事業報告
三菱商事グループの対処すべき課題
『中期経営戦略 2018』〜新たな事業経営モデルへの挑戦〜
三菱商事は、平成28年5月に『中期経営戦略2018』を策定しました。
『中期経営戦略2018』では、目指す企業像を「創意工夫により新たなビジネスモデルを構築し、自らの意思で社会に役立つ事業価値を追求していくことで、経営能力の高い人材が育つ会社」としました。また、向こう3ヵ年の経営の考え方として、『利益の「質」の重視』、『効率性・財務健全性の重視』を基本とし、経営基盤の再整備、成長に向けた打ち手を同時に実行することで、二桁のROE実現を目指します。
『中期経営戦略 2018』の経営方針に基づく取り組み
平成28年度は、経営方針に基づく仕組みの導入が完了しました。
(1)最適バランス実現と「事業経営」へのシフトを可視化
「資源/非資源」に代えて、市況リスク感応度に基づき「市況系/事業系」に括り直し、「市況系」の投融資残高を一定に保つことで、平成30年度末には最適バランスの実現を見通します。
「事業系」の中を3つの事業類型に分類することで、「事業経営」へのシフトを可視化する仕組みを導入し、「成長」の原動力として、経営力を活かし価値創造していく方向性を明確化しました。
(2)成長に向けた全社による配分原資の活用
グループ連結純利益の一定比率を全社が留保することで、資本配分方針の選択肢が広がるとともに、全社がグループの枠を超えて成長を後押しします。
グループレベルでもキャッシュフロー重視の経営を進め、グループの自律的経営が着実に進展しました。
三菱商事グループの目指す将来像
新たに導入した仕組みにより、「事業経営」への更なるシフトを進めつつ、規模感のある成長を全社が後押しすることで、複数本の「収益の柱」を構築していきます。
現時点で「柱」として期待出来る事業に加え、次の「柱」候補となる事業も三菱商事の事業群の中には多く存在しており、「ヒト」と「資金」をダイナミックに組み替え、規模感のある「収益の柱」に育てていきます。