第4回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 5076

対処すべき課題

①経営環境
 当社グループを取り巻く経営環境においては、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方公共団体の財政がますます厳しくなる一方で、高度経済成長期に整備された膨大な数の社会インフラが一斉に老朽化していくため、新規建設はおろか、既存インフラの維持管理・更新への投資もままならない状況になると予想されます。また、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、デジタル化への変革、地球環境問題等への対応が不可避であることも考えると、建設産業においても従来の価値観が変わり、産業構造そのものが変化していくと考えられます。
 このような社会課題を解決するため、当社は、前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所、日本風力開発(株)をはじめとしたグループ各社が有する従来の事業における強みを活かしつつ、グループのシナジーを発揮することが重要と考えています。
 当社グループは引き続き、インフラに関わる事業の企画提案、施工、運営・維持管理、再投資等のインフラのライフサイクル全体をマネジメントする「総合インフラサービス企業」への転換に挑戦し、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現を目指してまいります。

②『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』の振り返り
 当社は、2021年10月の当社設立に伴い、2024年度までの3年間を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』(以下、前中期経営計画)を策定し、公表しました。
 業績については、国内のバイオマス発電事業の動向等に鑑み、予定していた再生可能エネルギー事業の売却を延期しましたが、建築、土木、舗装事業における高水準な受注時利益率の確保、施工管理の徹底、設計変更の確実な獲得により、計画からは未達となったものの、3年間において堅調な成長を達成しています。また、重要指標としていた付加価値額も順調に増加しており、前中期経営計画の最終年度となる2024年度においては、計画を上回る1,777億円となりました。
 資本戦略・還元方針に係る計画の達成状況については、日本風力開発(株)の完全子会社化による影響で一部計画未達となったものの、配当性向は増配により30%を上回る水準で推移し、自己株式の取得も目標である累計400億円を早期に達成しました。政策保有株式については、2027年度までに保有ゼロとする目標を新たに掲げました。2024年度においては株式29銘柄(売却金額合計約240億円)を売却する等、政策保有株式の縮減に向けた取り組みを加速しています。

<業績数値>

(注)
  1. 億円未満を四捨五入して表示しています。
  2. 計画対比は2024年度(2025年3月期)との比較により表示しています。
  3. 親会社の所有者に帰属する当期利益です。

<資本戦略・株主還元>

(注)

計画対比は2024年度(2025年3月期)との比較により表示しています。

③『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』の概要
 前中期経営計画における取り組みと成果を踏まえ、当社は、2025年度から2027年度までの3年間を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』(以下、新中期経営計画)を策定し、2025年3月に公表しました。新中期経営計画では、2030年度までを対象期間とする『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』で掲げている目指す姿の実現に向けて、前中期経営計画での成長を基盤に今後3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置付け、財務規律に則り、バリュー思考に基づく積極的な成長投資を推進します。EBITDAを重要指標として収益力を正確に把握し、特にインフラ事業における持続的成長を目指します。
 また、当社は、2021年10月の設立時から機関設計として「指名委員会等設置会社」を採用していますが、経営の監督と執行の機能を明確に分離し、透明・公正かつ果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスのあるべき体制をさらに進化させ、未来志向の事業戦略と実行力で企業価値向上と社会貢献の両立を実現してまいります。

ビジネスモデル
 当社は、インフラの上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」を目指し、グループ全体が外的要因に左右されずに持続的な成長を実現するビジネスモデルの確立に取り組んでいます。請負事業の強化と脱請負事業の拡大により、成長サイクルの好循環を目指してまいります。

新中期経営計画の位置付け
 当社は、新中期経営計画の3年間を、「投資事業拡大フェーズ」と位置付けています。官民連携事業や再生可能エネルギー事業への投資拡大や、請負を活かした新事業の実行、M&Aの更なる推進に注力してまいります。

業績目標
 2027年度の業績目標について、以下のとおり定めています。

(注)
  1. 事業利益に減価償却費を加算して算出します。
  2. 加算法または控除法により算出します。加算法による場合、事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和により算出される額とします。控除法による場合、売上高から外部購入費用を控除して算出される額とします。

資本戦略・還元方針
 資本戦略・還元方針について、以下のとおり定めています。資産の効率化と収益性の向上を通じてROEを9.0%まで引き上げるほか、自己資本比率30%以上を維持し、D/Eレシオを1.0倍以下に抑えることで、財務健全性を確保します。また、年間配当金の下限を普通株式1株当たり60円とし、配当性向の目標を前中期経営計画の30%以上から引き上げ40%以上とすることで、安定かつ成長に連動した還元を維持してまいります。
 政策保有株式については2027年度までに保有ゼロを目標とし、保有不動産については新中期経営計画期間中に100億円以上の売却を推進します。これらの売却により得られる経営資源を官民連携事業や再生可能エネルギー事業等の成長投資に振り向け、事業領域の拡大と利益の最大化を目指します。

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2025/06/24 11:00:00 +0900
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