事業の経過および成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け厳しい状況が続く結果となりました。年度前半は大幅な国内景気の落ち込みから持ち直しの傾向が見られたものの、年度後半の感染再拡大、緊急事態宣言の再発令などによる経済損失で回復ペースは緩やかに留まりました。企業業績は好調な業種も見られる一方、外出自粛要請の影響を受けたサービス業を中心に落ち込みが続いており、業績回復のばらつきが投資抑制や雇用・所得の減少に影響を与えています。
 当社グループを取り巻く国内ITサービス業界におきましては、業務プロセスやビジネスの革新にデジタル技術を積極的に活用する動きが加速しており、AIやIоTなどのシステム投資、「非接触」や「非対面」を実現するデジタル化など、企業のIT投資意欲は全体として底堅く推移しました。その一方で、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することにより、一部の業種・企業においてIT投資の抑制や先送りの動きが見られ、企業の投資計画の見直しについて注視していく必要があります。
 このような環境の下、当社グループは2018 年5 月18 日に発表した中期経営計画「Challenge to 2020」で掲げた、売上高140億円、営業利益23億円、ROE10%以上の達成へ向けて事業を推進してまいりました。基幹事業の金融機関向けソリューションにおいて、主力パッケージである個人ローン業務支援システム「SCOPE」などの好調な販売により受注高が伸長、さらに前期末時点での高水準な受注残が売上に寄与したことから、当連結会計年度の売上高は162億89百万円(前期比106.9%)、営業利益は21億86百万円(前期比126.5%)、経常利益は23億17百万円(前期比126.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億83百万円(前期比136.7%)となり、売上高、各利益は過去最高を更新いたしました。
 なお、第2次中期経営計画で定めた2021年3月期の定量目標に対し、売上高およびROEについては目標を達成したものの、営業利益は1億14百万円の未達となりました。報告セグメント別の営業概況は次のとおりです。

システムソリューション

 システムソリューションでは、金融機関において、コロナ禍の影響を受け業務の非対面化需要が一段と高まっており、主力の個人ローン業務支援システム「SCOPE」に加え、電子契約機能を実装したローンWeb受付システム「WELCOME」や個人信用情報照会システム「MICS2.0」の受注が好調に推移しております。また、既存顧客の大型システム更改への着実な対応、前期末受注残からの確実な納入等により前期に対し増収となり、コンタクトセンター向け自動受架電システム「ロボティックコール」では、大手クレジットカード会社や銀行からの受注があり、引き続き好調を維持しております。
 公共向けシステムでは、学校給食費の公会計化への移行に備えた給食費管理システムの新規受注や中核市から滞納管理システムの新たな受注を獲得するなど、計画通りに推移しております。売上につきましても前期末までの受注残が売上に寄与し、前期に対し大幅な増収となりました。
 小売業向けシステムでは、百貨店で基幹システム「RITS」、化粧品専門店でPOSソリューション「RITS-DX」が稼働し、売上に貢献しました。一方、百貨店や専門店など店舗向けのシステムやコールセンター向けの一部案件においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、受注の遅延や開発が延伸するなどの影響を受けております。
 その結果、受注高は94億92百万円(前期比113.9%)、売上高は87億80百万円(前期比97.7%)、セグメント利益は22億82百万円(前期比127.0%)となりました。

サービスソリューション

 サービスソリューションでは、公共分野向けBPO(業務委託)サービスにおいて、既存先の更改に加え県庁からの初受注、中核市から大型受注を獲得するなど好調に推移しており、前期に対し大幅な増収となっております。
 一方、調査業務専門の連結子会社では新型コロナウイルス感染症の影響により、主要顧客からの一部業務の受託が一時的に休止、延期になるなどの影響を受けました。徐々に受注は回復してきておりましたが、感染の再拡大により先行き不透明な状況が続いており、コロナ前の水準まで改善するには時間を要する見込みです。
 その結果、受注高は50億75百万円(前期比115.7%)、売上高は37億97百万円(前期比109.3%)、セグメント利益は5億3百万円(前期比81.4%)となりました。

基盤ソリューション

 基盤ソリューションでは、キャッシュレス決済やマルチペイメントの利用拡大が続く中、主力商品のマルチ決済端末「iRITSpay決済ターミナル」が順調に販売を拡大するとともに、前期末までの受注残が売上に寄与しました。
 一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と自粛の影響等により決済端末の主な導入先である加盟店では厳しい状況が続いており、自動販売機メーカーとの共同開発やWEBPOSベンダーとのシステム連携など、新たな決済サービスへの取り組みを推進しています。
 その結果、受注高は38億91百万円(前期比119.8%)、売上高は37億12百万円(前期比133.8%)、セグメント利益は8億35百万円(前期比139.7%)となりました。

[売上高の内訳]
 セグメント別の売上構成は以下のとおりです。

 (注)

セグメント別売上高は、外部顧客への売上高を表示しております。

<社会貢献活動>
 当社は、企業としての社会的責任を果たすため、国連WFP協会および公益財団法人日本ユニセフ協会に寄付を行っております。


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2021/06/18 12:00:00 +0900
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