第5回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 5076
①経営環境
当社グループを取り巻く経営環境においては、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方公共団体の財政がますます厳しくなる一方で、高度経済成長期に整備された膨大な数の社会インフラが一斉に老朽化していくため、新規建設はおろか、既存インフラの維持管理・更新への投資もままならない状況になると予想されます。また、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、デジタル化への変革、地球環境問題等への対応が不可避であることも考えると、建設産業においても従来の価値観が変わり、産業構造そのものが変化していくと考えられます。
このような社会課題の解決や、景気や国の政策等の外部要因による需給バランスの影響を強く受けるという特徴のある、建設業の請負ビジネスが本質的に持つボラティリティの高さに向き合うため、当社グループは、「造る」「建てる」といった請負の枠を超え、既存インフラをどのように維持し価値を高め続けるかという、投資や運営も含めたインフラのライフサイクル全体に関わるビジネスモデルの構築に挑戦してきました。
当社グループは引き続き、前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所、日本風力開発(株)、三井住友建設(株)をはじめとしたグループ各社が有する従来の事業における強みを活かしながら、インフラに関わる事業領域の拡大と、企画提案、施工、運営・維持管理、再投資等の、インフラの上流から下流までを一貫してマネジメントする「総合インフラサービス企業」への転換に挑戦し、目指す未来である「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現に向けて取り組んでまいります。
②三井住友建設(株)との経営統合及びPMI
当社は、三井住友建設(株)に対する株式公開買付けを実施し、2025年12月23日をもって当社の完全子会社となりました。
当社グループにおいては、高い技術力、営業力、調達力や施工供給力の確保に加え、新しいテクノロジーの更なる活用が競争力を高めていくために急務となっています。三井住友建設(株)は、土木分野における橋梁を中心とした公共工事、建築分野における超高層建築を代表とする高い技術力、アジアを中心とした海外事業における豊富な実績を強みとして有しており、同社を当社グループに迎え入れることにより、直面する諸課題に対応するケイパビリティを確保し、「総合インフラサービス企業」の実現の鍵となるエンジニアリング力の強化を狙っています。
2025年9月の三井住友建設(株)の連結子会社化後は、同社とのシナジーを最大限発揮するため、統合委員会や分野ごとに組成した分科会を通じて、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)に取り組んでいます。
③『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』の概要と進捗
『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』(以下、前中期経営計画)における取り組みと成果を踏まえ、当社は、2025年度から2027年度までの3年間を対象期間とする現中期経営計画を策定し、2025年3月に公表しました。2025年11月には、三井住友建設(株)のグループ入りに伴う見直しを行い、改訂版の現中期経営計画を公表しています。
現中期経営計画は、2030年度までを対象期間とする『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』で掲げている目指す姿の実現に向けて、前中期経営計画での成長を基盤に今後3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置付け、財務規律に則り、バリュー思考に基づく積極的な成長投資を推進します。事業活動から生み出される実質的な収益力を示すEBITDAを重要指標とし、特にインフラ事業における持続的成長を目指します。
また、当社は、2021年10月の設立時から機関設計として「指名委員会等設置会社」を採用し、取締役の過半数を独立社外取締役とするガバナンス体制を構築しています。2025年6月からは、取締役7名のうち6名を独立社外取締役で構成し、取締役会の監督機能の強化と執行側のスピード感ある意思決定を実現する体制の一層の推進を図っています。経営の監督と執行の機能を明確に分離し、透明・公正かつ果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスのあるべき体制をさらに進化させ、未来志向の事業戦略と実行力で企業価値向上と社会貢献の両立を実現してまいります。
ビジネスモデル
当社は、インフラの上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」を目指し、グループ全体が外的要因に左右されずに持続的な成長を実現するビジネスモデルの確立に取り組んでいます。請負事業の強化と脱請負事業の拡大により、成長サイクルの好循環を目指してまいります。

現中期経営計画の位置付け
当社は、現中期経営計画の3年間を、「投資事業拡大フェーズ」と位置付けています。官民連携事業や再生可能エネルギー事業への投資拡大や、請負を活かした新事業の実行、M&Aの更なる推進に注力しています。

業績目標
2027年度の業績目標について、以下のとおり定めています。

資本戦略・還元方針
資本戦略・還元方針について、以下のとおり定めています。資産の効率化と収益性の向上を通じてROEを12.0%まで引き上げるほか、自己資本比率30%以上を維持し、D/Eレシオを1.0倍以下に抑えることで、財務健全性を確保します。また、2026年度からは年間配当金の下限を普通株式1株当たり60円から90円に引き上げ、配当性向の目標を前中期経営計画の30%以上から引き上げ40%以上とすることで、安定かつ成長に連動した還元を維持してまいります。
政策保有株式については2027年度までに保有ゼロを目標とし、保有不動産については現中期経営計画期間中に100億円以上の売却を推進します。これらの売却により得られる経営資源を官民連携事業や再生可能エネルギー事業等の成長投資に振り向け、事業領域の拡大と利益の最大化を目指します。


④三井住建道路(株)に対する公開買付けによる完全子会社化について
当社の子会社である三井住友建設(株)は、同社の子会社である三井住建道路(株)に対し、完全子会社化を目的として、公開買付けを実施することを決定し、2026年4月22日に本公開買付けが成立いたしました。今後、スクイーズアウト手続きを経て、完全子会社となる見込みです。
三井住友建設(株)と三井住建道路(株)の両社は、これまで以上に緊密な連携の下で経営リソースを持ち寄り、施工・営業・調達・技術・開発等において一体化・最適化を推進することが一層の競争力強化に繋がると判断しました。また、完全子会社化(非上場化)により一般株主との間で生じる利益相反関係を解消し、インフロニアグループとして最適な資源配分・投資等を迅速に実施を可能にすることが見込まれます。
⑤水ing(株)の株式取得(完全子会社化)について
当社は、2026年4月14日、水ing(株)の全株式を(株)荏原製作所、日揮ホールディングス(株)及び三菱商事(株)(以下、3社)から取得することを決定し、3社との間で株式譲渡契約を締結しました。譲渡実行日は2026年7月1日を予定しており、同日付で同社は当社の完全子会社となる見込みです。
水ing(株)は、水処理設備のEPC・運転・維持管理(O&M)を主力事業とし、官民連携による水道事業の運営等を通じて、国内において高い実績を有しています。また、水道・下水道をはじめとする各種水処理分野において、設計・建設から運転管理まで幅広いサービスを提供しています。
水ing(株)の完全子会社化により、同社グループが保有する水処理エンジニアリング力及び運転管理体制と、当社グループが保有する事業の最適化や効率化を推進するプロジェクトマネジメント能力及び土木建築技術・ノウハウを相互に活用し、上下水道事業の設計・建設・維持管理・運営において一体的なサービス提供が可能になります。また、水ingグループが保有する維持管理拠点を起点として、当社グループが推進する「総合インフラサービス」としての道路や公共施設管理への展開・拡大も可能となり、当社グループ及び水ingグループの更なる企業価値向上に寄与するものと考えています。