるものといたします。なお、当社取締役会は、大規模買付者より当初提供していただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると判断した場合、情報提供期間内に限り追加的に情報提供をしていただくことがあります。他方、当社取締役会は、大規模買付者から提供された情報が大規模買付情報として十分であると判断する場合には、情報提供期間満了前であっても、大規模買付情報の提供が完了した旨の通知(以下、「情報提供完了通知」)を大規模買付者に対し速やかに行なうとともに、その旨を開示いたします。
大規模買付行為の提案があった事実および当社取締役会に提供された大規模買付情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、適切と判断する時点で、その全部または一部を開示いたします。
(3)取締役会による評価、検討、交渉等
当社取締役会は、大規模買付者に対し情報提供完了通知を行なった後または情報提供期間が満了した後、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合)または90日間(その他の大規模買付行為の場合)を上限として取締役会評価期間として与えられるべきものと考えます。従って、大規模買付行為は、下記4.4)(2)②に従い株主意思確認手続きを経る場合を除いて、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものといたします。取締役会評価期間中、当社取締役会は、特別委員会に諮問し、また、必要に応じて外部専門家の助言を受けながら、特別委員会からの勧告を最大限尊重したうえで、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、取締役会としての意見を開示いたします。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。
(1)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者によって大規模買付ルールが遵守されない場合には、当社取締役会は、企業価値および株主共同の利益の保護を目的として、新株予約権の無償割当ての方法により、大規模買付行為に対抗することがあります。対抗措置の発動は、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、特別委員会の勧告を最大限尊重し、当社取締役会が決定いたします。対抗措置として新株予約権無償割当てを行なう場合の概要は、原則として別紙3記載のとおりといたします。なお、新株予約権無償割当てを行なう場合には、その新株予約権に、対抗措置としての効果を勘案した行使期間および行使条件を設けることがあります。
なお、今回の大規模買付ルールの設定およびそのルールが遵守されなかった場合の対抗措置は、企業価値および株主共同の利益を保護するための相当かつ適切な対応であると考えます。他方、このような対抗措置により、結果的に、大規模買付ルールを遵守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。大規模買付ルールを無視して大規模買付行為を開始することのないように予め注意を喚起いたします。
(2)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付ルールは、当社の経営に影響力を持ち得る規模の当社株式の買付行為について、企業価値および株主共同の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、このような買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、現に経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。以下の①に定める場合には、当社取締役会は大規模買付行為を抑止するための措置の不発動を決議します。それ以外の場合(ただし以下の③の場合を除きます。)には、以下の②に定める内容に従い、大規模買付行為を抑止するための措置の発動または不発動について、株主意思確認手続きを行ないます。
① 取締役会の判断による対抗措置の不発動
当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重したうえで、大規模買付行為について慎重かつ十分に検討した結果、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすものではなく企業価値および株主共同の利益を著しく損なうものでもないことが明らかであり対抗措置の発動が相当でないと判断した場合には、下記②に記載される株主意思確認手続きを経ずに、対抗措置の不発動を決議するものとします。かかる対抗措置の不発動を決議した場合には、速やかに開示を行ないます。
② 株主意思確認手続きによる対抗措置の発動または不発動
当社取締役会は、上記①に従った対抗措置の不発動を決議しない場合には、下記③の場合を除き、対抗措置の発動または不発動について株主の意思を確認する手続き(以下、「株主意思確認手続き」)を行ないます。当社取締役会は、株主意思確認手続きを行なう場合、取締役会評価期間中にその旨を決定し、当該決定内容を速やかに開示いたします。
当社取締役会は、株主意思確認手続きを行なう旨を決定後、株主意思確認手続きを株主意思確認総会または書面投票のいずれによって行なうのかを決定したうえで、株主意思確認手続きにおいて投票権を行使できる株主を確定するための基準日(以下、「投票基準日」)を定め、投票基準日の2週間前までに公告を行ないます。そして、取締役会評価期間終了後、実務上必要とされる日数を勘案したうえで可能な限り速やかに株主意思確認手続きを実施します。なお、株主意思確認総会は、定時株主総会または臨時株主総会とあわせて開催することができるものとします。
株主意思確認総会または書面投票において投票権を行使することのできる株主は、当社取締役会が定めた投票基準日の最終の株主名簿に記載または記録された株主とし、各株主は、株式に係る議決権1個につき投票権1個を有するものとします。株主意思確認手続きにおける対抗措置の発動または不発動についての決定は、株主意思確認総会においては出席した投票権を有する株主の投票権の過半数、書面投票においては投票権を行使した株主の投票権の過半数を以て決するものとします。
株主意思確認手続きにおいて対抗措置の発動または不発動について決定がなされた場合、当社取締役会は当該決定に従うものとします。当社は、株主意思確認手続きの結果につきましては、判明し次第速やかに開示いたします。
なお、株主意思確認手続きを実施する場合、大規模買付者は、当社取締役会が株主意思確認手続きにおける決定に基づき対抗措置の発動または不発動について決議を行なうまでは、大規模買付行為を開始することはできないものといたします。
③ 取締役会の判断による対抗措置の発動
当社取締役会は、大規模買付行為が以下のaからdまでに掲げる行為により当社の企業価値および株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような買収行為に該当する場合であって対抗措置の発動が相当であると判断したときは、上記②に記載される株主意思確認手続きを経ずに、4.4)(1)で述べた大規模買付行為を抑止するための措置をとることがあります。当社取締役会は、かかる判断に際して、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、特別委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。かかる対抗措置をとることを決定した場合には、速やかに開示を行ないます。
a. 株式を買い占め、その株式について会社側に対して高値で買取りを要求する行為
b. 会社を一時的に支配して、会社の重要な資産等を廉価に取得する等会社の犠牲の下に買収者の利益を実現する経営を行なうような行為
c. 会社の資産を買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
d. 会社経営を一時的に支配して会社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為
(3)対抗措置発動の停止または変更
当社取締役会は、対抗措置を発動することを決定した後、当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回または変更を行なった場合等、対抗措置の発動が適切でないと判断した場合には、特別委員会の勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置発動の停止または変更を行なうことがあります。
このような対抗措置発動の停止または変更を行なう場合は、特別委員会が必要と認める事項とともに速やかに開示を行ないます。
(4)特別委員会の設置
本方針において、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否か、および対抗措置をとるか否かの判断にあたっては、その透明性、客観性、公正性および合理性を担保するため、当社は、取締役会から独立した組織として、特別委員会を設置いたします。特別委員会の委員は3名とし、社外取締役、社外監査役、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者を対象として選任するものといたします。
取締役会は、対抗措置発動の是非を決定するときは、特別委員会に対し諮問し、特別委員会の勧告を受けるものといたします。特別委員会は、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む。)の助言を得たり、当社の取締役、監査役、従業員等に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めたりしながら、取締役会から諮問を受けた事項について審議・決議し、その決議の内容に基づいて、当社取締役会に対し勧告を行ないます。取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断にあたっては、特別委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。なお、特別委員会は、必要に応じて取締役会への勧告内容を開示するものといたします。
本総会において、本方針について株主の皆様のご承認が得られた場合は、本方針の有効期限は、本総会の日から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までとし、以後も同様といたします。
なお、当社取締役会は、本方針を継続することを決定した場合、その旨を速やかにお知らせします。また、当社取締役会は、企業価値および株主共同の利益保護の観点から、会社法および金融商品取引法を含めた関係法令の整備・改正等を踏まえ、本方針を随時見直していく所存です。
本方針はその有効期間中であっても、当社株主総会において本方針を廃止する旨の決議が行なわれた場合または当社取締役会により本方針を廃止する旨の決議が行なわれた場合は、その時点で廃止されるものといたします。また、当社取締役会は、本方針の有効期間中であっても、本方針に関する法令、金融商品取引所の規程・規則等の新設もしくは改廃が行なわれ、かかる新設もしくは改廃を反映することが適切である場合、または誤字脱字等の理由により字句の修正を行なうことが適切である場合には、特別委員会の勧告を最大限尊重して本方針を修正する場合があります。なお、当社の取締役の任期は1年とされているため、本方針の廃止または修正は、毎年の株主総会において株主の皆様により選任された取締役によって構成される取締役会において決せられることになります。
対抗措置の発動によって、当社株主の皆様(大規模買付者を除きます。)が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、速やかに開示を行ないます。対抗措置として新株予約権を発行する場合に、当社株主の皆様がとる必要のある手続きとして、新株予約権の取得のためには、別途取締役会が決定し公告する新株予約権の基準日における最終の株主名簿に記録される必要があるほか、その発行方法によっては、所定の期間内に申込みをしていただく必要もあります。また、新株予約権を行使して株式を取得するためには所定の期間内に一定の金額の払込みを完了していただく必要があります。これらの手続きの詳細につきましては、実際に新株予約権を発行することとなった際に、法令および金融商品取引所規則に基づき別途お知らせいたします。
なお、当社は、新株予約権の割当ての基準日や新株予約権の割当ての効力発生後においても、例えば、大規模買付者が大規模買付行為を撤回した等の事情により、新株予約権の行使期間開始日の前日までに、新株予約権の割当てを中止し、または当社が新株予約権者に当社株式を交付することなく無償にて新株予約権を取得することがあります。これらの場合には、1株当たりの価値の希釈化は生じませんので、1株当たりの株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売付等を行なった投資家の皆様は、株価の変動により相応の損害を被る可能性があります。
注1:特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)およびその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、または(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行なわれるものを含みます。)を行なう者およびその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。
注2:議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、または(ⅱ)特定株主グループが、注1の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の買付け等を行なう者およびその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。議決権割合の算出にあたっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)および発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書および自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものといたします。
(別紙1)
特別委員会規程の概要
・特別委員会は、当社取締役会の決議により設置される。
・特別委員会の委員は3名とし、当社の業務執行を行なう経営陣から独立し、当社の社外取締役または社外監査役、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、またはこれらに準ずる者の中から、取締役会の決議により選任される。その職務を行なうに際しては、善良なる管理者の注意義務を負う。
・特別委員会の委員の任期は、取締役会の決議により定める。
・特別委員会は、取締役会の諮問がある場合には、これに応じ、原則として以下の各号に記載された事項について決定し、その決定の内容をその理由を付して取締役会に勧告する。なお、特別委員会の委員は、当該決定にあたっては、当社の企業価値および株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行なうことを要し、自らまたは当社取締役の個人的利益を図ることを目的としては行なわない。
1. 本方針の対象となる大規模買付行為の認定
2. 本方針に基づく新株予約権の発行(無償割当を含む)または不発行
3. 本方針に基づくその他の対抗措置の発動または不発動
4. 本方針の見直し・廃止
5. その他本方針に関連し、当社取締役会が特別委員会に諮問した事項
・特別委員会は、各特別委員会委員および代表取締役社長が招集する。
・特別委員会の決議は、原則として特別利害関係者を除く特別委員会の全委員が出席し、その過半数をもって行なう。但し、特別委員会の全員が出席できない場合には、特別委員会の委員の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行なうことができる。
・特別委員会は、適切な判断を確保するために、決議を行なうに際して必要かつ十分な情報収集に努めるものとし、当社の費用で、当社経営陣から独立した第三者(財務アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含む)の助言を得たり、当社の取締役、監査役、従業員等に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求めたりすることができる。
・特別委員会は、必要に応じて取締役会への勧告内容を開示する。
(別紙2)
特別委員会委員の氏名および略歴
本年6月5日現在の特別委員会の委員は、当社社外取締役の𠮷田政雄氏および家守伸正氏ならびに当社社外監査役の佐長功氏の3名です。𠮷田政雄氏および家守伸正氏の略歴につきましては、第2号議案をご覧ください。また、佐長功氏の略歴は、次のとおりです。いずれの委員も、株式会社東京証券取引所等が定める独立役員の要件および当社が定める「社外役員独立性基準」を満たしております。
佐長 功(さいきいさお)
〔略歴〕
1961年 8月11日生まれ
1989年 4月
弁護士登録
1989年 4月
銀座法律事務所(現 阿部・井窪・片山法律事務所)入所
1998年 1月
阿部・井窪・片山法律事務所パートナー(現任)
2014年 4月
当社監査役
2014年 6月
同上退任
2017年 6月
当社監査役(現任)
〔重要な兼職の状況〕
阿部・井窪・片山法律事務所パートナー弁護士
(別紙3)
ジェイ エフ イー ホールディングス株式会社新株予約権の要項
Ⅰ.新株予約権無償割当てに関する事項の決定
(1)新株予約権の内容および数
株主に割り当てる新株予約権(以下、個別にまたは総称して「新株予約権」という。)の内容は下記Ⅱ.記載の事項を含むものとし、新株予約権の数は、新株予約権無償割当てに関する取締役会決議(以下「新株予約権無償割当て決議」という。)において当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式の数を上限として、新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定める数とする。取締役会は、割当総数がこの上限を超えない範囲で、複数回にわたり新株予約権の割当てを行なうことがある。
(2)割当対象株主
新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定める一定の日における当社の最終の株主名簿に記録された当社以外の株主に対し、その有する当社株式1株につき新株予約権1個の割合で、新株予約権を割り当てる。
(3)新株予約権無償割当ての効力発生日
新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定める日とする。
Ⅱ.新株予約権の内容
(1)新株予約権の目的である株式の種類および数
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の総数は、新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が基準日として定める日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式数を上限とする。新株予約権1個の目的である株式の数(以下「対象株式数」という。)は、新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定める数とする。但し、新株予約権発行後、当社が株式分割または株式併合を行なう場合は、対象株式数に次に定める算式により調整し、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
調整後対象株式数=調整前対象株式数×株式分割または株式併合の比率
(2)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
1)新株予約権の行使に際してする出資の目的は金銭とし、その価額は、行使価額(下記2)に定義される。)に対象株式数を乗じた価額とする。
2)新株予約権の行使に際して出資される財産の当社株式1株当たりの価額(以下「行使価額」という。)は、1円以上で新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定める金額とする。
(3)新株予約権の行使期間
新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定めた日を初日(以下、かかる行使期間の初日を「行使期間開始日」という。)とし、1ヶ月間から3ヶ月間までの範囲で、新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定める期間とする。但し、行使期間の最終日が行使に際して払い込まれる金銭の払込取扱場所の休業日にあたるときは、その前営業日を最終日とする。
(4)新株予約権の行使の条件
1)特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株式の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為を行なう者のうち、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除いた者(以下「大規模買付者」という。)およびその関連者(以下、大規模買付者およびその関連者を併せて「非適格者」という。)は、新株予約権を行使することができない。
なお、上記に用いられる用語は次のとおり定義される。
①特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいう。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含む。)およびその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含む。)、または(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいう。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行なわれるものを含む。)を行なう者およびその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいう。)をいう。
②議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、①の(ⅰ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいう。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいう。)も計算上考慮されるものとする。)、または(ⅱ)特定株主グループが、①の(ⅱ)の記載に該当する場合は、当社の株券等の買付け等を行なう者およびその特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいう。)の合計をいう。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいう。)および発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいう。)は、有価証券報告書、四半期報告書および自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとする。
③ある者の「関連者」とは、実質的にその者を支配し、その者に支配されもしくはその者と共同の支配下にある者として当社取締役会が認めた者、またはその者と協調して行動する者として当社取締役会が認めた者をいう。
2)上記1)にかかわらず、下記①ないし④の各号に記載される者は、大規模買付者に該当しないものとする。
①当社、当社の子会社(財務諸表等の用語、様式および作成方法に関する規則第8条第3項に定義される。)または当社の関連会社(同規則第8条第5項に定義される。)
②当社を支配する意図がなく上記1)に記載する要件に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者であって、かつ、上記1)に記載する要件に該当することになった後10日間(但し、当社取締役会はかかる期間を延長することができる。)以内にその保有する当社の株券等を処分等することにより上記1)に記載する要件に該当しなくなったと当社取締役会が認めた者
③当社による自己株式の取得その他の理由により、自己の意思によることなく、上記1)①(ⅰ)に記載する要件に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者(但し、その後、自己の意思により当社の株券等を新たに取得した場合を除く。)
④その者が当社の株券等を取得・保有することが当社の企業価値および株主共同の利益に反しないと当社取締役会が認めた者(非適格者に該当する旨当社取締役会が一旦認めたものの、後日当社の企業価値および株主共同の利益に反しないと当社取締役会が認めた者を含み、また、一定の条件の下に当社の企業価値および株主共同の利益に反しないと当社取締役会が認めた場合には、当該条件が満たされている場合に限る。)
3)適用ある外国の法令上、当該法令の管轄地域に所在する者に新株予約権を行使させるに際し、(ⅰ)所定の手続の履行もしくは(ⅱ)所定の条件(一定期間の行使禁止、所定の書類の提出等を含む。)の充足、または(ⅲ)その双方(以下「準拠法行使手続・条件」と総称する。)が必要とされる場合には、当該管轄地域に所在する者は、当該準拠法行使手続・条件が全て履行または充足されたと当社取締役会が認めた場合に限り新株予約権を行使することができ、これが充足されたと当社取締役会が認めない場合には新株予約権を行使することができないものとする。但し、当該管轄地域に所在する者に新株予約権を行使させるに際し当社が履行または充足することが必要とされる準拠法行使手続・条件については、当社取締役会としてこれを履行または充足する義務は負わないものとする。また、当該管轄地域に所在する者に新株予約権の行使をさせることが当該法令上認められない場合には、当該管轄地域に所在する者は、新株予約権を行使することができない。
4)上記3)にかかわらず、米国に所在する者は、当社に対し、(ⅰ)自らが米国1933年証券法ルール501(a)に定義する適格投資家(accredited investor)であることを表明、保証し、かつ(ⅱ)その有する新株予約権の行使の結果取得する当社株式の転売は東京証券取引所または名古屋証券取引所における普通取引(但し、事前の取決めに基づかず、かつ事前の勧誘を行なわないものとする。)によってのみこれを行なうことを誓約した場合に限り、当該新株予約権を行使することができる。当社は、かかる場合に限り、当該米国に所在する者が当該新株予約権を行使するために当社が履行または充足することが必要とされる米国1933年証券法レギュレーションDおよび米国州法に係る準拠法行使手続・条件を履行または充足するものとする。なお、米国における法令の変更等の理由により、米国に所在する者が上記(ⅰ)および(ⅱ)を充足しても米国証券法上適法に新株予約権の行使を認めることができないと当社取締役会が認める場合には、米国に所在する者は、新株予約権を行使することができない。
5)新株予約権者は、当社に対し、非適格者に該当せず、かつ、非適格者に該当する者のために行使しようとしている者ではないこと、および新株予約権の行使条件を充足していること等の表明・保証条項、補償条項その他当社が定める事項を誓約する書面並びに法令等により必要とされる書面を提出した場合に限り、新株予約権を行使することができるものとする。
6)新株予約権を有する者が本(4)項の規定に従い新株予約権を行使することができない場合であっても、当社は、当該新株予約権を有する者に対して、損害賠償責任その他の責任を一切負わないものとする。
(5)新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金および資本準備金
新株予約権の行使により当社株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条に従い算出される資本金等増加限度額全額とし、資本準備金は増加しないものとする。
(6)新株予約権の譲渡制限
1)新株予約権の譲渡による取得については、当社取締役会の承認を要する。
2)新株予約権を譲渡しようとする者が日本国外に所在する者であって、上記(4)項3)および4)の規定により新株予約権を行使することができない者(非適格者を除く。)であるときは、当社取締役会は、以下の事由等を勘案して上記承認をするか否かを決定する。
①当該管轄地域に所在する者による新株予約権の全部または一部の譲渡による取得に関し、譲渡人および譲受人が作成し署名または記名捺印した差入書(下記②ないし④に関する表明・保証条項、補償条項その他当社が定める誓約事項を含む。)が提出されているか否か
②譲渡人および譲受人が非適格者に該当しないことが明らかか否か
③譲受人が当該管轄地域に所在せず、当該管轄地域に所在する者のために譲受しようとしている者ではないことが明らかか否か
④譲受人が非適格者のために譲受しようとしている者でないことが明らかか否か
(7)当社による新株予約権の取得
1)当社は、行使期間開始日の前日までの間いつでも、当社が新株予約権を取得することが適切であると当社取締役会が認める場合には、当社取締役会が別途定める日の到来日をもって、全ての新株予約権を無償で取得することができる。
2)当社は、当社取締役会が別途定める日の到来日をもって、非適格者および取得がなされる日までに当社所定の書式による書面(非適格者に該当せず、かつ、交付される株式を非適格者に該当する者のために保有しようとしている者ではないこと等の表明・保証条項、補償条項その他当社が定める事項の誓約を含む。)を提出しない者(但し、当社がかかる書面の提出を求めなかった者を除く。)以外の者が有する新株予約権のうち当該当社取締役会の定める日の前日までに未行使のもの全てを取得し(その一部の取得は認められない。)、これと引換えに、新株予約権1個につき対象株式数の当社株式を交付することができる。また、かかる取得がなされた日以降に、新株予約権を有する者のうち非適格者以外の者が存在すると当社取締役会が認める場合(但し、かかる取締役会の認定にあたり、当社は、本2)前段に定める当社所定の書式による書面の提出を求めることができる。)には、上記の取得がなされた日より後の当社取締役会が定める日の到来日をもって、当該者の有する新株予約権のうち当社取締役会の定める日の前日までに未行使のもの全てを取得し、これと引換えに、新株予約権1個につき対象株式数の当社株式を交付することができるものとし、その後も同様とする。
(8)合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換、および株式移転の場合の新株予約権の交付
新株予約権無償割当て決議において当社取締役会が別途定める。
(9)新株予約権証券の発行
新株予約権に係る新株予約権証券を発行しない。
(10)新株予約権の行使請求受付場所
新株予約権無償割当て決議を行なう当社取締役会において決定される行使請求受付場所
(11)新株予約権の行使に際して払込みをなすべき払込取扱金融機関
新株予約権無償割当て決議を行なう当社取締役会において決定される払込取扱金融機関
(12)新株予約権者に対する通知等
1)新株予約権者に対する通知は、新株予約権原簿に記載された新株予約権者の住所宛に書面により行なうものとし、かかる通知は通常到達すべかりし時に到達したものとみなす。
2)承諾については、新株予約権者に、その承諾を求める通知が到達したとみなされた日から14日以内に、新株予約権者により書面にて当社に対して別段の意思表示がなされない場合には、当社は新株予約権者がこれに承諾したものとみなすことができる。
(13)法令の改正等による修正
上記で引用する法令の規定は、2019年6月5日現在施行されている規定を前提としているものであり、同日以後、法令の新設または改廃により、上記各項に定める条項ないし用語の意義等に修正を加える必要が生じた場合には、当社取締役会において、当該新設または改廃の趣旨を考慮の上、上記各項に定める条項ないし用語の意義等を適宜合理的な範囲内で読み替えることができるものとする。
(ご参考)
「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針」のフローチャート
上記フローチャートは、あくまで本方針の内容を分かりやすく説明するためのご参考資料として作成したものであり、本方針の詳細については、「4.本方針の内容」をご参照下さい。