デンカのコーポレートガバナンスに対する取り組み

コーポレートガバナンスに対する基本的な考え方

 当社は株主のみなさまをはじめとした、顧客、地域社会、従業員などの多くのステークホルダーのみなさまのご期待・ご信頼に応えるため、当社のDNAであるコアバリューを土台とし、当社を導く北極星となるパーパス、2030年に成し遂げたい務めとしてのミッションを重ねた構成のデンカのビジョン(未来像)のもと、収益力や業容の拡大による事業基盤の強化を図る一方、社会の信頼と共感を得られる企業であり続けようとする姿勢を徹底することで、企業価値の向上に努めております。
 コーポレートガバナンスはそのためのベースと考え、ステークホルダーのみなさまに対する責任を果たすとともに、経営の透明性と健全性を確保するため、ガバナンスの強化に努めてまいりました。

現在のコーポレートガバナンス体制


取締役会および任意の委員会等

■取締役会(2022年度15回開催)
 取締役会は、当社のビジョンにおけるミッション達成のための戦略立案や経営計画をふまえた、重要な業務執行の決定と執行役員の業務執行に対する監視・監督をおこなっており、全体として、多様な知識・経験・能力を持った人財をバランス良く選任することが重要であるという考えのもと、社内・社外取締役それぞれの選任基準に基づき、取締役候補者を選任しております。(当社の取締役の選任に関する考え方の詳細は招集通知17ページをご覧ください。)
 また、取締役会を構成する取締役は、全取締役が対等な立場で業務執行を監視・監督することに注力できるよう、取締役における役位(専務取締役・常務取締役等)を原則として廃止しているのに加え、株主総会において取締役(監査等委員を除く。)に対するチェックが機動的におこなわれるよう、その任期を1年としております。
 さらに、取締役会の機能強化および客観性・透明性を高めることを目的に、取締役会の諮問機関として「指名・報酬等諮問委員会」を設置するとともに、経営上特に重要な事項に関する議論を深めるための「経営課題懇談会」を開催しております。

■指名・報酬等諮問委員会(2022年度4回開催)
 指名・報酬を含むガバナンス関連等、経営の重要課題について、取締役会が社外取締役の多様な意見や助言を受けることで、透明性と客観性のある経営判断につなげるため、全社外取締役、会長、社長を委員とする「指名・報酬等諮問委員会」を設置しております。
 昨年度は、役員体制やスキル・マトリックス策定、後継者計画、役員報酬制度の見直しに関する事項について取締役会より諮問を受け、本委員会で議論をおこない、その結果を答申・提言いたしました。
 なお、2023年度より本委員会の委員長には社外取締役が就任しております。

【トピックス:役員報酬制度の見直し(概要)】
 指名・報酬等諮問委員会の答申・提言を受け、役員報酬制度に関し、経営計画「Mission 2030」の達成に資する制度とするため、インセンティブの強化を中心とした以下の見直しを、2023年3月13日開催の取締役会で決議いたしました。
① 報酬構成比率の見直しと短期インセンティブの強化
各役員が経営計画の利益目標達成をより強く意識し行動するよう報酬総額のうち短期インセンティブの割合を高める。
② 個人業績評価制度の導入
各役員が管掌部門の財務/非財務の目標達成に強くコミットすることを促すため、個人別の目標管理・評価制度を導入し報酬に反映する。


③ 執行役員への株式報酬の導入
執行役員について、取締役と同様に、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めるため、新たに株式報酬制度を導入する。

■経営課題懇談会(2022年度7回開催)

 経営上特に重要な事項に関する議論を深めるため、社内および社外の取締役の間での自由闊達で建設的な議論・意見交換・情報交換・連携強化の場として、「経営課題懇談会」を開催しております。

■取締役会の実効性評価
 当社は取締役会の実効性に関する分析・評価を毎年おこなっております。昨年度の結果といたしましては、取締役会の開催頻度や時間、その構成(知識・経験・能力のバランスおよび多様性)は適正化が進んでいることおよび独立社外取締役が44%を占める取締役会により、経営の監視・監督が適切に実施されていることを確認いたしました。
 また、一昨年度の課題であった、コンパクト化した取締役会の運営体制確立について、コミュニケーションが活性化し、各取締役間で活発な意見が交わされるとともに、社外取締役の関与度合いがさらに強化されるなど、取締役会の実効性は確実に向上しているとの認識を共有いたしました。
 一方で、取締役会における議論のさらなる充実化について、長期事業戦略や大型投資案件に対するモニタリングやフォローに関しては、改善が見られるものの、経営課題懇談会の活用等によるさらなる役割強化が必要との意見や、指名・報酬等諮問委員会の一層の活用に関しては、同委員会では以前よりも具体的な議論がなされ、実効性の向上途上にあり、今後は後継者計画等に関する議論について、継続して充実化を図るべきとの意見が出されました。
 さらには、取締役会での付議・報告事項の説明に関し、工夫の余地があるとの指摘もされました。
 これらの建設的な意見をふまえ、取締役会として実効性の向上に引き続き努めることで、中・長期的な企業価値の向上を図り、株主をはじめとした多くのステークホルダーのご期待・ご信頼に応えてまいります。

監査等委員会(2022年度14回開催)

 監査等委員および監査等委員会は、株主のみなさまに対する受託者責任をふまえ、経営陣からの独立性が確保された専任の監査等委員会室スタッフのサポートのもと、法令に基づく当社の事業報告の請求や、業務・会計に関する調査、会計監査人の選解任・不再任や報酬等に関する権限の行使などをとおして、取締役の職務執行や内部統制、業務・会計に関する監査を実施しております。
 また、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の選任等および報酬等について、株主総会において陳述すべき事項を含む監査等委員会としての意見を決定しております。
 さらに、監査等委員会がその役割・責務を果たすため、監査等委員には、その職務に必要である適切な経験・能力を持ち、特に財務・会計に関する知見を有する者が少なくとも1名以上選任されるべきとの判断のもと、監査等委員である取締役の候補者を選定しております。

社外取締役

 社外取締役については、独立役員として当社の企業価値向上への貢献が期待できるか否かなど、実質面に主眼を置いた判断のもと、会社法が規定する社外性の要件に加え、東京証券取引所が定める独立性基準等をふまえた、当社独自の独立性基準(招集通知18ページをご覧ください。)を定めております。
 また、選任された社外取締役に対しては、当社に対する理解を深めることにより、当社の持続的成長と企業価値の向上のために、その役割を果たすことができるような環境の整備に努めております。
 具体的には事業所・工場などの視察のほか、下記のような取組みを実施しております。

■方針説明会(2022年度2回開催)
 社外取締役が中長期および短期的な事業・研究方針を理解するための説明会を開催しております。

■社外役員連絡会(2022年度4回開催)
 社外役員が会社から独立した立場で、取締役会議題や運営のあり方、当社の中長期的な課題とその解決策などを自由に議論し、社内取締役に共有することで、経営に資するようにしております。

政策保有株式

■政策保有株式に関する方針
 当社は、当該株式が安定的な取引関係の構築や成長戦略に則った業務提携関係の維持・強化に繋がり、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合について、保有していく方針であり、この方針にそぐわないものは、売却いたします。

■政策保有株式に関する取締役会での検証
 当社は、上記方針に則り、取締役会にて、当該株式の発行体の財務状況や当社との取引高とその経済合理性、当社の資本コストとの比較等様々な観点から、当該株式の総合的な検証を実施し、その保有目的について有価証券報告書に記載しており、毎年継続して検証を行っております。
 この継続的な検証の結果、2023年3月末の政策保有株式の銘柄数は前年度末と比べ、20銘柄減の70銘柄となり、連結純資産に占める割合は前年度末と比べ、1.68ポイント減の9.97%となりました。

<政策保有株式推移>

■政策保有株式に対する議決権行使基準
 当社は、政策保有株式に関する議決権の行使については、原則的には発行会社の経営方針や戦略を尊重した上で、その株式を管理する各担当部門が発行会社の経営状況等を勘案し、最終的には株主価値の向上に資するものかどうかの観点から個別に議案を精査して賛否の判断を行います。
 特に以下の場合には、必要に応じて発行会社との対話を行い、議案に賛成するかどうか、慎重に判断いたします。
(1) 著しい業績の悪化が一定期間継続している場合
(2) 重大な不祥事が発生した場合
(3) その他株主価値を毀損するおそれがある議案の場合

以上

コーポレートガバナンスに対するこれまでの取り組み


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2023/06/22 12:00:00 +0900
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