業績の状況
a.連結経営成績の概況
(連結経営成績の概況)
当連結会計年度における売上収益は23,107億円(前連結会計年度比6.3%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増収となり、特にHRテクノロジー事業の売上成長が寄与したことによるものです。なお、売上収益に対する為替影響額は124億円のマイナス寄与となりました。
当連結会計年度における営業利益は2,230億円(前連結会計年度比16.3%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業及び人材派遣事業が全て増益となったことによるものです。
当連結会計年度における税引前利益は2,398億円(前連結会計年度比20.4%増)となりました。これは主に営業利益の増加及び持分法による投資利益の増加によるものです。
当連結会計年度における当期利益は1,753億円(前連結会計年度比15.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,742億円(前連結会計年度比14.9%増)となりました。
当連結会計年度におけるEBITDAは2,932億円(前連結会計年度比13.5%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業、メディア&ソリューション事業及び人材派遣事業が全て増益となったことによるものです。
当連結会計年度における調整後EPSは107.10円(前連結会計年度比23.5%増)となりました。当連結会計年度における配当算定基準とする当期利益(注)は1,623億円(前連結会計年度比23.2%増)となりました。なお、調整後EPS及び配当算定基準とする当期利益は、より経常的な収益力を表すことを目的に、当連結会計年度より調整項目の内容を一部変更しています。従来は、持分法適用会社である51job, Inc.が発行している転換社債に係る損益について、一部のみを非経常項目としていましたが、これまで非経常項目としていなかった項目についても発生の源泉が同一の転換社債であること及び今後重要性が増す見込みであることを考慮し、非経常項目として調整することとしました。前年同期も同様の調整を加味して算出した場合、当連結会計年度の調整後EPSの増減率は20.9%増となりました。
目標とする経営指標
当社グループでは、2017年3月期から2019年3月期までの3年間における調整後EPSの年平均成長率目標を一桁後半として経営目標に設定し、2019年3月期末における3年間の年平均成長率は15.5%となり目標を達成しました。今後の目標とする経営指標は「対処すべき課題」を参照してください。
b.セグメント業績の概況
業績の概況
当報告セグメントはオンライン求人情報専門検索サイト「Indeed」、オンライン求人広告及び企業情報サイト「Glassdoor」及びこれらに関連する事業で構成されています。
当連結会計年度における売上収益は3,269億円(前連結会計年度比49.6%増)となりました。これは主に、好調な経済環境及び雇用市場を背景に、Indeedにおいて新規及び既存クライアント(企業等)の有料求人広告利用が増加したことによるものです。また、第1四半期に子会社化が完了したGlassdoorの業績も売上収益成長に寄与しました。
米ドルベース売上(注1)の前連結会計年度比は、49.0%増となりました。また、当社は当連結会計年度よりIFRS第15号を適用しており、会計方針を変更しています。前連結会計年度に同等の会計方針の変更が適用されたと仮定すると、米ドルベース売上(注2)の前連結会計年度比は、54.0%増となりました。
当連結会計年度のセグメント利益(セグメントEBITDA)は474億円(前連結会計年度比55.0%増)となりました。これは主に売上収益の拡大によるものです。また、売上成長を促進するため、新規のユーザー(個人等)及びクライアントの獲得にむけた営業体制の拡充及びマーケティング活動の展開並びにユーザーとクライアント双方へのサービス拡充を図るプロダクトの強化等に対して機動的に投資を行っています。
Indeed
Indeedはプラットフォームへの積極的な投資を通じ、ユーザーの求職活動をより良く効率的なものにすることを追求し続けています。Indeedの月間ユニークビジター数は約2億5,000万人(注)となり、引き続き前年同期比で増加しました。採用活動にIndeedを利用する求人企業、人材紹介企業及び人材派遣企業等の数が増加することによって、Indeedのクライアント基盤は拡大を続けています。当連結会計年度末において、Indeedは14ヶ国、29都市にオフィスを展開し、従業員数は約8,900人となりました。
Glassdoor
Glassdoorは、ユーザー投稿による企業レビューや給与情報等の独自のデータベースを有し、企業の透明性を高めることによって、ミッションである「To help people find a job and company they love」を追求しています。Glassdoorを利用する求職者は求人企業にとって採用の可能性が高く、入社後も比較的長期間同じ企業に勤務する傾向があります。Glassdoorの月間ユニークビジター数は約6,700万人(注)となり、前年同期比で二桁の成長となりました。また、クライアント基盤の拡大により、企業ブランディング及び求人広告商品の売上が増加しました。当連結会計年度末において、Glassdoorの従業員数は約900人となりました。
主要な事業内容
業績の概況
当報告セグメントは販促領域及び人材領域の2つの事業領域で構成されています。
当連結会計年度における売上収益は7,214億円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。これは主に、販促領域の住宅分野及び美容分野並びに人材領域の国内人材募集分野が増収になったことによるものです。
当連結会計年度におけるセグメント利益(セグメントEBITDA)は1,724億円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。これは販促領域及び人材領域が増益となり、特に販促領域の増益が寄与したことによるものです。また、当連結会計年度から新たな経営体制に移行したことに伴い、連結グループ内取引に関する費用、具体的には経営指導料や管理機能に係る業務委託費の配賦方針に変更があり、この変更がセグメント利益を押し上げました。この影響を控除した際の当連結会計年度のセグメント利益の前連結会計年度比は、6.3%増、販促領域11.3%増、人材領域4.2%増(注)となりました。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(各事業分野の概況)
・販促領域
住宅分野:
当分野は住宅の売買、賃貸、リフォームに関する情報誌及び情報オンラインプラットフォーム「SUUMO」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、継続的なオンラインプラットフォームの改修やユーザー集客の推進に加えて、クライアントの業務及び経営を支援するソリューションの提供に注力しました。
当連結会計年度における売上収益は1,041億円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。なお、前第3四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の当連結会計年度の売上収益の前連結会計年度比は9.9%増(注)となりました。
結婚分野:
当分野は結婚に関する雑誌及び情報オンラインプラットフォーム「ゼクシィ」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、少子化等の影響により国内の婚姻組数は減少傾向にあるなかで、新しいプロモーション施策等を通して結婚式場運営クライアントの高い集客ニーズを取り込むことに注力しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は549億円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。
旅行分野:
当分野は主に国内旅行に関する情報誌及び検索予約サイト「じゃらん」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、当社グループのサービスを通じた延べ宿泊者数が増加し、宿泊単価が上昇しました。また、クライアントの業務及び経営を支援するソリューションの提供に積極的に取り組みました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は616億円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。
飲食分野:
当分野は飲食店の情報等を掲載した検索予約サイト「HotPepperグルメ」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、外食市場の回復傾向が継続し、「HotPepperグルメ」への広告出稿が増加しました。一方で、人手不足等を受けて、飲食店を取り巻く経営環境は引き続き厳しさがみられますが、業務・経営支援サービス「Airシリーズ」や予約・顧客管理システム「レストランボード」の提供に積極的に取り組み、クライアント接点の強化に注力しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は388億円(前連結会計年度比4.0%増)となりました。
美容分野:
当分野はヘアサロン等、美容サロンの情報等を掲載した検索予約サイト「HotPepper Beauty」を中心に、関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、引き続き地方圏及び都市圏郊外でのクライアント獲得が順調に進展したことにより取引店舗数が拡大し、「HotPepper Beauty」を通じたネット予約件数が増加しました。また業務・経営支援サービス「Airシリーズ」や予約・顧客管理システム「SALON BOARD」の提供に積極的に取り組み、クライアント接点の強化に注力しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は720億円(前連結会計年度比12.9%増)となりました。
その他(販促領域):
当分野は自動車分野、「スタディサプリ」を中心とした学び及び進学等の教育関連分野、海外販促分野並びに「Airシリーズ」の事業等により構成されています。
当連結会計年度における売上収益は687億円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。なお、前第3四半期及び第1四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の当連結会計年度における売上収益は前連結会計年度比11.9%増(注)となりました。
・人材領域
国内人材募集分野:
当分野は「リクナビ」、「リクナビNEXT」、「タウンワーク」等、様々な雇用形態に合わせた求人広告サイトや「リクルートエージェント」等の人材紹介事業、及びそれらに関連する事業を運営しています。当連結会計年度においては、国内の労働市場の逼迫した情勢が継続するなか、引き続きブランド力強化策の実施やユーザー集客及び営業体制の強化等を行い、売上収益が増加しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は2,839億円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。なお、第2四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の当連結会計年度における売上収益は前連結会計年度比6.2%増(注)となりました。
その他(人材領域):
当分野は国内における人材育成サービス関連事業や、アジアでの人材紹介事業等により構成されています。当連結会計年度より、従来は国内人材募集分野に含まれていた一部事業を、当分野に移管したことにより、売上収益が増加しました。
当連結会計年度における売上収益は328億円(前連結会計年度比38.3%増)となりました。
主要な事業内容
業績の概況
当報告セグメントは、国内派遣及び海外派遣の2つの事業領域で構成されています。
当連結会計年度における売上収益は12,902億円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。国内派遣領域において、人手不足が継続する環境を受けて売上収益が伸長したものの、海外派遣領域において、主に欧州における不透明な経済環境の影響、為替影響及びIFRS第15号の適用の影響(注)が売上収益に対してマイナスとなったため減収となりました。
当連結会計年度におけるセグメント利益(セグメントEBITDA)は829億円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。これは主に、国内派遣領域が増収に伴う増益となり、海外派遣領域が生産性向上に注力し増益となったことによるものです。特に国内派遣領域において法改正の影響を受け、第3四半期以降、派遣労働者の派遣先企業への直接雇用化が進み、紹介手数料が増加したことが寄与しています。また、メディア&ソリューション事業と同様に、当連結会計年度より当報告セグメントの国内派遣領域においても、連結グループ内取引に関する費用の配賦方針を変更しています。この影響を控除した際の当連結会計年度のセグメント利益の前連結会計年度比は、10.4%増、国内派遣領域は18.9%増(注)となりました。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(各領域別の概況)
・国内派遣領域
国内市場においては、引き続き派遣社員実稼働者数が高水準で推移し、企業からの人材派遣の需要は高い状況が続いています。このような環境の下、新規登録スタッフの増員及び新規派遣契約の獲得に注力しました。
この結果、当連結会計年度における売上収益は5,425億円(前連結会計年度比6.5%増)となりました。
・海外派遣領域
当連結会計年度における売上収益は7,477億円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。なお、売上収益に対する為替影響額は127億円のマイナス寄与、IFRS第15号適用に伴う影響は163億円のマイナス寄与となり、この影響を控除した売上収益は前連結会計年度比で1.6%の減収となりました。当連結会計年度においても、引き続きユニット経営(注)に基づき収益性を重視した事業運営に取り組み、主に欧州において管理コストの効率化のための投資を行いました。
主要な事業内容
当連結会計年度の設備投資については、総額で753億円(金額には消費税等を含めていません。)であり、主なものはソフトウエアの開発・取得に伴う資産の受入です。
ア.HRテクノロジー事業
当連結会計年度の設備投資は、事業拡大に伴うオフィス拡張及び改築と諸設備の拡充等に伴い、188億円の資産の受入を実施しました。
なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
イ.メディア&ソリューション事業
当連結会計年度の設備投資は、ソフトウエアの開発・取得等に伴い、506億円の資産の受入を実施しました。
なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
ウ.人材派遣事業
当連結会計年度の設備投資は、ソフトウエアの開発・取得等に伴い、51億円の資産の受入を実施しました。
なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
エ.全社共通
当連結会計年度の設備投資は、ソフトウエアの開発・取得等に伴い、6億円の資産の受入を実施しました。
なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
該当事項はありません。
当社グループは、2018年6月21日付でGlassdoor, Inc.の株式の100%を取得しました。