第22期 定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8411

第3号議案
定款の一部変更の件(顧客の気候変動移行計画に関する評価)

1 提案内容

以下の条項を、当会社の定款に追加的に規定する。

第 章 気候変動関連リスク管理
第 条 移行計画(顧客の気候変動移行計画に関する評価)

当会社の気候変動への公約および気候変動リスク管理戦略を踏まえ、当会社は次の情報開示を行う。

 1.化石燃料セクターにおける顧客の気候変動移行計画とパリ協定1.5℃目標との整合性について、当会社がどのように評価を行うか。
 2.当該セクター顧客がパリ協定に沿った信頼性のある移行計画を作成しなかった場合の対応措置(新規資金提供の制限を含む)。

2 提案理由

本提案は、当社が顧客の脱炭素移行を支援することにより、当社が気候変動関連リスクを適切に管理していることを株主が判断する上で必要な情報開示を求めるものである。
当社は「パリ協定1.5℃目標への努力追求・2050年ネットゼロの実現という揺るぎないゴール」を公約し、気候変動を「トップリスク」とし、炭素関連セクターの顧客の目標の妥当性や「国際的なスタンダードが提唱する適切な移行戦略の要件の充足」の確認を行うとする。
一方、当社は、パリ協定1.5℃目標と整合する信頼性のある移行計画を有していない化石燃料セクターの顧客に対し、多額の資金支援を継続している。
本提案が求める開示は、当社が表明しているリスク管理措置を適切に実施し、2050年までのポートフォリオ排出量実質ゼロ公約と整合させるために不可欠である。
これら開示は投資家(TPI等)の期待に合致し、当社の長期的な企業価値の維持向上に資するものである。(400文字)

〔(会社注)以上は、株主から提出された書面に記載された提案内容及び提案理由を注釈を除き、原文のまま記載したものです。〕

取締役会の意見

取締役会は、本議案に反対いたします。
  当社グループは、気候関連リスク管理の重要性を踏まえ、「炭素関連セクターリスクコントロール」の枠組みを構築し、顧客の移行リスクへの対応状況を評価する基準と進捗を開示しております。
 実体経済の移行に向け資金供給等を通じて顧客を支援することを金融機関の果たすべき役割と認識し、エンゲージメントを行っています。その上で、一定期間経過後も移行戦略が未策定の場合は取引を慎重に判断します。
 また、顧客の対応状況の評価基準に「目標と実績の1.5℃軌道との整合性」の追加を予定する等、気温上昇を1.5℃に抑制するための努力を追求すべく、本枠組みを継続的に高度化しております。
 もっとも、会社組織等の基本を定めるべき定款へ個別の業務執行に係る事項を定めることは、機動的かつ迅速な対応の支障となる虞があり、定款に本議案が求める内容を規定することは、適当でないと考えます。

 当社取締役会の意見の詳細につきましては、以下で詳しくご説明しておりますのでご覧ください。

1.気候変動への取り組みについて
当社グループは、気温上昇を1.5℃に抑制するための努力を追求し、2050年の脱炭素社会の実現に向けて目指す姿・行動(アクション) を示す「2050年ネットゼロに向けた〈みずほ〉のアプローチ」、および中長期の戦略・取り組みを明確化した「ネットゼロ移行計画」を策定し、実体経済の移行促進・ビジネス機会獲得・リスク管理の観点から、気候変動対応を統合的に推進しています。

<ネットゼロ移行計画の概要>

2.気候関連リスク管理について
(1)炭素関連セクターリスクコントロール枠組み概要
当社グループは、定性評価によって移行リスクが高いと認識したセクター(炭素関連セクター) において、以下の目的からエンゲージメントを通じたリスクコントロールを実施し、開示しています。取引先の属するセクターと移行リスクへの対応状況の2軸で、取引先ごとのリスクの高低を評価し、移行に向けた支援を行っています。
気候関連リスクの定量的な把握や外部環境を踏まえた移行リスクへの対応状況の評価の見直し等を通じて、今後も炭素関連セクターリスクコントロールの枠組みを段階的に高度化していきます。

目的

● エンゲージメントを通じて、取引先のトランジションの支援と〈みずほ〉の移行リスクのコントロールを両立させる
● 移行リスクの高い領域を把握し、気候関連リスクを加味した〈みずほ〉の適切なポートフォリオの構築につなげる
● 取引先のトランジションを支援することで、実体経済の移行を促し、〈みずほ〉のポートフォリオをパリ協定に整合したものへと段階的に転換していく

2軸によるリスク評価・支援

2024年度は、移行リスクへの対応状況の評価基準として、「目標に対する一定のGHG排出削減実績あり」「目標と実績が1.5℃の軌道に整合している」を追加する予定です。

<炭素関連セクターリスクコントロールの枠組み>

上記枠組みに基づき確認した各セクターにおける取引先の移行リスクへの対応状況は、過年度と比べて着実に進展しています。

(2)高リスク領域のエクスポージャーコントロール

 2軸によるリスク評価を行って特定した「高リスク領域」については、以下のエクスポージャーコントロール方針をもとにリスクコントロールを行っています。

● 移行リスクへの有効な対応戦略の策定と実践状況の開示や、より低リスクのセクターへの事業構造転換が、速やかに図られるようサポートするなど、より一層のエンゲージメントに取り組む
● 取引先の事業構造転換等を後押しするため、トランジション支援の枠組みにおいて国際的なスタンダードが提唱する要件の充足等が確認できた場合には、移行に必要な支援を行う
● 初回のエンゲージメントから1年を経過しても、移行リスクへの対応意思がなく、移行戦略も策定されない場合には、取引継続について慎重に判断する
● 上記を通じて、中長期的にエクスポージャーを削減する

 高リスク領域の対象範囲や考え方、事業構造転換に向けた支援を実施する要件については、継続的に明確化・高度化に取り組んでいきます。

なお、本提案は、顧客の移行計画の評価方法や評価後の対応に関する開示など、個別具体的な業務執行に係る事項を定款に定めることを求めています。
当社は、気候変動をはじめとする様々な環境・社会課題に対し、目まぐるしく変わる情勢や執行・監督の間での議論を踏まえながら、対応の高度化を継続してまいりますが、定款はその変更に株主総会における特別決議が必要となることから、仮に本議案が可決された場合、当社の機動的かつ迅速な対応の支障となる虞があります。

以上

以 上

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2024/06/26 12:00:00 +0900
2024/06/26 13:00:00 +0900
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