第52回 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 9749
富士ソフト株式会社〈株主提案(第7号議案)〉
第7号議案は、株主様からご提案いただいたものです。Kanya Hasegawa(日本語表記:長谷川寛家、以下、日本語表記にて記載するものとします。)氏及び鳥居敬司氏を取締役に選任する。
(2)提案の理由 上場企業の取締役会には、企業の資本を、成長投資や内部留保、株主還元等に適切かつ効果的に配分することで、企業価値を中長期的に最大化させることが期待されています。上場企業における企業統治の指針であるコーポレートガバナンス・コードにおいても、「上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく1」、行動することがその役割・責務として示されています。
当社においては、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上に資する資本配分が行われていません。事実、当社の直近決算期と過去10年平均における資本効率(ROE)はそれぞれ7.4%と5.4%であり、それぞれの期間における同業他社2平均の14.1%と10.7%のどちらと比較しても半分程度の水準にあります。
提案者は、当社の資本効率が同業他社と比較して慢性的に大きく劣後している背景として、当社が、コア事業である組込システム開発・システムインテグレーション事業が生み出す利益を、コア事業への再投資や株主還元ではなく、コア事業とのシナジーが不明確な領域に継続的に再投資するという、不適切かつ非効率な資本配分を行っていることが原因であると考えています。例えば、当社は過去20年間にわたって、コア事業ではないオフィス不動産投資を中心とした有形固定資産の取得に1,000億円強にも及ぶ多額の資金を投じてきました。近年においても、当社は、コア事業に注力する中期方針を明らかにしていながら3、直近5年間の累計当期純利益以上の金額を複合ビル(事務所・飲食店)の開発を中心とした有形固定資産の取得に配分するだけでなく4、2021年~2023年の3年間においても、当該開発に関連した数十億円規模の不動産投資を予定しています5。
証券会社のアナリストら市場関係者は、過度な不動産への投資を含む、当社の資本配分の不合理性について、過去数年にわたって指摘し続けています。このような状況の中で、提案者は、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目的として、当社との間で、当社が競争力を有するコア事業への再投資や事業ポートフォリオマネジメント等の資本配分についての再検討・見直しについて、複数回にわたり対話を重ねてきました。しかし、現取締役会は、資本配分について課題があるという認識を有しておらず、現在も継続して、コア事業とのシナジーや企業価値への貢献が不明確な事業や資産に投資し続けています。
提案者は、現取締役会による資本配分は、当社の企業価値を毀損していると考えています。今当社に求められているのは、客観的な基準に基づいた、現状の資本配分の再検討・見直しと、今後の資本配分方針についての実効性の高い監督機能の強化です。提案者は、その実現のためには、資本配分について、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を適切に反映し、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上の観点から、あらゆる選択肢について十分な検証と実効性の高い監督を行うことができる、資本配分に精通した経験及び専門性をもった独立社外取締役を選任することが必要になると考えています。
そこで、提案者は、長谷川寛家氏及び鳥居敬司氏の2名を当社の社外取締役として選任することを提案します。提案者は、この2名が取締役会に加わることで、取締役会の独立性が向上し、取締役会において、少数株主を含む全ての株主に共通する株主共同の利益が反映された審議が活発化するだけでなく、これまで、そして今後の資本配分についてのあらゆる選択肢の再検討・見直しが、実効性の高い監督の下で行われていくと確信しています。加えて、これらの変化により、取締役会は資本配分等の意思決定において、株主から、より強い信任を得られるようになると考えています。
候補者らの略歴は「(3)候補者の氏名、略歴等」のとおりですが、各人の推薦理由をまとめると以下のとおりです。
・長谷川寛家氏は、20年近くにわたり、クレジット、不動産、そして上場株式などの広範囲の投資業務を日本及びアジアにおいて行ってきており、資本配分において豊富な経験と幅広い見識を有しています。2015年以降は、当社の株主でもある提案者の資産運用会社である3D Investment Partners Pte Ltd.を創業し、CEO兼CIOとして、同社の経営を担っています。その中で、同氏は、日本の上場企業と建設的な対話を行い、コーポレート・ガバナンスの強化や資本効率の改善を通じた企業価値向上に貢献しています。また、同氏は、株主として様々な日本の上場企業の経営陣(社外取締役を含みます。)との対話を行ってきた経験から、株主の視点だけでなく、上場企業における社外取締役のベストプラクティスについても取締役会に取り入れることが可能です。このような豊富な実績から、同氏は少数株主の利益を代弁し、コーポレート・ガバナンス及び資本配分の改善を通じた当社の企業価値の向上を図るうえで最適な人材であると確信しています。
・鳥居敬司氏は、上場会社である株式会社みずほフィナンシャルグループ代表取締役副社長、伊藤忠商事株式会社の社外監査役を歴任し、財務・会計だけでなく上場会社の取締役として日本の大手企業の経営について豊富な経験と幅広い見識を有しています。また、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社(旧:みずほ情報総研株式会社)代表取締役副社長、株式会社セールスフォース・ドットコム特別顧問を歴任し、当社の本業であるITセクターの企業経営についても卓越した専門知識と、実践に裏付けられた経験を有しています。現在は、3D Investment Partners Pte Ltd.の特別顧問として、日本の上場企業と建設的な対話を行い、日本企業の経営についての理解や幅広いネットワークを活用することで、上場企業における複雑なガバナンス上の課題に対応し企業価値の向上に貢献しています。また、同氏は、財務・会計だけでなく、ITセクターにまたがる豊富な企業経営の経験や卓越した専門知識、そしてネットワークから、取締役会や株主、経営陣等の様々なステークホルダーの意見に配慮しつつ、当社の資本配分の課題への対応を通じた企業価値の向上を図るうえで最適な人材であると確信しています。