当連結会計年度におけるわが国経済は、年度を通じて経済活動と感染症対策の両立に向けたwithコロナへのシフトが進むとともに、行動制限の無い連休や大型イベント開催等の機会も増え、経済活動は正常化に向け緩やかな回復が続きました。
こうした状況のもと、当社グループのディスクロージャー関連事業に関係が深い国内株式市場においては、2022年12月に日銀による金利政策変更の発表等を受け、日経平均株価は一時急落し26,000円を割り込みましたが、その後は円安の進行等を背景に30,000円を超えるなど、25,000円台から30,000円台の水準を推移しました。
通訳・翻訳事業は、特に通訳事業における主たる事業領域である、大規模な国際会議やイベントの開催が対面やオンラインにより増えており、これに伴う通訳機会も大幅に回復してきております。
このような事業環境において、当社グループは新型コロナウイルス感染症拡大に伴う資本市場や経済活動の停滞、感染拡大を契機とした情報開示充実への要請とWeb化、オンライン化、事業体のグローバル化への動きは今後も一層進展していくものと考えております。
with/afterコロナを見据え、多様化するお客様のニーズにお応えするべくお客様の決算開示実務の一層の利便性向上を推進する統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」をリリースし、導入社数の増加に注力してまいりました。また、コーポレートガバナンス・コード適用や東京証券取引所における2022年4月からの新市場区分への移行に伴い、積極性を増すステークホルダーとの対話や非財務情報開示の充実化への需要に対する製品やサービスの提供、「ネットで招集」や株主総会の動画配信(ライブ・オンデマンド)をはじめとする株主総会プロセスの電子化への対応にも取り組んでまいりました。
また、afterコロナにおいても一定規模でリモートワークや遠隔会議の環境は定着していくことが予想されます。通訳事業ではコロナ禍の中、遠隔同時通訳プラットフォーム“interprefy”が急速に普及しており、従来よりも安価で簡便な形での大規模なイベントの通訳や、海外での会議における通訳者の海外渡航を伴わない国内からの通訳を可能にしております。これは、これからの経済社会の変化において通訳事業が成長するための基盤の一つを構築するものになると捉えております。
その結果、当連結会計年度の売上高は27,568百万円(前連結会計年度比2,250百万円増、同8.9%増)となりました。利益面については、営業利益は3,811百万円(同251百万円増、同7.1%増)、経常利益は3,983百万円(同303百万円増、同8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,595百万円(同345百万円増、同15.4%増)となりました。
売上高をセグメント別にご説明いたしますと、次のとおりであります。
なお、セグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高または振替高を相殺消去し記載しております。
売上高 19,748百万円 前連結会計年度比 5.9%増
当セグメントにおきましては、統合型ビジネスレポートシステムや株主総会関連商材の売上が増加したことにより、売上高は19,748百万円(同1,107百万円増、同5.9%増)となりましたが、株主総会招集通知の電子提供措置への対応による売上原価や販売費及び一般管理費の増加、統合型ビジネスレポートシステムの開発に係る減価償却費の増加などにより、セグメント利益は2,648百万円(同115百万円減、同4.2%減)となりました。
「ディスクロージャー関連事業」を製品区分別にご説明いたしますと、次のとおりであります。
■ 金融商品取引法関連製品
売上高 7,391百万円 前連結会計年度比 1.5%増
統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo(ウィズラボ)」の導入顧客数が増加したことにより、売上高は7,391百万円(同111百万円増、同1.5%増)となりました。
■ 会社法関連製品
売上高 6,167百万円 前連結会計年度比 8.7%増
株主総会招集通知および関連文書の翻訳の売上が増加したことにより、売上高は6,167百万円(同495百万円増、同8.7%増)となりました。
■ IR関連製品
売上高 4,819百万円 前連結会計年度比 6.9%増
統合報告書の売上が増加したことにより、売上高は4,819百万円(同312百万円増、同6.9%増)となりました。
■ その他製品
売上高 1,370百万円 前連結会計年度比 15.9%増
株主優待関連等の売上が増加したことにより、売上高は1,370百万円(同187百万円増、同15.9%増)となりました。
売上高 7,819百万円 前連結会計年度比 17.1%増
当セグメントにおきましては、売上高は7,819百万円(同1,142百万円増、同17.1%増)となりました。
通訳事業においては、コロナ禍により見合わせられていた会議やセミナーなどの開催が、経済活動正常化の動きにあわせ回復いたしました。また、“interprefy”などのオンライン会議需要に加え、海外出張や対面での会議が戻りつつある中での対面とオンラインの組み合わせによるハイブリッド型のセミナーや会議など、様々な形式で受注件数が増加したことにより売上目標を大きく上回りました。
翻訳事業においても、海外顧客の翻訳・ローカライズ案件は堅調に推移し、半導体関連、広報関連文書の受注が増加したことにより、前連結会計年度を大きく上回り伸長しました。
利益面では、売上の大幅な増加や円安の影響もあり、セグメント利益は544百万円(同320百万円増、同143.1%増)と前連結会計年度を大幅に上回る結果となりました。