第60回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 7816

事業の経過及び成果

 当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日)における我が国の経済活動は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に下がり、3年ぶりに行動制限のない日常が戻ってきたことから、人々が旅行や多様なレジャーを楽しんでいることや、政府・経済団体を中心に賃上げの動きが強く出ており、長く続いてきたデフレ局面からの脱却も見えつつあることなどもあり、明るい兆しが見え始めてきていると思われます。
 一方、世界経済においては、ロシアによるウクライナ侵攻継続に加え、中東ガザ地区での紛争勃発や、中国での景気減速懸念や、若干落ち着いてきたとは言え先進国でインフレが引き続き進展するなど、先行き不透明な状況は引き続き変わっていないと考えております。
 当社グループが属するアウトドア業界は、コロナ下において一時的に急拡大した局面から巡航速度での成長に戻る過程と認識しております。一方で、冬キャンプに行く人々が増加するなど、キャンプに対する需要は底堅いものがあると考えております。
 このような環境下において、当社グループは「人間性の回復と自然指向のライフバリュー」を全世界の多くの人々に提供するため、国内・海外市場ともに、新規顧客創造や既存ユーザーのロイヤルカスタマー化に、引き続き注力してまいりました。
 国内市場については、新規出店や、キャンプフィールド新設など、新規顧客の開拓に引き続き注力するとともに、体験型消費(キャンプフィールド・イベント等)の強化に取り組み、カスタマーエンゲージメントを高める取り組みを継続してまいりました。海外市場については、全拠点でブランド認知の拡大を推進するべく、販売チャネルの増強、体験拠点の新設に注力しました。
 当社グループの営業概況は、アウトドア市場全体が巡航速度での成長に戻る過程にあり、また記録的な猛暑であったことなどから、売上高は前年比減少となっております。しかしながら、1月に製品の値上げを実施したことに加えて、前年高騰した原材料価格が落ち着き、また、為替についても年間を通じて1ドル130円~140円台半ばのレンジで動いていたことから、原価については安定的に推移しており、売上総利益率は前年比上昇しております。一方、販売費及び一般管理費は、グループをあげてコスト削減に努めたものの、国内全社員のベースアップを2月から実施したこと、新規出店による地代家賃の増加などもあり、前年比増加しております。加えて、既存店舗及び海外現地法人の収益性を見直したことにより、減損損失を計上しております。結果として、各利益項目におきましても、前年比減少となっております。当連結会計年度における業績は以下の通りとなりました。
  売上高 25,728百万円(前年比16.4%減)
  営業利益 943百万円(前年比74.3%減)
  経常利益 1,192百万円(前年比66.9%減)
  親会社株主に帰属する当期純利益 1百万円(前年比99.9%減)
 国内での事業は、直営店では、ユーザーと密接な関係を構築していることや、2024年新製品の先行販売を開始したことに加え、キャンプフィールドを3拠点開設したことなどから、引き続き、来店客数・レジ客数ともに増加をしており、売上も前年比堅調に推移しております。一方、卸売では、アウトドア全般に対する需要減少の影響が大きく実売が進んでいないことから、売上は前年比減少しておりますが、当社製品の卸売先での在庫水準は適正水準に近づきつつあり、回復の兆しが見えてきていると認識しております。
 海外での事業は、地域ごとで違いがみられており、状況について以下記載させていただきます。
 韓国では、5月に、初の直営キャンプフィールドである“Snow Peak EVERLAND Campfield”を開設し、お客様の満足度を高める取り組みを引き続き実施しております。売上は、前年まで韓国から行っていた中国向けの越境EC売上高を除いた数値で比較すると、前年比増加しております。
 台湾では、10月に、旗艦店である“Snow Peak HQ LOUNGE”を開設しており、お客様との接点をより高めておりますが、卸売先の在庫調整の影響を受け、売上は前年比減少となっております。
 中国では、2022年10月に設立した合弁会社が、EC推進や、大都市でのSIS展開などのビジネス展開を進めており、売上を伸ばしております。12月には、北京において大型旗艦店である“Snow Peak Zhong Guan Cun Flagship Store”を開設しております。
 米国では、全米でSIS出店を進めていますが、主要卸売先での在庫調整の影響があり、売上は、前年比減少しております。ブランド認知を高めるべく米国初の直営キャンプフィールドを2024年春に開設する旨、12月に公表しております。
 英国については、EU最大のアウトドアショーに参加して欧州各国のバイヤーに製品をアピールするなど、英国のみならずEU圏内での新規取引先の拡大を進めておりますが、売上は、前年比減少となっております。


前の項目へ次の項目へ
2024/03/28 12:00:00 +0900
外部サイトへ移動します 移動 ×

カメラをかざして
QRコードを
読み取ってください

{{ error }}