当社は2001年の創業以来、「いつでも、どこでも、だれでも、安心して」ご利用いただけるATMサービスを追求することで着実かつ堅実に成長を実現してまいりました。
しかし、足元では新型コロナウイルス感染症の影響や環境・社会課題への意識の高まり、デジタル技術進展に伴う決済手段の多様化や異業種の金融事業への新規参入等、当社を取り巻く事業環境は過去に例を見ない速さで大きく変化しています。このような環境変化の中、持続的な成長を目指して、改めて当社の存在意義や存在価値を問い直し、お客さまに何ができるか、あるいは社会が抱える課題解決にどう貢献できるか、そして自らどう変わらなければならないかを議論してまいりました。
当社は、【お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。】ために存在する。
この存在意義に基づきセブン銀行がお客さまの生活に寄り添い「近くて便利」、「信頼と安心」を実現するユニークな銀行として持続的成長を果たすための戦略や目標を今般中期経営計画(2021年度~2025年度)として取りまとめました。
<中期経営計画の概要・基本方針>
名称 中期経営計画(2021年度~2025年度)
期間 2021年4月1日~2026年3月31日
本中期経営計画期間を当社の持続的成長に向けた「第二の成長を具体化していく」期間と位置づけ、3つの基本施策を推進してまいります。
① 基幹事業であるATMプラットフォーム事業の変革と積極的な投資を通じた戦略事業分野での事業多角化
② サステナビリティを長期的な経営戦略の根幹と位置づけ、深刻化・顕在化する社会課題に対し事業活動を通じて貢献し、社会・企業双方における新たな価値創造を持続的に推進
③ 持続的成長の原動力となる事業・運営の両面における企業変革(コーポレート・トランスフォーメーション)の推進
<存在意義起点での成長戦略>
【お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。】の実現のため、当社グループの強みを活かし、4つの成長戦略を推進してまいります。
国内事業セグメント
■ATMプラットフォーム戦略
・現金プラットフォームからサービス・プラットフォーム(ATM+)へと社会的価値を拡大し、マーケットにおける圧倒的なプレゼンスを確立
■リテール戦略
・グループとの連携強化とユニークな商品性の追求
・居住外国人の金融・生活を総合的にサポートし、選ばれるサービスを実現
■法人戦略
・中堅中小法人の現金の取扱いを中心とした決済ニーズの取込み
・金融参入を図る事業会社や業務合理化を進める金融機関等への機能提供・受託ビジネスの展開
海外事業セグメント
■海外戦略
・ATMビジネスを入り口として各国に多層的な金融サービスを展開
<中期経営計画の主要数値目標>
① 収支計画
中期経営計画の実行度合いを評価する指標として以下の通り設定します。
② 投資計画
将来の収益拡大に向けた施策を着実に実行するため、長期的成長視点に基づく国内外への成長投資・企業変革推進への投資700億円、新しいATM価値創造を果たすプラットフォーム整備を目的とした第4世代ATMへの入替投資500億円、各種システム更改・維持整備等の事業継続に必要な投資300億円を加え5年間で総額約1,500億円の投資を実施してまいります。
<株主還元>
本中期経営計画期間での事業環境の大きな変化を、当社グループの持続可能性・成長性を高める好機と捉えております。この成長機会を掴むべく将来の成長に向けた積極投資を加速してまいりますが、安定的な株主還元も経営上重要な課題との位置づけに変更はございません。今まで築き上げた堅実な事業モデルと強固な財務基盤を活かし成長投資と株主還元を両立してまいります。
当社グループを取り巻く環境は急激に変化し、社会の価値観も大きく変化しておりますが、この環境変化をチャンスとし、従来の発想に捉われることなく、大胆かつ柔軟に、そして機動的かつ積極的に対応することで、成長の道を切り拓いていくことができると考えております。当社グループは、今後も「お客さま、株主、お取引先、地域社会、社員に信頼される誠実な企業でありたい」という社是を企業活動の礎として、すべてのステークホルダーの皆様と誠実に対応し続けることで、「近くて便利」、「信頼と安心」を実現するユニークな銀行として社会課題の解決と企業価値の向上を両立させ、存在意義を深く追求してまいります。
株主の皆さまにおかれましては、今後とも変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。