当社グループの当期業績につきましては、主力製品である鋼材・鍛造品の需要が減少し、売上高は前期と比較して150億円(5.9%)減の2,422億円となりました。売上高の内訳は、鋼カンパニーで1,218億円、鍛カンパニーで1,020億円、スマートカンパニーで148億円、その他で34億円となっております。
利益につきましては、販売数量の減少や減価償却費の増加などの減益要因があったものの、鉄スクラップ価格の下落や全社を挙げた収益改善活動の効果などにより、営業利益は前期比27億8千2百万円(25.0%)増の139億1百万円となりました。また、経常利益は前期比24億5千2百万円(21.7%)増の137億7千6百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20億4千万円(31.4%)増の85億4千3百万円となりました。
特殊鋼の販売数量の減少により、当期の売上高は、前期と比較して、82億8千1百万円(6.4%)減少し、1,218億9千9百万円となりました。
〔主な取組み〕
① 知多工場における現有設備の生産能力最大化、ライン別生産品目の見直し、出荷体制の整備、構内物流の整流化などに努めてきた結果、特殊鋼の約8割を生産する第2棒鋼圧延工場では、昨年3月に単一棒鋼生産ラインとしては同業他社でも類を見ない、月間生産高10万トンの新記録(従来の最高は9万3千トン)を達成し、昨年11月には製鋼工場における粗鋼生産高累計が5,000万トンに到達いたしました。
② HV・EVなどの電動車向け戦略投資の一環として、昨年9月には特殊鋼鋼材向けの新熱処理炉(連続焼なまし炉)を知多工場内に設置いたしました。CO2排出低減、搬送装置自動化による作業効率アップを図るとともに、生産能力を従来比で50%向上させており、需要拡大を見据えたモノづくり基盤強化でお客様ニーズに貢献してまいります。
鍛造品の販売数量の減少により、当期の売上高は、前期と比較して、71億9千9百万円(6.6%)減少し、1,020億1千8百万円となりました。
〔主な取組み〕
① 主に中国の景気減速による影響で、鍛造品の需要が減少するなか、当期は限量経営の実践・強化を掲げ、抜本的な原価低減活動に取り組みました。特に、品質を基軸とした活動に重点を置き、検査データの有効活用と不良発生のメカニズム解析により、品質ロス(不良率)低減において着実な成果を収めました。
② 本年1月には、Home&Away(「やりきる」と「任せる」)の視点で、鍛造品の機械加工事業について子会社との協業体制を見直しいたしました。今後もグループ内外で、既存のフレームワークを超えた協力体制の構築を進め、より一層効率的かつ付加価値を高めた事業展開を実現してまいります。
電子部品の売上の増加により、当期の売上高は、前期と比較して、2億3千8百万円(1.6%)増加し、148億6千5百万円となりました。
〔主な取組み〕
① 磁石事業において、当社独自のDy(ジスプロシウム)フリーボンド磁石「マグファイン」を用いたドローン用モータを澤藤電機株式会社とともに共同開発いたしました。従来比3割のモータ軽量化により、積載量アップや飛行時間延長に寄与でき、物流・農業分野などで拡大が予想されるドローンの性能向上に貢献してまいります。
② 電子部品事業では、HV・EVなどの電動車に不可欠なインバータ用放熱部品「パワーカード用リードフレーム」の需要拡大に対応するため、本年4月、岐阜工場内に第2生産ラインを建設いたしました。
今回は、2018年11月のライン設置に続く短期間での増設であり、伸び続ける需要に今後も着実に応えてまいります。