対処すべき課題

(1)組織力の強化
 GMO-FHは、金融システムを自ら開発できる高い技術力を武器に、常に最先端のテクノロジーを研究し、最適なテクノロジーを組み合わせることで成長を遂げてまいりました。さらなる成長のためには、最大の強みである技術力を研ぎ澄ますとともに、その技術力を社会に還元する手法を生み出せる、柔軟な思考力を持つ人財の確保・育成が必要であると考えています。個性と多様性、徹底的な議論を大切にすることで、既存の枠組みに囚われない自由な発想やアイデアが生み出されるクリエイティブな組織風土を醸成し、お客様にとって本当に価値のある便利なサービスをスピーディーに、そしてリーズナブルに提供できる組織を目指します。

(2)店頭デリバティブ商品のさらなる強化
 GMO-FHは、個人向けFX取引において国内トップの取引高と預り証拠金残高を誇り、業界のリーディング・カンパニーとして確固たる地位を築いていますが、国内マーケットの成長が鈍化する中でスプレッド競争が再燃するなど、外部環境は厳しさを増しています。このような環境下においても持続的に成長していくために、GMO-FHは、取引高に依存せずに安定的な収益が得られる高い収益率の実現に向けた取り組みを進めています。ビッグデータ解析を活用することで為替リスクのヘッジを最適化・多様化し、スプレッド収益率の引き上げを図るとともに、法人向けFX取引への本格参入を進めることで、店頭FXのさらなる収益力向上に努めます。また、店頭FXに次ぐ新たな収益の柱として、CFDの育成を進めています。積極的なプロモーション展開の成果により商品認知度が向上し、口座数・預り証拠金残高が堅調に推移しています。今後も、マーケティングへの投資を強化し、より一層の市場・顧客基盤の拡大を目指します。

(3)証券事業における収益の確保
 証券事業は、既存の証券各社が激しい競争を繰り広げる市場でありながら、フィンテック企業の新規参入が相次ぎ、加えて売買手数料無料化の波が押し寄せたことで、これまでにない非常に厳しい環境におかれています。GMO-FHの事業規模においては、手数料無料化が収益に与えるインパクトは大きくありませんが、現時点で無料化した場合、株式委託手数料分の単純な減益となり、さらに取引量が増加すると証券事業のマイナス幅が拡大し、全体の利益を圧迫することになります。手数料無料化に向け、株式取引だけでなく店頭FXやCFD等、他の商品もあわせてお取引していただけるようなマーケティングプランを構築するとともに徹底的なコスト削減を進め、収益を確保できる事業構造の構築に努めます。

(4)仮想通貨事業
 仮想通貨事業においては、お客様の資産を安全に保全できる堅牢なセキュリティ体制の確立が必要であると認識しています。GMO-FHは、これまでの金融事業で培ってきた高い技術力を生かし、仮想通貨の保管態勢を改善するとともに、金融犯罪の発生等の防止やマネー・ローンダリング、テロ資金供与対策等の高度化に継続して取り組んでおります。2020年は、仮想通貨に対する改正資金決済法や金融商品取引法が施行されるため、証拠金取引のレバレッジ規制強化など、規制の厳格化が想定されます。GMO-FHは、法令に則ったサービスの提供にとどまらず、サービス開始当初から最優先事項としている安心・安全な取引環境を提供するとともに、商品・サービスの拡充を図り、国内シェアの拡大に努めます。

(5)新規事業の開発、海外事業展開の加速
 GMO-FHは、少子高齢化・人口構成の変化、市場の成熟化の影響を踏まえ、長期的には国内の既存事業の成長余地は限られていると考えています。GMO-FHは、中長期的な企業価値の向上と持続的な成長の実現に向け、新規事業の開発と海外事業展開の加速に努めます。新規事業については、強みであるシステム開発力を生かして、社会的ニーズが高く、今後成長が見込まれる新しい事業領域での取り組みを積極的に進めていきます。また、海外事業については、現在、香港・英国を拠点にした店頭FXやCFDなどの店頭デリバティブ取引サービスの提供に加えて、タイ王国でインターネット証券取引サービスを提供していますが、新たな地域への進出も検討していきます。国内事業で培った技術・ノウハウをフルに活用し、世界各国のお客様のニーズに応じたサービスを提供するとともにマーケティングを強化することで、事業規模の拡大と収益力の向上を図ります。

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2020/03/30 18:00:00 +0900
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