当社グループは、当社、連結子会社9社(FCTI, Inc.、PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONAL、株式会社バンク・ビジネスファクトリー、株式会社セブン・ペイメントサービス、Pito AxM Platform, Inc.、株式会社セブン・グローバルレミット、株式会社ACSiON、株式会社Credd Finance、株式会社ビバビーダメディカルライフ)及び関連会社4社(株式会社セブン・ペイ、TORANOTEC株式会社、TORANOTEC投信投資顧問株式会社、株式会社メタップスペイメント)の計14社で構成され、国内外における各事業を推進しております。
国内事業においては、ATMサービス及び金融サービス等の提供を行っております。また、海外事業においては米国、インドネシア、フィリピンでATMサービスの提供を行っております。
(1)国内事業セグメント
ATMサービスの提供については、セブン&アイHLDGS.グループ各社のセブン‐イレブン、イトーヨーカドー等の店舗をはじめ、空港や駅、金融機関店舗等にATMを設置し、多くの国内金融機関等と提携することで、原則24時間365日稼働する利便性の高いATMネットワークを介して、多くのお客さまにATMサービスを展開しております。
金融サービス等の提供については、当社に口座をお持ちのお客さまを対象に、普通預金や定期預金、ローンサービス、海外送金サービス、デビットサービス等の身近で便利な口座サービスに加え、当社グループの知見活用や外部企業との連携により、様々なお客さまのニーズに応えた金融サービスを展開しております。
(2)海外事業セグメント
当社連結子会社のFCTI, Inc.は米国において、セブン‐イレブン店舗へATMを設置し、ATMサービスを展開しております。
インドネシアにおける当社連結子会社のPT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは現地でのATMサービスを展開しております。また、フィリピンにおける当社連結子会社のPito AxM Platform, Inc.は、セブン‐イレブン店舗へATMを設置し、ATMサービスを展開しております。
以上のように、多様化する社会の変化を大きなビジネス機会と捉え、社会価値・企業価値双方の持続的な創出を目指し、事業・サービスの多角化に向けた取組みを推進しております。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大への警戒が続く中、感染防止と経済活動の両立を目指し、まん延防止等重点措置等の行動制限が無かったことから個人消費を中心に持ち直しの動きがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢等による不透明感に加え、為替相場の変動もあり、エネルギーコストや原材料価格の高騰による物価上昇の家計への影響や供給面での制約に注意が必要な状況で推移いたしました。
❶ 国内事業セグメント
当連結会計年度は、預貯金金融機関の取引件数の増加に加え、当社ATMを利用した各種キャッシュレス決済への現金でのチャージ取引件数が引続き順調に増加したことにより、ATM総利用件数は前年度を大きく上回る水準で推移いたしました。
また、ATMの共同運営やグループ外への積極的な設置を通じ、いつでもどこでもサービスが受けられる環境づくりに加え、ATMによるマイナンバーカードの健康保険証利用申込みや、マイナポータル情報連携サービスの開始、さらには、金融機関などの諸手続をATMで受け付けるサービスの本格展開など、ATMの可能性を広げる「ATM+(プラス)」への進化を着実に進めております。
2023年3月末現在のATM設置台数は26,913台(2022年3月末比2.5%増)、当連結会計年度のATM1日1台当たり平均利用件数は101.5件(前連結会計年度比5.1%増)、ATM総利用件数は980百万件(同7.7%増)となりました。
なお、2023年3月末現在の提携金融機関等は640社(注)、第4世代ATMの2023年3月末時点での設置台数は13,419台(2022年3月末比31.8%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響に加え、為替相場の変動及びそれに伴う原材料価格の動向等により、依然として先行き不透明な事業環境が予想されますが、ATMの社会的価値を現金プラットフォームからサービスプラットフォームへと進化させ、社会の変化・お客さまニーズの変化に柔軟に対応したATMプラットフォーム戦略を今後も推進してまいります。
JAバンク及びJFマリンバンクについては、業態としてそれぞれ1つとしております。
2023年3月末現在、個人のお客さまの預金口座数は2,755千口座(2022年3月末比8.9%増)と順調に増加し、個人向け預金残高は5,756億円(同4.5%増)となりました。また、個人向けローンサービスの残高は、2023年3月末現在で351億円(同25.1%増)となりました。なお、「セブン銀行後払いサービス」の当連結会計年度における累計取扱高は459億円(前連結会計年度比118.7%増)となりました。
また、2022年11月より、株式会社スマートプラスと共同で、「Myセブン銀行」アプリを通じてセブン銀行口座保有者へ証券取引サービスを提供する「お買い物投資コレカブ」を開始いたしました。
当社は社会の変化に伴い顕在化・深刻化する社会課題解決への貢献をビジネス機会と捉え、これまで培ったノウハウに加え、外部企業とも連携し、さまざまなお客さまのニーズに応じた新たな金融サービスを提供することを目指してまいります。
❷ 海外事業セグメント
当社連結子会社のFCTI, Inc.は、前連結会計年度において米国政府による給付金支給等の景気刺激策によるATM利用件数の押上効果があった反動もあり、前年同期を下回るATM利用件数となりました。米国セブン‐イレブン店舗以外に設置している低採算ATMの整理は2022年2月に完了いたしました。2022年12月末時点では、米国セブン‐イレブン店舗内設置ATMのみであり、ATM設置台数は8,643台(2021年12月末比4.0%減)となりました。
なお、FCTI, Inc.の連結対象期間(2022年1~12月)の業績は、米国セブン‐イレブン店舗以外に設置している低採算ATMの整理による費用削減があったものの、政策金利の上昇に伴う資金調達費用の上昇等により、経常収益186.3百万米ドル(前年同期間比9.6%減)、経常損失3.3百万米ドル(前年同期間は16.4百万米ドルの経常利益)、当期純利益0.0百万米ドル(前年同期間比99.9%減)となりました。
インドネシアにおける当社連結子会社PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは、コロナ禍においても堅調に事業を推進し、2022年12月末時点のATM設置台数は5,557台(2021年12月末比117.8%増)となっております。
また、フィリピンにおける当社連結子会社Pito AxM Platform, Inc.は、フィリピン国内のセブン‐イレブン店舗へのATM設置が堅調に推移し、2022年12月末時点のATM設置台数は2,344台(2021年12月末比87.6%増)となっております。
❸ 経営成績
当連結会計年度の当社連結業績は、人流回帰による資金需要が引続き堅調であったことに伴うATM総利用件数の増加に加え、海外子会社の為替影響を主因に増収となり、経常収益154,984百万円(前連結会計年度比13.4%増)、経常利益28,924百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益18,854百万円(同9.4%減)となりました。
なお、セブン銀行単体業績は、経常収益120,509百万円(前年度比9.2%増)、経常利益31,500百万円(同10.8%増)、当期純利益19,508百万円(同7.5%増)となりました。
❹ 資産、負債及び純資産の状況
総資産は1,312,273百万円となりました。そのうちATM運営のために必要な現金預け金が952,027百万円と過半を占めております。その他、主に為替決済、日本銀行当座貸越取引等の担保として必要な有価証券が99,651百万円、提携金融機関への一時的な立替金であるATM仮払金が98,296百万円となっております。
負債は1,058,031百万円となりました。このうち主なものは預金であり、その残高は(譲渡性預金を除く)820,758百万円となっております。このうち、個人向け普通預金残高が452,691百万円、個人向け定期預金残高が122,974百万円となっております。
純資産は254,242百万円となりました。このうち利益剰余金は182,431百万円となっております。