2023年4月、デンカグループは新たな挑戦をはじめました。これまで指針としてきた「The Denka Value」(企業理念)、Denkaの使命、Denkaの行動指針は、従業員の声をふまえ、より未来のデンカを見据えた新たな「ビジョン」へと進化。同時に、2023~2030年度の8ヵ年を対象とする新経営計画「Mission 2030」が始動しました。
「コアバリュー」とは、デンカのDNA。さまざまな判断をする上での拠り所にもなります。「挑戦」「誠実」「共感」は、デンカが脈々と受け継いできた姿勢を改めて言語化したものです。これからも一層大切にしていくべき信条です。
「パーパス」とは、デンカを導く北極星。デンカが存在する根本的理由です。デンカは世界でどのような存在でありたいのか、デンカだからこそできることは何かを突き詰めて考え、「化学の力」「世界をよりよくする」「スペシャリスト」といった言葉一つひとつを選び出しました。
「ミッション」は、デンカの務め。大胆で説得力のある野心的目標です。「コアバリュー」や「パーパス」が普遍性を持つものであるのに対して、「ミッション」は明確なゴールと期限があり、例えるならば“登るべき山”です。2030年に、その頂上にたどり着くことを目指し、具体的な戦略を経営計画「Mission 2030」に落とし込んでいます。
このデンカのビジョンを社内外に分かりやすく伝達する言葉としてコーポレートメッセージ「世界に誇れる、化学を。」を創りました。世界に誇れる唯一無二の存在(=スペシャリスト)として、化学の力で世界をよりよくすることを目指すという想いを込めました。
新たなビジョンの実現に向けて、2030年をゴールに取り組む経営計画が「Mission 2030」です。
事業価値創造、人財価値創造、経営価値創造の3つを成長戦略として、企業価値向上に取り組みます。事業価値創造では、デンカの全ての事業を、スペシャリティ・メガトレンド・サステナビリティの3要素をそなえた「3つ星事業」とすることを目指します。
事業価値創造では、想定される未来世界とメガトレンドから導き出された「3つの注力分野」である、ICT&Energy(アイシーティー・アンド・エナジー)、Healthcare(ヘルスケア)、Sustainable Living(サステナブル・リビング)に重点を置きます。そして、2030年までにスペシャリティ、メガトレンド、サステナビリティの3要素をそなえた「3つ星事業」を100%にしていきます。また、「3つ星事業」への転換が困難な事業については、売却・撤退を含め、ポートフォリオ変革を進めていきます。そのために、8年間合計で戦略投資3,600億円、研究開発費1,800億円をかけて、2030年に営業利益1,000億円以上を目指します。
並行して、地球への貢献と、企業のさらなる社会的価値向上を目指し、8年間合計で850億円の環境投資を行い、サステナビリティを追求します。
社員一人ひとりが自己実現と成長を実感できる企業を目指し、人財投資と制度改革を実現します。
ESG経営の観点から、企業存続の前提となる経営基盤の強化に取り組みます。
ROEとROICの改善
下記施策を通じて、ROE(株主資本利益率)とROIC(投下資本利益率)を改善させ、企業価値向上を図ります。
キャッシュアロケーション~総還元性向50%水準を維持~
営業キャッシュフローと負債を有効に活用して、8年間合計で7,400億円のキャッシュを生み出し、それを投資に5,700億円、株主還元に1,700億円(総還元性向50%水準)配分します。