将来の成長に向けた対処すべき課題

 世界的な人口増加や高齢化、都市化の拡大、CO2排出による地球温暖化や交通事故がますます大きな社会課題となる中、当社は、2017年度に2030年長期方針を策定し、従来注力してきた「環境」、「安心」の提供価値を最大化することに加え、社会から「共感」していただける新たな価値の提供を通じて、笑顔広がる社会づくりに貢献する活動を推進してまいりました。

 しかし2019年度に経営の基盤を揺るがす品質問題が発生、2019年度から2020年度にかけて売上成長にブレーキをかける新型コロナウイルス感染症の影響など、事業環境は大きく変化しました。

 そこで2021年度末までに、新しいデンソーとして再出発することを目指した、変革プラン「Reborn(リボーン)21」の取り組みを開始しました。

 当社は創業当初より自動車関連分野を中心とし、その技術を応用した生活・産業関連機器の開発や製造に取り組んできました。その事業領域を「モビリティ」「モノづくり」「ソサエティ」に広げ、「環境」「安心」への取り組みを再定義し、成長戦略を立案・実行していきます。人の幸せに貢献すること、社会課題に解決策を提供することで利益を生み出し、持続可能なビジネスとして成立させていきます。また企業基盤となる、よい商品を早くお届けする仕事の進め方や組織の変革、変化に強い財務体質、事業ポートフォリオの見直しなど、事業を通じて社会課題を解決するサステナブル経営を強化していきます。

デンソーグループ2030年長期方針

地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい。

2030年の目指す姿

地球にやさしく、すべての人が安心と幸せを感じられるモビリティ社会の実現に向け、新たな価値を創造し続ける企業

Crafting the Core 環境 安心 共感

デンソー変革プラン Reborn21の概要

Reborn21の概要

カーボンニュートラルとは・・・企業活動や個人のライフサイクル全体で見たときに、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量と吸収量が同じである状態。

環境の目標 2035年カーボンニュートラル実現にむけて

 当社は創業時より先進技術で社会課題に向き合い、価値を生み出してきました。

 1950年代はガソリン不足解消を図るため、電気自動車を開発、1960年代には排ガス浄化のニーズに対応するため、ガソリンエンジン用燃料噴射装置の研究を開始する一方、工場の建設にあたって環境基準の遵守を徹底するなど環境問題に取り組んできました。

 2000年以降は環境行動指針をグローバルに共有するデンソーエコビジョンを策定しており、2016年に発表した環境・エネルギー問題へのアクションプラン「エコビジョン2025」では、CO2排出量1/2を目標としています。これをさらに加速させ、2035年のカーボンニュートラルを目指していきます。

目標達成への取り組み

モノづくりでのカーボンニュートラルを目指す
メガソーラー等で発電した温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギー(再エネ)由来の電力を活用することで、カーボンニュートラル工場を目指します。

※クレジットとは・・・省エネ・再エネ機器の導入などにより生み出された温室効果ガスの排出削減量・吸収量を、決められた方法に従って定量化し取引可能な形態にしたもの。

モビリティ製品で可能な限り削減する
様々なモビリティに対応できる多様な電動化・水素化製品の品揃え・拡販や走行中給電システムなどの新規製品でCO2削減に貢献します。
エネルギー利用でマイナスにする
CO2回収・循環システムなどによってカーボンニュートラルなエネルギー利用に貢献します。

事例のご紹介

安城製作所の取り組み

安城製作所では環境に配慮した工場で電動化製品を開発、生産する取り組みを行っており、今後はほかの工場へも広げていく予定です。

モノづくり
メガソーラー発電、F-IoTを活用した待機電力の低減(アイドルストップ)
モビリティ製品
電動化車両向けのキーコンポーネント製品の生産
(インバーター、モータージェネレーター、電池パックなど)
エネルギー利用
CO2を回収し、再資源化の実証実験
エネルギー利用CO2循環プラントの実証実験を開始
CO2循環プラント

実証実験を開始したCO2循環プラントは、主に工場で発生するCO2を回収し、エネルギー源や他の材料に循環利用することを想定した設備です。ガスを使用する機器の排気から回収したCO2と、再生可能エネルギー電力を用いて生成した水素から、メタンを合成してエネルギー源として再利用するプロセスを実証しています。

  • 本取り組みの技術は(株)豊田中央研究所と共同で開発しました。

デンソー CO2循環プラント紹介動画
https://youtu.be/M4asCTlb-zk

QRコード

電動化

実現したい未来

当社は長年、電動化技術の開発を行ってきました。その結果、ハイブリッド車に欠かせない主要製品の高性能化や小型化、省燃費を実現し、世界中で生産実績を積み上げてきました。今後は、当社の幅広い事業領域を活かし、車内のあらゆるシステムや製品をつなぎ、クルマの中のエネルギーを効率よくマネジメントすることで、さらなる燃費性能の向上や省電力化により、CO2排出ゼロに貢献していきます。

貢献するSDGs

具体的な取り組み

電動化製品のグローバル生産拠点

日本(安城、広瀬)、アメリカ(テネシー)、中国(天津)で電動化製品を製造し、お客様に製品を届けています。また、激変する電動化の動きに対して開発効率を上げスピーディに対応していくため、安城製作所内に電動開発センターを設立いたしました。今後の電動化関連製品の需要拡大に対応するため、中国南部での生産増強のほかアジアや欧州での生産を検討しています。

電動化製品のグローバル生産拠点マップ

自動運転

実現したい未来

当社は、交通事故のない、誰もが安心・安全に移動できるモビリティ社会を目指しています。そのために、これまで品質と信頼性の高いセンシング技術の開発に取り組んできました。今後は、AI・ソフトウェア技術を高度化することにより、モビリティ社会の未来に確かな安心をお届けします。

  • AI:人工知能(Artificial Intelligenceの略)
貢献するSDGs

具体的な取り組み

踏み間違い防止装置が各社で採用 既販乗用車の衝突被害軽減に貢献

当社製品の後付け装着可能な「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」が、SUBARU、マツダ、スズキ、日産自動車、三菱自動車工業の各車両メーカの純正用品として採用されました。この製品は、ドライバーの操作に対して、発進時や後退時の加速を抑制します。当社はブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違いによる衝突事故の軽減に貢献することで安心・安全なクルマ社会の実現を目指します。

ペダル踏み間違い急発進抑制装置

高度運転支援技術で車両の安全性能向上に貢献

高度運転支援の実現には、車両周辺の検知性能の向上、高精度な自車位置の特定、センサー情報の高速処理が必要です。当社は乗員に安心感を与える高度運転支援を実現する技術開発と車両の安全性能向上に貢献する製品を開発し、2021年4月発売のLEXUS新型「LS」及び、TOYOTA新型「MIRAI」に搭載される「Advanced Drive」向けの製品として採用されました。

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2021/06/22 11:00:00 +0900
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