当連結会計年度におけるわが国経済は、年度の前半は米中貿易摩擦の影響等による海外情勢の不確実性が高まりましたが、国内では雇用情勢の改善が続き、緩やかな回復基調となりました。年度の後半は、新型コロナウイルス感染症の拡大、隔離政策が経済活動を停滞させ、先行きが不透明な状況となりました。
とりわけ当社グループのディスクロージャー関連事業に関係が深い国内株式市場においては、好調な企業成績を受けて日経平均株価が24,000円台まで上昇する場面もありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大などを要因に一時17,000円を割り込むなど、不安定な動きで推移しました。一方で通訳・翻訳市場は、グローバル化を背景として翻訳ニーズが拡大傾向にありますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、通訳市場は、先行きが不透明な状況となっております。
このような事業環境において、当社グループはお客様のニーズに応じた価値創造力を高め、グループ全体の企業価値を最大化する経営体制を構築する必要があると考え、2019年12月2日付けで持株会社体制へ移行するとともに、法定開示書類作成支援ツールX-Smart.シリーズ製品の高度化と導入社数増加および、金融商品取引法に基づく有価証券報告書など財務報告のための電子的雛型である「EDINETタクソノミ」設定範囲拡大への対応に注力してまいりました。さらに、コーポレートガバナンス・コード適用に伴い積極性を増すステークホルダーとの対話や非財務情報開示の充実化への需要に対する製品やサービスの提供、情報開示のグローバル化による翻訳ニーズの取り込み、自動翻訳ツールの拡販などにも取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は19,116百万円(前連結会計年度比858百万円増、同4.7%増)となりました。利益面については、営業利益は2,247百万円(同467百万円増、同26.3%増)、経常利益は2,363百万円(同458百万円増、同24.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,555百万円(同318百万円増、同25.8%増)となりました。
売上高をセグメント別にご説明いたしますと、次のとおりであります。
売上高 17,493百万円 前連結会計年度比 4.2%減
当セグメントにおきましては、金融商品取引法に基づく有価証券報告書など財務報告のための電子的雛型である「EDINETタクソノミ」の設定範囲拡大による売上や、決算・開示に係る支援等のコンサルティングの売上が増加しましたが、「通訳・翻訳事業」をセグメントとして区分したため、売上高は17,493百万円(同763百万円減、同4.2%減)、セグメント利益は1,746百万円となりました。
また、従来と同様に「ディスクロージャー関連事業」を製品区分別にご説明いたしますと、次のとおりであります。
■ 金融商品取引法関連製品
売上高 7,037百万円 前連結会計年度比 5.2%増
「EDINETタクソノミ」の設定範囲拡大による売上増加および法定開示書類作成支援ツール「X-Smart.シリーズ」の導入顧客数が増加したことにより、売上高は7,037百万円(同349百万円増、同5.2%増)となりました。
■ 会社法関連製品
売上高 3,914百万円 前連結会計年度比 11.0%減
株主総会招集通知および関連文書の翻訳の売上が新型コロナウイルス感染症の影響で後ろ倒しとなったことにより、売上高は3,914百万円(同481百万円減、同11.0%減)となりました。
■ IR関連製品
売上高 4,217百万円 前連結会計年度比 2.3%増
統合報告書等の売上が増加したことにより、売上高は4,217百万円(同93百万円増、同2.3%増)となりました。
■ その他製品
売上高 2,324百万円 前連結会計年度比 23.8%減
当連結会計年度より「通訳・翻訳事業」をセグメントとして区分したことにより、売上高は2,324百万円(同725百万円減、同23.8%減)となりました。
売上高 1,622百万円
当セグメントにおきましては、日米顧客向けを中心に翻訳関連の売上が好調に推移し、売上高は1,622百万円、セグメント利益は177百万円となりました。