①事業の経過及びその成果
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動制限の緩和が進み、景気回復の動きがみられましたが、一方で、中東地域を含めた地政学リスクの高まりによる不安定な世界情勢やエネルギー価格の高騰、インフレ加速に対する各国の金融引締め政策といった景気減速のリスクは依然として残されています。
こうした中、わが国経済は、海外からの入国者増加や政府による賃上げ方針といった景気循環の下地があるものの、円安基調による物価高の長期化が需要抑制要因となって個人消費は足踏み状態であり、構造的な人手不足問題や中国経済の減速等により、不確実性が高まる中で先行きの見通しづらい経営環境が続いています。
当社グループの事業に関する市場におきましては、自動車関連で需要の持ち直しがみられたものの、建設機械関連では中国市場を中心に需要が大きく減速したことや二輪需要の変動、米国や中米・欧州での生産性の悪化等により、当連結会計年度は前年比で厳しい経営環境となりました。
このような環境のもと、当社グループの売上高は4,428億円と、前連結会計年度に比べ116億円の増収となりましたが、営業利益につきましては224億円(前連結会計年度営業利益325億円)、税引前利益は214億円(前連結会計年度税引前利益318億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は158億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期利益272億円)となりました。