経営成績に関する分析

 当期における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響について、国内における行動制限や海外からの入国制限の緩和など徐々に社会・経済活動の正常化に向けた動きがみられたものの、円安や資源・エネルギー価格の高騰による輸送費や原材料価格の上昇など、依然として厳しい状況が続きました。
 世界経済におきましても、資源・エネルギー価格の高騰などによる欧米を中心としたインフレの進行とそれを抑制するための政策金利引き上げ、ウクライナ情勢の長期化、急激な為替変動など先行きが不透明な状況が継続しています。
 こうした経済情勢下、当社グループは当期が最終年度となる第2次中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2023)に基づき、コスト構造改革による収益の改善と積極投資による事業成長の促進に努めました。
 なお、当期に実施した主な取り組みは、以下のとおりです。

【コスト構造改革】

  • ・有機ELディスプレイのコスト競争力を強化するため、台湾企業と事業提携を締結
  • ・ドイツ子会社の事業を休止し、欧州市場の情報収集・広告宣伝・販売代理店の支援を目的に欧州駐在員事務所を設立
  • ・円安や資源・エネルギー価格の高騰による輸送費や原材料価格の上昇に対応するため、適正売価政策を推進


【事業成長の促進】

  • ・新製品であるリチウムイオンキャパシタ・リチウムイオン電池用「タブリード」の量産を開始
  • ・産業用ドローン関連製品について、専用ウェブサイトの開設や実証実験の推進、防災分野への積極的な展開
  • ・ホビー用ラジコン製品では、空用プロポや920MHz帯RFモジュール「TM-18」などの新製品を上市
  • ・生産器材事業では、金型内計測システムの専用ウェブサイト開設やウェビナーの活用によりデジタルコンテンツを拡充
  • ・「未来創生3号ファンド」に出資し、投資を通じた異業種との交流により新たな事業の創出を推進


 以上の結果、当期における売上高は603億2千6百万円(前期比12.9%増)となりました。このうち海外売上高は347億6千7百万円(前期比16.1%増)となり、国内売上高は255億5千8百万円(前期比8.7%増)となりました。
 収益面では、営業損失は23億8千7百万円(前期は営業損失18億6千3百万円)となりました。また、経常損失は11億3千4百万円(前期は経常損失6億5千4百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失を計上したことにより34億9千9百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失26億6千8百万円)となりました。

 当期の連結業績の事業区分別状況は、次のとおりです。


〔電子デバイス関連〕
(主な製品:タッチセンサー、有機ELディスプレイ、蛍光表示管、複合モジュール、産業用ラジコン機器、ホビー用ラジコン機器等)
 タッチセンサーでは、顧客における半導体をはじめとした部材の調達難が一部で解消したことで、海外での車載用途が順調に推移し、円安の影響も受けたことから売上げは前期を上回りました。
 有機ELディスプレイでは、構成比率の高い海外での映像用途が好調に推移し、円安の影響も受けたことから、売上げは前期を上回りました。
 複合モジュールでは、半導体の調達難が一部で解消したことで、国内での計測器用途や娯楽用途、EMSの車載用途や事務機用途が順調に推移し、円安の影響も受けたことから、売上げは前期を上回りました。
 産業用ラジコン機器では、トラッククレーン向けは低調に推移しましたが、FA向けが好調であったことから、売上げは前期を上回りました。
 ホビー用ラジコン機器は、新製品の販売などにより、国内、欧州ともに堅調に推移し、円安の影響も受けたことから、売上げは前期を上回りました。
 営業損失は、売上げの増加による操業度の良化に加えて、拠点集約によるコスト削減効果が出たものの、半導体等の部材調達難を回避するために原材料を先行手配したことにより棚卸資産が増加したことから在庫関連損益が悪化しました。また、海外製造拠点においてエネルギーコスト高騰の影響も受けたことから、前期並みとなりました。

〔生産器材〕
(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器)
 国内では、市場の回復に遅れがみられ、成形・生産合理化機器が低調に推移したものの、引き続き適正売価政策を推し進めたことから、売上げは前期並みとなりました。
 海外では、主力の韓国において、携帯電話向けが低迷したものの、自動車関連での需要に回復がみられたほか、円安の影響も受けたことから、売上げは前期を上回りました。
 営業利益は、鋼材価格の上昇に対し適正売価政策の推進や円安の影響も受けたことにより売上げは増加したものの、度重なる鋼材価格の上昇に対して販売価格への転嫁が一部遅れたこと、また、国内外製造拠点においてエネルギーコスト高騰の影響も受けたことから、前期に比べて減益となりました。


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2023/06/29 12:00:00 +0900
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