当社は、2007年8月23日開催の当社第70回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき、当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)を導入いたしました。その後、2010年8月20日開催の当社第73回定時株主総会の決議、2013年8月23日開催の当社第76回定時株主総会の決議、2016年8月26日開催の当社第79回定時株主総会の決議、2019年8月23日開催の当社第82回定時株主総会の決議に基づき継続しております(以下、現行の買収防衛策を「現プラン」といいます。)。現プランの有効期限は、2022年8月26日開催予定の当社第85回定時株主総会(以下、「本株主総会」といいます。)の終結の時までとなっております。
当社では、2015年7月21日に制定した「コーポレートガバナンスに関する基本方針」に基づき、当社グループが遂行する事業が、機密性または秘匿性の高い法定および任意のディスクロージャーおよびIR関連書類の作成支援等を専門とする公益性の高いものであることを前提として、株主共同の利益を確保するため、現プランの継続の是非も含め、環境の変化に合わせてその内容について引き続き検討してまいりました。
その結果、来る本株主総会における株主の皆様のご承認を条件に、現プランを継続(以下、新たに継続するプランを「本プラン」といいます。)することを、社外取締役3名を含む2022年7月8日開催の取締役会において決定しましたのでお知らせいたします。
本プランの継続につきましては、社外監査役2名を含む監査役3名も本プランが適正に運用されることを条件として全員が賛成する旨の意見を述べております。
第1 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、2019年12月2日をもって、新設分割方式により、当社の子会社として宝印刷株式会社を設立し、持株会社体制に移行しております。また、2019年2月に株式会社十印、2020年3月に株式会社サイマル・インターナショナルの全株式を取得し、通訳・翻訳事業の強化・拡大を図っております。
当社グループの基幹業務は、主に子会社である宝印刷株式会社において、上場企業等の顧客から受託する金融商品取引法、会社法等のディスクロージャーおよびIRに関する書類の作成支援等を行うものであり、公正な資本市場の発展にとって重要な事項にかかわるものであります。とりわけ当社の事業の円滑な遂行に困難な状況が生じた場合、顧客によるディスクロージャーやIRの活動に支障をきたし、ひいては公正な資本市場の維持に重大な影響を与える可能性があり、当社グループは、事業の遂行に関し重大な社会的責任を負っているものと考えております。
また、通訳・翻訳事業においても、顧客の重要な機密を取扱うことが想定され、当社グループの事業においては、顧客から受託する情報(インサイダー情報を含む。)の機密性または秘匿性を保持・確保するセキュリティ環境および高度な専門性が求められます。顧客へ提供するディスクロージャーやIRに関する情報や各種ツール、個々の従業員が保持するノウハウや当社およびグループ各社の業務にご協力いただける取引先とのネットワークは、当社およびグループ各社が創業以来培ってきた貴重かつ重要な資産であり、顧客からの信頼を獲得し、同時に顧客のニーズに応じた行動ができる環境をつくり、組織の力を高めていく経営を行うことこそが、当社の企業価値の源泉であると考えております。
当社は、中長期的な観点で株主の皆様に還元し得る利益を確保すること、また、経営の独立性を保ち、当社の社会的役割・使命を十分に果たすことを通じてのみ当社の企業価値の向上および株主共同の利益の確保が実現されるものと確信しております。また、株主の皆様はもちろん、顧客を中心に、取引先、従業員等のステーク・ホルダーとの健全で適切な関係を維持、発展させていくことが極めて重要であり、これこそが当社グループの基幹業務であるディスクロージャーとIRの分野に加えて通訳・翻訳事業における優位性を保つための基本であると考えております。
従って、当社株式の買付の提案を受けた場合に、その買付が当社の企業価値および株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断するためには、買付者の提案する事業計画の実現可能性・適法性、それが、当社の有形無形の経営資源、特に、顧客からの信頼に与える影響を中心に各ステーク・ホルダーに与える個々の影響とそれが当社の企業価値に及ぼす影響、当社グループの財務と業務の実情、その他当社の企業価値を構成する諸要因を十分に把握・検討する必要があると考えます。
当社は、上記のような把握・検討に基づいて、当社グループの基幹業務であるディスクロージャーおよびIRに関するノウハウに象徴される企業価値が毀損され、これにより株主共同の利益を損なう可能性があると判断される当社株式の大量買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えます。
具体的には、大量買付行為のうち、❶当社の企業価値および株主共同の利益を明白に侵害するおそれのあるもの、❷強圧的二段階買付等、株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの(公開買付けにおいて、あらかじめ二段階目の買付条件を当初の買付条件よりも不利に設定して買付けを行うこと。この場合、株主が最初の買付けへ応募せざるを得ないこととなる。)、❸買付に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を当社に与えることなく行われるもの、❹買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を株主の皆様に十分に提供することなく行われるもの、❺買付の条件等(対価の価額・種類、買付の時期、買付の方法の適法性等)が当社の企業価値に鑑み不十分または不適当であるもの等は、当社の企業価値および株主共同の利益に資するものではないと判断いたします。
第2 本方針の実現に資する取組みについて
当社は、証券取引委員会(現 金融庁)出身の故野村正道氏による創業以来、機密性または秘匿性の高い顧客のディスクロージャーおよびIR関連書類の作成支援および通訳・翻訳等を専門とする事業をグループ全体として営んでおり、専門的な知識はもとより、情報管理体制、品質管理体制などを重視した経営体制を確保しております。
また、当社グループでは、リスク管理体制の強化に取り組むなど、内部統制システムの整備・改善を図り、「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」に基づきコーポレート・ガバナンスのさらなる充実に努めるとともに「新・中期経営計画2023」を策定し、目標達成に向けて取り組んでおります。
なお、株主の皆様への長期的利益還元については、これを重要な経営課題の一つと考え、安定配当を行うことを基本とし、企業体質の強化および今後の事業展開を勘案したうえで、業績に応じた配当を行うこととしており、また、業務遂行を円滑に実施するために必要な内部留保はできているものと考え、可能な限り配当金として株主の皆様へ還元することとしております。また、自己株式の取得につきましては、株主の皆様への利益還元と資本効率の向上を目的に当社株式の流動性等を勘案しつつ、必要に応じて実施することとしております。
当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本方針に基づき持続的な成長と社会的な存在価値および中長期的な企業価値を向上させるため、CSR経営を推進しつつ利益を確保し、高品質な製品・サービスの提供、環境保全活動、情報の安全管理、公平な雇用を実践し、株主の皆様に還元すべく適時適切な経営を進めております。
※「コーポレート・ガバナンスに関する基本方針」は、次の当社Webサイトに掲載しております。
https://www.takara-print.co.jp/ir/policy/cg.html
※「新・中期経営計画2023」は、次の当社Webサイトに掲載しております。
https://www.takara-print.co.jp/ir/policy/management-plan.html
第3 本プランの内容
本プランは、本方針に照らして、当社の企業価値および株主共同の利益を明白に侵害するおそれのある買付者によって、当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。
本プランは、取締役の保身を旨とするものであってはならず、株主共同の利益を確保するものとして株主総会において決議がされることが前提となります。
1. 本プラン導入の目的
当社は、株式の大量買付行為を全て否定するものではありません。しかし、株式の大量買付行為の中には、企業価値を毀損し、株主共同の利益を害することとなる場合がありうることも、わが国の過去の事例から明らかになっております。
そこで、当社は、本プランにより、仮に当社株式に対する買付その他これに類似する行為またはその提案(以下総称して「買付」といいます。)が行われた場合、買付を行う者またはその提案者(以下総称して「買付者」といいます。)に対し、買付者が遵守すべき手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報および時間ならびに買付者との交渉の機会の確保をしようとするものであります。当社は、本プランにより、本方針に照らして、当社の企業価値および株主共同の利益を明白に侵害するおそれのある買付者によって、当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値が毀損され、株主の皆様にとって不本意な形で不利益が生じることを未然に防止せんとするものであります。
なお、2022年5月31日現在における当社大株主の状況は、事業報告「2.株式の状況」のとおりです。
また、当社は現時点において、当社株式の大規模買付行為に係る提案を受けておりません。
2. 本プランの適用対象となる買付
当社は、買付者が下記❶または❷のいずれかにあたる買付(以下「対象買付」といいます。)を行った場合に、新株予約権の無償割当て、または法令および当社定款に照らして採用することが可能なその他の対抗措置(以下単に「対抗措置」ということがあります。)を行うか否かを検討いたします。
❶ 当社が発行者である株券等(※1)について、保有者(※2)の株券等保有割合(※3)が20%以上となる買付
❷ 当社が発行者である株券等(※4)について、公開買付(※5)に係る株券等の株券等所有割合(※6)およびその特別関係者(※7)の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付
※ 1から※7の用語の意味につきましては、金融商品取引法(昭和23年(1948年)4月13日法律第25号)に定義されているものに従っております。
3. 対抗措置の発動および不発動に係る手続
(1) 特別委員会の設置
当社取締役会は、対象買付がなされたときまたはなされる可能性がある場合、速やかに当社取締役会から独立した特別委員会を設置いたします。
この特別委員会は、当社取締役会から独立して本プランの発動および不発動に関し、審議し、取締役会へ勧告いたします。
特別委員会は、必要に応じ、当社の企業価値および株主共同の利益を守るという観点から、次に述べる「(2) 買付者に対する情報提供の要求」に従い、直接または間接に買付者と協議、交渉を行うものといたします。買付者は、特別委員会が検討資料その他の情報提供、協議、交渉等を求めた場合には、速やかにこれに応じなければならないものといたします。
特別委員会の概要は、後記「第4 特別委員会」に記載のとおりです。
(2) 買付者に対する情報提供の要求
当社は、当社取締役会が不要と判断した場合を除き、対象買付を行う買付者には、買付の実行に先立って、当社取締役会に対して、以下の内容の情報を記載したうえ、買付者が買付に際して本プランに定める手続を遵守する旨の誓約文言等を記載した書面(以下「買付説明書」といいます。)を提出していただきます。
❶ 買付者およびそのグループ(共同保有者(※8)、特別関係者および組合員その他の構成員(ファンドの場合)を含みます。)の詳細(具体的名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、(国内)連絡先、資本構成、財務内容等を含みます。)
❷ 買付の目的、方法および内容(買付の対価の価額・種類、買付の時期、関連する取引の仕組み、買付の方法の適法性、買付の実現可能性等を含みます。)
❸ 買付の価格の算定根拠(算定の前提事実、算定方法、算定に用いた数値情報および買付に係る一連の取引により生じることが予想される割増価格とその算定根拠、そのうち少数株主に対して分配される割増価格と算定根拠等を含みます。)
❹ 買付の資金の裏付け(買付の資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
❺ 買付後の当社グループの経営方針、事業計画、資本政策および配当政策
❻ 買付後における当社グループの顧客、取引先、従業員、地域関係者等への対応方針
❼ 買収提案に関し適用される可能性のある法令等に基づく規制事項、その他の法令等に基づく承認または許認可等の取得可能性
❽ 買付後の当社グループの経営において必要な許認可維持の可能性および各種法令等の規制遵守の可能性
❾ その他特別委員会が合理的に必要と判断する情報
※ 8につきましては、金融商品取引法第27条の23第5項に定義されているものに従っております。
当社取締役会は、当社に提出された買付説明書を直ちに特別委員会に提出いたします。
特別委員会が、買付説明書の記載内容が要求する情報として不十分であると判断した場合、同委員会は、適宜合理的な回答期限を定めたうえ、買付者に対し、買付者の買付内容の検討のために必要な情報を追加して提出するよう求めることがあります。
買付説明書および追加して提出いただく情報については、株主の皆様に対しての適切な情報開示のために、いかなる言語での提出にも日本語の添付を必須とさせていただきます。また、同様の趣旨から日本語の書面を正本として取り扱います。
(3) 特別委員会による当社取締役会の意見および情報等の提供の要求
買付者から買付説明書が提出された場合および要求する情報が追加提出された場合、特別委員会は、当社取締役会に対して、この買付説明書の受領後10営業日以内で同委員会が定める合理的期間内に、買付者の買付内容に対する意見を提示することを要求いたします。また、その意見とともに、その根拠資料、代替案その他特別委員会が適宜必要と認める情報等を提示するよう要求いたします。
(4) 特別委員会による検討作業
特別委員会は、買付者等からの買付説明書および要求する情報、ならびに当社取締役会からの意見・資料・情報等を受領した後、原則として最長60日間の検討のための期間(ただし、特別委員会はこの期間を(6)❸により延長することができるものとします。以下「特別委員会検討期間」といいます。)を有することとし、この間に、買付者と当社取締役会の事業計画等に関する情報収集、ならびに買付者の買付内容と、当社取締役会が提示する代替案の検討および比較等を行います。そのうえで、特別委員会は、当社の企業価値および株主共同の利益を守るという観点から買付内容を検討いたします。
特別委員会は、特別委員会の判断が当社の企業価値および株主共同の利益に資するものとなるように、当社の費用により、公認会計士、弁護士、コンサルタント、フィナンシャル・アドバイザー等の専門家など、独立した第三者の助言を得ることができるものといたします。
(5) 株主に対する情報開示
当社は、買付者が現れた事実、買付者から買付説明書が提出された事実とその概要、買付者の買付内容に対する当社取締役会の意見、当社取締役会が代替案を提示した事実とその概要、特別委員会検討期間の開始と終了の事実、その他特別委員会または当社取締役会が適切と判断する事項について、株主の皆様に対し速やかに情報開示を行います。ただし、営業秘密等開示に不適切と判断した情報は、この情報開示の対象から除かれます。
(6) 特別委員会における判断方法
特別委員会は、買付者が現れた場合において、以下の手続を行うものといたします。
なお、当社は、特別委員会が以下の手続に従い行う勧告の内容その他の事項(後記❸により特別委員会検討期間を延長する場合には、延長する期間および理由を含みます。)について、決議後速やかに情報開示を行います。
❶ 特別委員会が対抗措置の発動を勧告する場合
特別委員会は、買付者による買付が後述する「4. 新株予約権の無償割当て等の要件」に定める要件のいずれかに該当し、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行うことが相当と判断した場合には、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行うことを勧告いたします。
❷ 特別委員会が対抗措置の不発動を勧告する場合
特別委員会は、買付者の買付内容の検討、買付者との交渉の結果、買付者による買付が後述する「4. 新株予約権の無償割当て等の要件」に定める要件のいずれにも該当しない、または、該当しても新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行うことが相当ではないと判断した場合には、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行わないことを勧告いたします(※9)。
※9ただし、特別委員会は、かかる勧告の判断の前提となった事実関係等に変動が生じ、買付者による買付が後述する「4. 新株予約権の無償割当て等の要件」に定める要件のいずれかに該当し本新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行うことが相当と判断するに至った場合には、改めて本新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行うことの勧告を含む別個の判断を行い、これを当社取締役会に勧告することができるものといたします。
❸ 特別委員会検討期間の延長を行う場合
特別委員会が、当初の特別委員会検討期間の満了時までに、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置の発動または不発動の勧告を行うに至らない場合には、特別委員会は、買付者の買付内容の検討、買付者との交渉等のために合理的に必要とされる範囲内で(ただし、30日間を限度として。)、特別委員会検討期間を延長する旨の決議を行うことができます。
(7) 取締役会の決議
当社取締役会は、特別委員会の前述の「(6) 特別委員会における判断方法」の勧告を最大限尊重し、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置の発動または不発動の決議を行うものといたします。
当社取締役会は、上記決議を行った場合、速やかに当該決議の内容その他の事項について情報開示を行います。
なお、買付者は、当社が当該決議を行うまでの間は、当社株式の買付行為を実施してはならないものといたします。
(8) 株主総会の開催
当社取締役会は、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置の発動に際し、特別委員会から予め株主の皆様の意思を確認するために株主総会の承認を得るべき旨の勧告を受けた場合、または後述の「4. 新株予約権の無償割当て等の要件」に該当するか否か等、取締役会が善管注意義務に照らし株主の皆様に意思を確認することが適切であると判断した場合には、株主の皆様にお諮りするため、株主総会を開催することができるものといたします。
4. 新株予約権の無償割当て等の要件
特別委員会は、買付者が本プランに定める手続を遵守しない場合、あるいは遵守した場合であっても買付者による買付が以下のいずれかに該当し、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行うことが相当と認められる場合、当社取締役会に対し、前述の「3. 対抗措置の発動および不発動に係る手続」に定める手続により、新株予約権の無償割当てその他の対抗措置を行うことを勧告し、当社取締役会は、当該勧告に基づき、対抗措置の発動および不発動を決定いたします。
❶ 以下に掲げる行為等、当社の企業価値および株主共同の利益を明白に侵害するおそれのある買付である場合
a.当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、株式を買い占め、その株式につき当社による高値での買取りを目的とするいわゆるグリーンメーラーと判断される行為
b.当社の経営を一時的に支配して、インサイダー情報を含む顧客の機密情報、ディスクロージャーやIRに関する情報、ノウハウ、取引先とのネットワーク、開示書類作成用システム、もしくは工場設備といった当社の重要な資産等を買付者やそのグループ会社に移転する等、不正な目的または当社の業務の公益性を犠牲にして買付者の利益を実現する経営を行おうとしていると判断される行為
c.当社の資産を買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用しようとする、公益性のない利益実現のためのレバレッジド・バイアウトと判断される行為
d.当社の経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない不動産、有価証券その他の資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、または一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って高値で売り抜けることを目的としていると判断される行為
❷ 強圧的二段階買付等、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付である場合
❸ 買付に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を当社に与えることなく行われる買付である場合
❹ 要求する情報その他買付内容を判断するために合理的に必要とされる情報を株主の皆様に対して十分に提供することなく行われる買付である場合
❺ 買付の条件等(対価の価額・種類、買付の時期、買付の方法の適法性、買付の実現可能性、買付後の経営方針または事業計画、買付の当社の顧客との関係に与える影響、買付後における当社の顧客、取引先、従業員、地域関係者等に対する対応方針等を含みます。)が当社の企業価値に鑑み不十分または不適当な買付である場合
5. 新株予約権の無償割当て以外の対応策
当社取締役会は、新株予約権の無償割当て以外に、法令および当社定款に照らして採用することが可能なその他対抗措置のうち、募集株式の発行などを特別委員会に諮ったうえ、その時点で相当と認められるものを選択する場合があります。
第4 特別委員会
当社取締役会は、対象買付がなされたときまたはなされる可能性があると認められる場合、速やかに特別委員会を設置いたします。
当社取締役会は、特別委員会の公正性、客観性および合理性を担保するため、当社取締役会および買付者からの独立性が高い社外取締役、社外監査役または弁護士・大学教授等の社外有識者の中から特別委員会の委員を選任いたします。選任された委員は、委員の中から委員長を選定いたします。特別委員会の委員は3名以上といたします。本プランでの特別委員会の概要につきましては、別紙1「特別委員会規則」に定めるとおりであり、特別委員会委員候補者の氏名および略歴は別紙2「特別委員会委員の候補者」のとおりです。
第5 本新株予約権の概要
本プランの発動による新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の無償割当てがなされることとなった場合、当社は、当社取締役会が定める一定の日における最終の株主名簿に記載または記録された全ての株主に対し、(イ)一定の買付者等による権利行使は認められないとの行使条件および(ロ)当社が当該買付者等以外の者から当社株式1株と引き換えに新株予約権1個を取得する旨の取得条項が付された本新株予約権を、その有する株式1株につき新株予約権を別途取締役会が定める割合で無償割当てを行うことを通知いたします。
第6 本プランの株主総会での承認
本プランは、本定時株主総会において、株主の皆様によりご承認いただけない場合は、廃止されることとなります。
第7 本プランの有効期間、廃止および変更
本プランの有効期間は、本定時株主総会の終結の時から、2025年5月期の定時株主総会の終結の時までの約3年間とします。
当社は、本プランの有効期間の満了前であっても、取締役会の決議によって本プランを廃止することができます。
また、当社は、当社の企業価値および株主共同の利益の維持・向上を図る観点から、当社取締役会の決議により、本プランの有効期間中、定時株主総会で承認いただく本プランの趣旨に反しない範囲内で、本プランの見直し等を行うことがあります。
当社は、本プランの有効期間中であっても、当社株主総会において株主の皆様の過半数のご承認を得て本プランの廃止または変更を行うことができます。当社は、本プランが廃止または変更された場合には、その内容等について、速やかに情報開示を行います。
第8 本プランの合理性
本プランは、当社基本方針に沿い、関係諸法令、裁判例、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る規則および「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」(平成17年(2005年)5月27日 経済産業省・法務省)の定める三原則(❶企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、❷事前開示・株主意思の原則、❸必要性・相当性確保の原則)、ならびに「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」(平成20年(2008年)6月30日企業価値研究会)の定める指針の内容を充足するものです。
1. 株主意思の重視
本プランは、本定時株主総会において株主の皆様により、その基本的考え方をご承認いただけない場合は、廃止されることとなります。
また、本プランの有効期間は約3年間に限定されており、さらに、当社取締役の任期は1年とされていることから、取締役の選任議案を通じても、1年ごとに株主の皆様のご意思が反映されることになります。
2. 独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
本プランでは、取締役を監督する立場にある社外取締役、社外監査役または弁護士・大学教授等の社外有識者からなる特別委員会を設置し、取締役会は特別委員会の勧告に従い本プランの発動または不発動を決議するという手続を採用することにより、当社経営陣の恣意的判断を排し、当社の企業価値および株主共同の利益の維持・向上に資する公正な運営が行われる仕組みが確保されております。
また、特別委員会の判断の透明性を一層高めるため、買付者から提出された買付説明書の概要、買付者の買付内容に対する当社取締役会の意見、代替案の概要、その他特別委員会が適切と判断する事項を、原則として株主の皆様に対し速やかに情報開示を行うことといたしております。
3. 本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定
本プランは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されております。これにより、当社取締役会による恣意的な発動が防止される仕組みになっております。
4. 第三者専門家の意見の取得
特別委員会は、当社の費用で、公認会計士、弁護士、コンサルタント、フィナンシャル・アドバイザー等の専門家など、独立した第三者の助言を得ることができるため、特別委員会による判断の公正さ、客観性は一層強く担保されるといえます。
5. デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、その有効期間の満了前であっても、当社取締役会の決議によって廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。
また、当社の取締役の任期は1年であり、期差任期制ではありませんので、いわゆるスローハンド型の買収防衛策でもありません。
第9 株主の皆様への影響
1. 本プランの導入時に株主の皆様に与える影響
本プランの導入時点においては、本プランに基づく本新株予約権の無償割当ては行われませんので、株主および投資者の皆様の権利、利益に直接具体的な影響が生じることはありません。
2. 本新株予約権の無償割当て時に株主の皆様に与える影響
当社取締役会が本新株予約権無償割当ての決議において別途定める一定の日における株主の皆様に対し、別途定める割合をもって本新株予約権が無償で割当てられます。株主の皆様は、無償割当ての効力発生日において、当然に新株予約権者となりますので、申込みの手続等は不要です。
そして、当社が、当社取締役会の決定により、新株予約権を行使することができない買付者(以下「行使制限買付者」といいます。)以外の株主の皆様から本新株予約権を取得し、それと引き換えに当社株式を交付する場合、行使制限買付者以外の株主の皆様は、本新株予約権の行使および行使価額相当の金銭の払込をすることなく、当社株式を受領することとなるため、保有する当社株式の希釈化は生じません。
本新株予約権の無償割当てを実施する場合、本新株予約権の無償割当てに係る基準日を公告し、当該基準日における株主の皆様に本新株予約権が無償にて割り当てられます。
当社取締役会が本新株予約権を取得する旨の決定をした場合、当社は、法定の手続に従い、当社取締役会が別途定める日をもって本新株予約権を取得し、これと引き換えに株主の皆様に当社株式を交付いたします。なお、この場合、かかる株主の皆様には、別途ご自身が行使制限買付者でないこと等についての表明書面等を当社所定の書式によりご提出いただく場合があります。
なお、当社は、本新株予約権の割当ての基準日や本新株予約権の割当ての効力発生後においても、買付者が大量買付行為を撤回した等の事情により、本新株予約権の行使期間開始日の前日までに本新株予約権の割当てを中止し、または当社が本新株予約権者に当社株式を交付することなく無償にて本新株予約権を取得することがあります。これらの場合には、1株当たりの株式の価値の希釈化は生じませんので、1株当たりの株式の希釈化を前提として売買を行った株主や投資家の皆様は、株価の変動により相応の損害を被る可能性があります。
上記のほか、割当て方法、行使の方法および当社による取得の方法の詳細につきましては、本新株予約権の無償割当てに関する当社取締役会の決議が行われた後、株主の皆様に対して情報開示または通知をいたします。
第1条 この規則は、当社株券等の大量買付行為に関する対応策(以下、「本対応策」という。)の発動を検討するために取締役会が設置する特別委員会の運営等について定める。
第2条 特別委員会の設置は、取締役会の決議により行う。
第3条 特別委員会の委員は3名以上とし、当社の業務執行を行う経営陣から独立している次の各号に定める者のいずれかに該当する者の中から、取締役会が選任する。ただし、社外の有識者は、1. または2. の者を除き、当社グループの役員および当社グループと特別の利害関係のある会社以外の会社経営者、官庁出身者、フィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者またはこれらに準ずる者でなければならず、また、別途取締役会が指定する善管注意義務条項等を含む契約を当社との間で締結した者でなければならない。
1. 当社社外取締役
2. 当社社外監査役
3. 前各号に定める者以外の社外の有識者
第4条 特別委員会委員の任期は、選任後1年内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、取締役会の決議により別段の定めをした場合はこの限りでない。
❷ 前項に規定する特別委員のうち、社外取締役または社外監査役である者が、取締役または監査役でなくなった場合には、特別委員会委員としての任期も同時に終了するものとする。ただし、当該特別委員会委員がなお社外の有識者の要件を満たす場合、取締役会は、所定の手続を経て、特別委員会委員として再任することができる。
第5条 特別委員会は、次の各号に記載される事項について取締役会から独立して審議・決定し、その決定の内容を、その理由を付して取締役会に対して勧告するものとする。この場合、特別委員会の委員は、本決定にあたって、会社の企業価値および株主共同の利益に資するか否かの観点から行うことを要し、専ら自己または当社経営陣の個人的利益を図ることを目的としてはならない。
1. 本新株予約権の無償割当ての実施または不実施
2. 本新株予約権の無償割当ての中止または本新株予約権の無償取得
3. その他取締役会が判断すべき事項のうち、取締役会が特別委員会に諮問した事項
❷ 取締役会は、前項の特別委員会の勧告を最大限尊重して、新株予約権無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとする。
❸ 第1項各号に定めるところに加え、特別委員会は、次の各号に記載される事項を行うものとする。
1. 当該買付が本対応策の発動の対象となるかどうかの判断
2. 買付者および取締役会が特別委員会に提供すべき情報およびその回答期限の決定
3. 特別委員会検討期間の設定および延長
4. 買付者の買付の内容の精査・検討
5. 自らまたは取締役会を通じた買付者等との交渉・協議
6. 取締役会への代替案提出の要求、取締役会作成の代替案の検討
7. 本対応策の修正または変更に係る承認
8. その他本対応策において特別委員会が行うことができると定められた事項
9. 特別委員会が行うことができるものとして取締役会が定めた事項
第6条 特別委員会は、買付者に対し、買付説明書の記載内容が本対応策に関して要求する情報として不十分であると判断した場合には、本対応策に関して要求する情報を追加的に提出するよう求めるものとする。
❷ 特別委員会は、買付者から買付説明書および前項に規定する本対応策に関して要求する情報が提出された場合、取締役会に対しても、所定の合理的な期間内に、買付者の買付の内容に対する意見およびその根拠資料、代替案、その他特別委員会が適宜必要と認める情報、資料等を提示するよう要求することができる。
第7条 特別委員会は、必要があると判断したとき、自らまたは取締役会を通じて、当社の企業価値および株主共同の利益を守るという観点から買付者の買付の内容を改善させるために、買付者と協議および交渉を行うものとする。
❷ 特別委員会は、前項の規定に基づく結果に従い、株主に対する代替案の提示を行うものとする。
第8条 特別委員会は、必要な情報収集を行うため、取締役、監査役、執行役員、従業員、その他特別委員会が必要と認める者の出席を取締役会に要求し、特別委員会が求める事項に関する説明を求めることができる。
第9条 特別委員会は、当社の費用で、独立した第三者(例えば、フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)の助言を得ること等ができる。
第10条 各特別委員会委員は、買付がなされた場合その他いつでも特別委員会を招集することができる。
第11条 特別委員会の決議は、原則として、特別委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行う。ただし、委員に事故あるときその他やむを得ない事由があるときは、特別委員会委員の過半数が出席し、その議決権の過半数をもってこれを行うことができる。
以 上
以 上