第71回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8174

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企業集団の現況に関する事項

事業の経過およびその成果

【業績の概要】
 2025年3月期は、高気温の影響等でガス販売量が伸びず、ガス事業は厳しい環境でしたが、電気事業とプラットフォーム事業の成長がガス事業のマイナスを上回り、売上総利益を前期比+9億円の745億円へと伸長させました。一方、顧客密度の高まりによる経費効率の向上に加えて、液石法改正省令の施行に伴い顧客獲得経費を適切に抑えたため、販管費は前年比で減少、営業利益は前期比+11億円の185億円、経常利益は前期比+9億円の185億円の増益となりました。システムの除却などによって特別損失を計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は+7億円の115億円と、全ての利益段階で増益、前期に引き続き過去最高益を更新する決算となりました。
 合わせて、ROIC向上に努めながら、不要な株主資本はお預かりしない資本政策を徹底することで、ROEは16.5%と前年より1.8%伸長させております。

【業界集約と共創】
 当社は、社会的趨勢を見据え、エネルギーに関わる設備や人員が、効率的運用を求められる環境に備え、LPガスの充填や配送インフラを整え、システムには汎用性と拡張性を持たせ、ITの活用で業務効率を高めてまいりました。LPガス業界では、全国の事業者数は10年前と比較して四分の三程度にまで減少しています。当社は、関東圏最大手のLPガス事業者として、社会的要請でもある業界の集約を牽引していく考えです。
 2025年3月、千葉県、茨城県を中心に百余年にわたり事業を展開する株式会社門倉商店が当社グループに参加しました。LPガス業界が直面している事業環境を踏まえ、門倉商店が当社グループの一員となり、最適化されたオペレーションを活用しながらともに事業成長を追求していくことが、両社および地域社会に対し最も良い形であると合意したためです。今後は、充填、配送、検針、保安、システム等の事業基盤を統合していくことで、物流網を効率化し、設備稼働率を向上させていきます。また、営業拠点の集約に加え、LPガス原料や関連機材等の共同仕入、電気とガスのセット販売、ソリューションサービスの提案など、業界集約を通じてシナジーを創出していきます。

 当社グループは、エネルギー小売事業の更なる成長、インフラのシェアリング拡大、高い資本効率と成長する企業価値を基盤として、業界の集約化・効率化を牽引するとともに、東京電力グループとの協業やITベンチャー企業との連携など、同じゴールを目指す事業者との共創もスケールアップさせ、地域社会に貢献し、更なる飛躍を目指してまいります。

業績サマリー


 当連結会計年度のセグメント別の売上高と売上総利益は次のとおりであります。


LPガス事業

 LPガス事業セグメントは、売上高が891億73百万円(前年同期比43億75百万円増)、売上総利益が497億33百万円(前年同期比2億79百万円増)となりました。
 LPガス事業は、ガス事業の売上総利益は前期比で微減、業務用の利幅の改善を進めたものの、高気温の影響により家庭用・業務用ともにガス販売量が伸びませんでした。一方、プラットフォーム事業は、労働力不足を背景に他社からの保安受託が拡大、エネルギーソリューションではハイブリッド給湯器の販売が好調で、LPガス事業セグメントの売上総利益を伸長させました。
 業容では、LPの顧客純増数が伸長しております。新規獲得の伸長、解約の減少の他、商権買収を積み上げ、2021年3月期以来4年ぶりに純増数が3万件を超えました。加えて、門倉商店の当社グループ入りにより、お客さま数は前年同期末から3万3千件増の103万件となっております。営業施策では、集合住宅から戸建住宅の獲得にターゲットをシフト、ニチガス本来の強みを活かし、獲得経費を抑えながら、高使用量のお客さま層へアプローチしています。

電気事業

 電気事業セグメントは、売上高が485億46百万円(前年同期比60億83百万円増)、売上総利益が52億26百万円(前年同期比15億39百万円増)となりました。
 この利益の増加は、電気契約数の増加に加え、料金改定効果が通年で寄与したためです。
 営業面では、二人暮らしなどの中使用量世帯も商品のターゲット層に拡大したことで、新規の契約獲得は加速、お客様数は前年同期末より3万5千件増加の38万1千件、電気のセット率は前期末21.6%から当期末23.5%に上昇しました。
 2026年3月期も引き続き顧客基盤の拡大期と位置づけます。安定した電源の確保を背景に適切な利幅を確保しつつも、撤退する事業者や料金が割高な事業者のお客様への料金提案など、積極的に事業規模を拡大します。

都市ガス事業

 都市ガス事業セグメントは、売上高が623億37百万円(前年同期比47億65百万円減)、売上総利益が195億94百万円(前年同期比8億81百万円減)となりました。都市ガス事業の売上総利益が減少いたしましたのは、スライドタイムラグ(※)のプラス影響が減少したことに加え、入札案件の利益規模が縮小、小売の顧客数が減少したためです。
 一方、足元では、入札案件の利益縮小に底打ちが見込まれ、また、減少を続けてきた小売の顧客数は反転、純増に転じており、2026年3月期に、都市ガス事業は好転する見通しです。東京ヴェルディや宇都宮ブレックス等のニチガスがコーポレートパートナーを務めるスポーツチーム運営費に、ガス・電気料金の一部が充てられるメニューを提供する等、コミュニティと関わりを強めることで、顧客基盤の拡大につなげております。
*スライドタイムラグとは、都市ガスの原料費調整制度によるもので、原料価格の変動が先に売上原価、後に遅れて売価(料金)に反映されることから発生するタイムラグのことで、当期間は原料価格が下降基調であったことから、プラスの影響を受けております。

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2025/06/25 11:00:00 +0900
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