事業報告

対処すべき課題

 今後の経済環境は、米国の政策、中国経済の下振れ、地政学的なリスクなど懸念はあるものの、米国、欧州、日本など先進国において雇用情勢の改善、個人消費が拡大し、景気は底堅く推移していくものと思われます。

 当社グループの事業環境は、新興諸国の製造業における自動化、省力化の投資に加え、先進国でも人手不足の懸念や生産性向上の観点から、産業用ロボット、人と協働するロボットの需要が増加すると見込んでおります。また、人工知能の開発や通信技術の高度化により半導体の需要が拡大しており、半導体製造装置向けの需要も高い水準で推移するものと予測していることから、良好な環境が継続するものと見込んでおります。

 このような見通しのもと2017年度の連結経営成績は、売上高は495億円(前期比64.6%増)、営業利益は120億円(前期比53.6 %増)、経常利益は120億円(前期比50.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は73億円(前期比63.0%減)と前期に引き続き増収増益を見込んでおります。

 また、当社グループは、技術・技能集団であるという自己認識のもと、技術開発型の製造業としての原点に立ち返り、価値ある製品とサービスの提供により業界において存在感を高め、現行の中期経営計画(2015年度~2017 年度)の達成を目指してまいります。

■経営理念

  • 個人の尊重
  • 存在意義のある企業
  • 共存共栄
  • 社会への貢献

■当社グループの事業領域と使命

  • 「トータル・モーション・コントロール」の提供

■長期ビジョン(2020年度)

(ありたい姿)
価値ある製品とサービスの提供によって、モーション・コントロール業界において唯一無二の存在であり続ける
(目指すポジション)
  • 独創的な技術で信頼されるアクチュエーターメーカー
  • 精密減速装置分野のリーディングカンパニー

■中期経営計画(2015年度~2017年度)

(基本方針と戦略)
①主要3製品の競争力と事業基盤の強化

【メカトロニクス製品】

課題解決力向上によるニッチトップの地位確立

  • サービス・販売体制の強化
  • コア技術の強化による新製品の積極投入

【精密遊星減速装置】

事業体制の強化による海外市場の攻略

  • 海外市場における販売体制の強化
  • 研究開発体制の拡充

【波動歯車装置】

競争優位の向上と圧倒的なポジションの確立

  • ロボット用途のさらなる深耕と新規用途の開拓
  • 多様なニーズを満たす新製品の開発と市場投入

②アジア市場における積極的拡販

地域密着体制の整備とブランドの強化・浸透

③QCDSのあくなき追求による顧客志向型組織の高度化

市場要求を満たす組織能力の引き上げ

④持続的な成長を可能とする人材の育成

国際人材、マネジメント人材の育成