第3号議案
取締役選任の件〔株主からのご提案〕

【提案の内容】
 当社執行役の「田島利充」氏について、当社のシステム統括の取締役として選任することを提案する。

【提案の理由】
 この提案の背景は以下2点から提案するものである。
①市況の変化に対し、経営判断の遅れが見られる。高島氏・鬼頭氏の両輪による経営判断体制には限界があり、経営機能を再整備すべきではないか。
②高島氏の負担を減らし、人材育成や事業基盤づくりで、高島氏の力を発揮いただきたい。
 まず当社では、報酬委員会で取締役の報酬を決定される。昨年度の有価証券報告書によれば、提出会社・非提出会社から、高島氏には合計217百万円、鬼頭氏には206百万円に支払われた。なお、高島氏に対しては、提出会社から、定額報酬は69百万円、業績賞与は67百万円である。IRによれば、その定額報酬69百万円の内訳は、
-1. 子会社全体のシステムを統括する当社の統括責任者として、システムリソース、開発、運用及び保守等の案件の最適化
-2. 経営方針の策定と執行は鬼頭氏がおおよそ担っているが、その鬼頭氏へのアドバイス(なお、重要な決定をする際には、鬼頭氏と高島氏とが十分な議論を経て決定する)への対価とのことである。このうち、高島氏の負担を減らすために、当社システム担当の田島氏に、この「-1.システム統括」をお願いしたい。

●高島氏に再登板をお願いしたい理由(→①)
 2018年度の第2四半期決算説明会において、鬼頭氏は株式手数料の値上げの理由を述べている。その発言を要約すれば、「株式の信用取引の大口プラン見直しにより売買代金が減少するのは想定内」「2017年までの利益率だと、ここの取引が3倍とか4倍になってもあまり利益が増えないという状況が続いていた」である。実際、値上げは、その時点では正しい選択だったように思う。
 だが、2019年以降、市況が大きく悪化し、競合他社は手数料引き下げに動くなか、当社はいつまでも上記の判断を引きずり、なかなか「値上げ後の値下げ」にすぐ踏み込めなかった。このことは、事業経営では致命的である。
 これが高島氏・鬼頭氏の協議体制による弊害か、経営管理対象を広げすぎた鬼頭氏のパワー不足によるものかは不明だ。鬼頭氏の実績と能力は十分あり、当社の中核であるGMOクリック証券のオペレーションに集中すべきである。「凡なる一将は、非凡なる二将に優る」という歴史的な格言もある。意思決定の「早さ」と「質の向上」の両立を目指す体制に組み直してほしい。
●さいごに
 株価は「実績」と「将来の期待値」から構成される。当社の株価は、2014年に上場来高値1400円をつけたあと、600円(12/20終値)とずっと低迷している。上場以来、キレイな右肩下がりだ。株価がすべてとは言わないが、"上場"企業の経営者としては、通信簿は「落第点」という市場の評価は真摯に受け止めるべきであろう。
もちろん株価低迷の半分以上の原因は「GMO」と社名についているからだ。年金を預かるような至極真っ当な機関投資家はGMOグループに投資しないし、個人投資家も投資歴が長いほど、GMOがもたらす投資リスクや経営の暴走の歴史を承知しているから、投機はやれど投資はするわけがない。
 価格破壊を目指したGMOインターネット証券、それがFX〜総合金融へと第二の創業を終えた今、そろそろ「第三の創業」というべき時期に来たのではないだろうか?かつてSBIがソフトバンクから離れ独自路線で拡大したように、「GMOを卒業する」という選択も含め、創業の志やビジョンの実現のために、最善を検討いただきたい。
(会社注 提案の内容及び提案の理由は、表記、表現、事実認識等原文のまま記載しております。)

○指名委員会及び取締役会の意見:本議案に反対いたします。

 当社指名委員会は、株主提案に係る取締役候補者については、取締役候補者(会社提案)に含めないことと致しました。かかる当社指名委員会の決定を受け、当社取締役会で審議した結果、当社取締役会は、指名委員会の決定を支持することを決議致しました。
 指名委員会等設置会社における取締役は業務執行を行う役割はないため、本株主提案は当社の会社形態に適さないものであります。なお、田島利充氏は、当社の執行役であり、同じく執行役である高島秀行氏とともに当社システム統括部を含むシステム関連部門を管掌、担当するなど、執行役の業務分掌については、取締役会にて十分に検討の上決定しております。また、田島利充氏は社外取締役でない取締役候補者となります。会社提案の取締役候補者は9名であり、そのうち3分の1に当たる3名が社外取締役となっており、一定の社外取締役比率を確保しておりますが、社内の執行役兼務の取締役を登用し、その比率を下げることはコーポレートガバナンスの観点からも好ましくないものと考えております。以上の理由により、当社指名委員会及び取締役会は、本株主提案に反対いたします。

2020/03/30 18:00:00 +0900
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