第5号議案
取締役に対する業績連動型株式報酬等の額及び内容決定の件

1.提案の理由及び当該報酬制度を相当とする理由
 当社の取締役の報酬は、「月例報酬」、「賞与」及び「譲渡制限付株式報酬」で構成されていますが、今般、当社の取締役(社外取締役を除く。)を対象に、新たに信託を用いた業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入することにいたしたいと存じます。なお、その詳細につきましては、下記の範囲内で取締役会にご一任いただきたく存じます。また、本議案を原案のとおりご承認いただくことを条件として、2019年6月25日開催の第122期定時株主総会においてご承認いただきました「譲渡制限付株式報酬」に関する報酬枠を廃止することとします。
 本制度は、取締役の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性を一層明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有することにより中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めること及び取締役に交付する株式に退任までの間の譲渡制限を付することにより株式交付後においても企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを目的としております。
 本議案による報酬は、2005年6月29日開催の第108期定時株主総会においてご承認いただきました取締役の報酬の限度額(月額6,000万円以内)及び第4号議案においてご承認をお願いしております取締役の賞与の限度額(年額5億円以内)とは別枠とし、また、本制度による報酬の支給は、2024年3月末日で終了する事業年度から2026年3月末日で終了する事業年度までの3事業年度(以下「対象期間」という。)の間に在任する取締役に対して行うものとします(ただし、下記2.(2)のとおり、対象期間を延長することがある。)。
 本制度の導入目的は上記のとおりであり、当社は、社外取締役及び社外監査役を構成員とする「ガバナンス・報酬委員会」(議長は社外取締役)からの提言のもと、2023年3月22日開催の取締役会において、本株主総会で本議案及び第4号議案が原案どおり承認可決されることを条件として、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針(以下「決定方針」という。)の変更を決議しており、当該変更後の決定方針の概要は本招集ご通知25頁から26頁に記載のとおりであります。本議案の内容は、上記目的を達成するため、また、当該変更後の決定方針に沿った報酬を支給するために必要かつ合理的な内容となっているため、相当であると考えております。
 なお、第2号議案「取締役12名選任の件」が原案どおり承認可決されますと、本制度の対象となる取締役は7名(社外取締役を除く。)となります。

2.本制度における報酬等の額・内容等
(1) 本制度の概要
 本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」という。)が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当社が各取締役に付与するポイントの数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される(ただし、下記3.のとおり、当該株式については、当社と各取締役との間で譲渡制限契約を締結することにより退任までの譲渡制限を付すものとする。)という株式報酬制度です。
 なお、取締役が当社株式の交付を受ける時期は、原則として、信託期間中の毎事業年度における一定の時期です。

(2) 当社が拠出する金銭の上限
 本信託の当初の信託期間は約3年間とし、当社は、対象期間中に本制度に基づき取締役に交付するために必要な当社株式の取得資金として、合計9億円を上限とする金銭を対象期間中に在任する取締役に対する報酬として拠出し、一定の要件を満たす取締役を受益者として本信託を設定します。本信託は、当社が信託した金銭を原資として、当社株式を当社の自己株式の処分を受ける方法又は取引所市場(立会外取引を含む。)から取得する方法により取得します。

 注:当社が実際に本信託に信託する金銭は、上記の当社株式の取得資金のほか、信託報酬、信託管理人報酬等の必要費用の見込み額を合わせた金額となります。また、下記のとおり当社の執行役員に対しても同様の株式報酬制度を導入した場合には、当該制度に基づき執行役員に交付するために必要な当社株式の取得資金も合わせて信託します。

 なお、当社の取締役会の決定により、対象期間を5事業年度以内の期間を都度定めて延長するとともに、これに伴い本信託の信託期間を延長し(当社が設定する本信託と同一の目的の信託に本信託の信託財産を移転することにより、実質的に信託期間を延長することを含む。以下も同様。)、本制度を継続することがあります。この場合、当社は、当該延長分の対象期間中に、本制度により取締役に交付するために必要な当社株式の追加取得資金として、当該延長分の対象期間の事業年度数に3億円を乗じた金額を上限とする金銭を本信託に追加拠出し、下記(3)のポイント付与及び当社株式の交付を継続します。
(3) 取締役に交付される当社株式の算定方法及び上限
 ① 取締役に対するポイントの付与方法等
 当社は、当社取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、信託期間中の株式交付規程に定めるポイント付与日(原則として毎事業年度)において、役位及び業績目標の達成度等に応じたポイントを付与します。
 ただし、当社が取締役に対して付与するポイントの総数は、1事業年度当たり60万ポイントを上限とします。
 ② 付与されたポイントの数に応じた当社株式の交付
 取締役は、上記①で付与されたポイントの数に応じて、下記③の手続きに従い、当社株式の交付を受けます。1ポイントは当社株式1株とします。ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、1ポイント当たりの当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、1ポイント当たりの当社株式数は、かかる分割比率・併合比率等に応じて合理的に調整されるものとします。
 ③ 取締役に対する当社株式の交付
 各取締役は、原則として信託期間中の毎事業年度、下記3.の譲渡制限契約を当社と締結することその他所定の手続きを経ることを条件として、本信託の受益権を取得し、本信託から当社株式の交付を受けます。
 ただし、本信託内の当社株式について公開買付けに応募して決済された場合等、本信託内の当社株式が換金された場合には、当社株式に代わり金銭(当該換金額)を交付することがあります。
(4) 議決権行使
 本信託内の当社株式に係る議決権は、当社及び当社役員から独立した信託管理人の指図に基づき、一律に行使しないことといたします。かかる方法によることで、本信託内の当社株式に係る議決権の行使について、当社経営への中立性を確保することを企図しております。
(5) 配当の取り扱い
 本信託内の当社株式に係る配当は、本信託が受領し、当社株式の取得代金や本信託に係る受託者の信託報酬等に充てられます。

3.取締役に交付される当社株式に係る譲渡制限契約
 上記2.(3)③の当社株式の交付に当たっては、当社と取締役との間で、以下の内容を含む譲渡制限契約(以下「本譲渡制限契約」という。)を締結するものとします(各取締役は、本譲渡制限契約を締結することを条件として、当社株式の交付を受けるものとする)。
 ただし、退任日以後に交付する当社株式がある場合には、かかる当社株式には譲渡制限を付さないものとします。また、この場合には、一定の割合の当社株式については、源泉所得税等の納税資金を当社が源泉徴収する目的で本信託において売却換金したうえで、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。
(1) 譲渡制限期間
 取締役は、本制度により交付を受けた株式(以下「本交付株式」という。)につき、その交付を受けた日(複数回交付を受けた場合には各交付を受けた日)から退任する日までの間(以下「本譲渡制限期間」という。)、本交付株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下「本譲渡制限」という。)。
 取締役は本譲渡制限期間中、取締役が既に保有している株式(「譲渡制限付株式報酬」に基づき交付を受けた譲渡制限付株式を除く。)と分別して管理することを目的に、当社が指定する証券会社の口座にて本交付株式の管理を行うものとする。
(2) 本交付株式の無償取得
 取締役が上記(1)に違反して本交付株式の全部又は一部を譲渡、担保提供その他の方法で処分しようとしたときは、当社は、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。
 また、取締役が任期満了、定年又は死亡その他正当な理由以外の理由により退任した場合、当社は、本交付株式の全部を当然に無償で取得する。
(3) その他取締役会で定める事項
 上記のほか、本譲渡制限契約における意思表示及び通知の方法、本譲渡制限契約の改定の方法、その他取締役会で定める事項を本譲渡制限契約の内容とする。

(ご参考)
本議案が原案どおり承認可決された場合、当社の執行役員に対しても同様の業績連動型株式報酬制度を導入する予定です。

以 上


(ご参考)本総会第4号議案及び第5号議案が原案どおり承認可決された場合の、当社の取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針の概要は、以下のとおりです。
基本的な考え方
 〇優秀な経営陣の確保・保持に資する報酬水準とする。
 〇役位ごとの役割の大きさや責任の範囲に相応しい報酬体系とする。
 〇経営目標に対する達成度に連動した報酬及び当社株価に連動した報酬を導入し、中長期的な企業価値の向上と株主との価値共有を実現する。
 〇客観性と透明性が担保された報酬決定プロセスとする。
a 報酬制度
 〇取締役の報酬の決定に際しては、客観性と透明性を確保するため、社外取締役及び社外監査役を構成員とする「ガバナンス・報酬委員会」(議長は社外取締役)において、役員報酬に関する基本的な考え方や報酬制度及び報酬水準などについての協議を行い、取締役会は、その助言・提言を踏まえ審議、決定します。
 〇取締役には、役位(執行役員を兼務する場合の執行役員の役位を含む。以下同じ)ごとに定めた、固定報酬としての月例報酬、業績連動報酬としての賞与、株式報酬を支給します。報酬額全体における固定報酬としての月例報酬、業績連動報酬としての賞与、株式報酬の割合は概ね下記のとおりです(賞与、株式報酬が基準額の場合)。

ただし、非常勤取締役及び社外取締役には、月例報酬のみを支給します。
 〇 固定報酬(月例報酬)の取り扱いは、次のとおりです。
 (ⅰ) 月例報酬の合計額は、月額6,000万円以内とする。
 (ⅱ) 月例報酬は、役位に応じた額とする。
 (ⅲ) 新しく取締役に就任すること又は取締役を退任することに伴う月例報酬額の改定は、株主総会による選任日の翌月からとする。
 (ⅳ) 役位が昇進した取締役の月例報酬額は、原則として役位昇進日をもって改定する。
 〇業績連動報酬(賞与)の取り扱いは、次のとおりです。
 (ⅰ) 賞与の合計額は、年額5億円以内とする。
 (ⅱ) 賞与は、事業年度(4月1日~3月31日)を対象に、3月末時点の役位に応じて算定する。その後、取締役会の決議を経て6月末に一括支給する。
 (ⅲ) 賞与は、原則、役位ごとに定めた賞与基準額に、「当年度の親会社株主に帰属する当期純利益の実績」、「安全成績(度数率、強度率)」及び「社員の健康度(ストレスチェック)」に基づく3つの支給率を8:1:1の評価ウエイトに基づいて計算した評価係数を乗じて算定する。各支給率は200%を上限とし、一定の基準を下回った場合は0%とする。具体的には、下図に示すとおりとする。
<算定式>
 賞与額 = 賞与基準額 × 評価係数※
 ※「当年度の親会社株主に帰属する当期純利益の実績」に基づく支給率×80%+ 「安全成績(度数率、強度率)」に基づく支給率×10%+ 「社員の健康度(ストレスチェック)」に基づく支給率×10%

「度数率」
100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表す。
「強度率」
1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数で、災害の重さの程度を表す。
「ストレスチェック」
従業員の心理的な負担の程度を把握するための検査であり、毎年1回実施する。点数(健康リスク)が低くなるほどストレス度が低い。

業績連動報酬としての賞与に係る指標として本評価係数を選択した理由は、連結業績に加え、サステナビリティへの対応の重要性を踏まえ「安全成績」と「社員の健康度」の2指標を選択したものである。
 (ⅳ) 会社として重大なコンプライアンス違反があった場合など、上記計算式どおりの支給に疑義が生じるときは、社長は減額等に関する提案を行うことができる。
 (ⅴ) 事業年度の途中で新たに選任された場合又は退任した場合は、原則として期間中の在任が9か月以上の場合は算定額の満額を、在任が6か月以上9か月未満の場合は算定額の半額を支給し、在任が6か月未満の場合は支給しない。
 〇株式報酬の取り扱いは、次のとおりです。
 (ⅰ) 株式報酬の合計額は、年額3億円以内とする。
 (ⅱ) 株式報酬は、役位固定部分と業績連動部分で構成する(基準額の場合における比率は1:1)。
 (ⅲ) 業績連動部分は、事業年度(4月1日~3月31日)を対象に、3月末時点の役位に応じて算定する。その後、役位固定部分と業績連動部分を合わせて、原則として7~8月に譲渡制限付株式を一括付与する。
 (ⅳ) 業績連動部分は、役位ごとに定めた株式報酬基準額に、「直近3か年の親会社株主に帰属する当期純利益の実績の平均」に基づいて計算した支給率を評価係数として乗じて算定する。支給率は200%を上限とし、一定基準を下回った場合は0%とする。具体的には、下図に示すとおりとする。
<算定式>
 株式報酬額(業績連動部分) = 株式報酬基準額 × 評価係数※
 ※「直近3か年(当年度を含む)の親会社株主に帰属する当期純利益の実績の平均」に基づく支給率

株式報酬の業績連動部分に係る指標として本評価係数を選択した理由は、中期的な視点に基づく経営のインセンティブとするためである。
 (ⅴ) 譲渡制限期間は譲渡制限付株式の交付日から当社の取締役及び執行役員のいずれの地位からも退任する日までの期間とする。
 (ⅵ) 各事業年度において割り当てる譲渡制限付株式の総数は60万株を上限とする。
b  役位ごとに定めた月例報酬額、賞与基準額及び株式報酬基準額は、原則として3年毎に見直します。ただし、その間の経済社会環境の変化等から必要となった場合は、都度、金額を改定します。

前の議案へ
2023/06/28 12:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×

カメラをかざして
QRコードを
読み取ってください

{{ error }}