事業の経過及びその成果

(1)事業の状況

 当連結会計年度における世界経済は、需要と供給の両面でコロナ危機からの回復傾向にありましたが、中国ロックダウンの影響などによる物流の混乱、長期化するウクライナ紛争の影響による食料やエネルギー価格の高騰、米欧でのインフレ加速と金融引き締めによる金利の上昇などで景気の回復ペースは鈍化しました。
 国内経済においては、夏場の全国的なコロナ感染再拡大(第7波)の収束後はウイズコロナに移行し、個人消費は持ち直しましたが、エネルギー価格の上昇や日米金利差の拡大を受けた円安による物価上昇圧力の高まりが消費者マインドを悪化させ、また原材料コストの増加が製造業の景況感を下押ししました。
 当社グループの取引に関する業界は、自動車生産は半導体不足や中国ロックダウンの影響が続き、メーカー各社が通期の販売台数見通しを下方修正することになりました。電子部品・半導体は、世界的なインフレで購買意欲が低下するなどしてスマートフォンやパソコンなどのデジタル需要が失速しましたが、自動車や産業機器向けなどの一部で逼迫感が続きました。産業・工作機械は省人化や脱炭素関連の投資が需要を下支えしました。

 その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,603億3百万円(前期比13.6%増)、営業利益93億80百万円(前期比32.8%増)、経常利益90億77百万円(前期比24.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益53億66百万円(前期比7.2%増)となり、売上高及び各段階利益のすべてにおいて過去最高となりました。
 なお、当期の期末剰余金の配当につきましては、2023年5月の公表どおり、1株当たり41円(年間74円)といたしました。

(2)事業別売上高の状況

(注)
  1. 事業別の連結売上高は百万円未満を切り捨てし、合計値はすべてを集計ののち、百万円未満を切り捨てて表示しています。
  2. 当連結会計年度より、当社の技術・ナレッジを用いて新たな価値を提供する新事業のセグメント名称を「ICTシステム」から「X-Tech」(クロステック)に変更しています。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。

(3)事業別の状況

主要な事業内容
顧客の生産現場での課題の解決やQCD(Quality, Cost, Delivery)改善のための付加価値の高いFAシステムを提供しています。FAコントローラ製品、各種駆動製品をはじめNC装置・ロボット、加工機まで幅広いラインアップに加え、産学共同のレーザー技術など当社オリジナル・ソリューションであらゆる生産現場のニーズに応えます。

サプライチェーンの混乱が回復する中、半導体製造装置は海外需要の落ち込みの影響から生産調整が行われ低調に推移しましたが、工作機械及び一般産業装置向けの需要が好調に推移し、また自動車関連を中心とした製造業の設備投資案件も好調に推移しました。
その結果、売上高は462億94百万円(前期比7.7%増)、営業利益は17億4百万円(前期比20.8%増)となりました。


主要な事業内容
オフィスや生産現場、物流工程などでお客さまが望む最適な空調環境・低温環境などを提案、オフィスや集合住宅向けのエレベーターも提供しています。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を推進し、安全で快適な環境を実現します。

冷熱分野は、サービス業や食品製造業向けの設備投資需要が好調に推移し、業務用エアコンや冷凍機器等の販売も好調に推移しました。
ビルシステム分野は、ビルマネジメントシステムの販売強化、昇降機やビル設備関連品の新規受注に注力しましたが、建設市場における資材高騰や納期長期化などの影響を受け、低調に推移しました。
その結果、売上高は272億59百万円(前期比10.1%増)、営業利益は10億71百万円(前期比1.1%増)となりました。


主要な事業内容
当社の技術・ナレッジを掛けあわせて新たな価値を提供する新事業セグメントです。ヘルスケア・スマートアグリ・ネットワークに事業領域を拡大しています。

ヘルスケア分野ではトータルパックITのサービス、大型検査装置・画像システム関連の販売が堅調に推移しました。ICT分野では、IT関連機器の販売が堅調に推移し、またビデオマネジメントシステム:FlaRevo(フラレボ)やRFID関連製品の販売が好調に推移しました。スマートアグリ分野では、次世代型植物工場「BlockFARM」で閉鎖型人工光植物工場として世界初となるほうれん草の量産化に引き続き注力するとともにビジネスモデルの変革に取り組んでいます。
その結果、売上高は57億9百万円(前期比18.4%減)、営業損失は3億11百万円(前期は営業利益74百万円)となりました。


主要な事業内容
日々進化するエレクトロニクス産業の最先端でお客さまに最適な半導体・デバイス品を提供し、高度化するニーズに応えるソリューションも提供します。

国内では、車載市場はカーナビなどのインフォテインメント機器向けSoC(System-on-Chip)やメモリ等の販売が好調に推移し、産業機器市場についても半導体製造装置・工作機械向けアナログ半導体や受動部品等の販売が好調に推移しました。海外子会社では、主に中国地域の産業機器関連向けアナログ半導体・パワー半導体の販売、北米地域の車載関連(インフォテイメント機器)用メモリの販売が好調に推移しました。
その結果、売上高は1,811億30百万円(前期比17.3%増)、営業利益は73億35百万円(前期比50.9%増)となりました。

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2023/06/23 12:00:00 +0900
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