事業の経過およびその成果

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な流行の中、依然として厳しい状況で推移いたしました。足許においては、政府の各種政策の効果等により、景気の持ち直しが期待されるものの、新型コロナウイルスの世界的な蔓延や地政学リスク等が国内外の経済に与える影響に十分注意する必要がある状況です。
 不動産業界におきましては、賃貸オフィス市場については、新型コロナウイルス感染拡大に伴うテレワークの普及等によるオフィスの在り方の変化等を背景にオフィスの統合・縮小傾向が進む中、空室率が高い水準で推移し、賃料の低下が継続いたしました。不動産投資市場については、低金利等による良好な資金調達環境における不動産投資家の高い投資意欲を背景に、積極的な物件取得が継続いたしました。
 このような事業環境のもと、当社グループでは2020年4月30日に公表した中期経営計画「Challenge & Progress」の事業戦略に沿い、再開発事業の推進、外部成長をはじめとしたビルディング事業、アセットマネジメント事業等に取り組むことにより、企業価値の向上に努めてまいりました。さらには、サステナビリティ経営の実践を戦略に掲げ、特に脱炭素社会の実現に向けた取組みとして、温室効果ガス排出量削減の中長期目標を更新し、当社グループ全体の温室効果ガス排出量(Scope1+2)を2018年度比で2030年度までに50%削減とする新目標を設定いたしました。また、気候変動がビジネスにもたらすリスク・機会に関する情報開示を推奨する「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明し、今後も情報開示を拡充してまいります。引き続き、脱炭素の取組みを一層強化することで、「街づくりに貢献する会社」として、サステナブルな社会の実現・持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
 この結果、当社グループの連結業績につきましては、売上高は578億18百万円(前期比227億69百万円、65.0%増)、営業利益は126億15百万円(同13億86百万円、12.3%増)、経常利益は115億72百万円(同13億27百万円、13.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は87億5百万円(同15億86百万円、22.3%増)となり、過去最高益を更新いたしました。
 なお、当社は、2021年4月30日開催の取締役会において、2022年3月期からの報告セグメント区分の変更を決議いたしました。
 今後計画している事業展開を踏まえ、従来「アセットマネジメント事業」に属していた、販売用不動産の開発・売却・運用等および固定資産の取得・売却を行っている不動産投資事業部を当連結会計年度より「ビルディング事業」に変更しております。また、子会社であります平和不動産プロパティマネジメント株式会社は、従来の「その他の事業」から当連結会計年度より「ビルディング事業」に含めております。
 今回の変更により、「ビルディング事業」は、証券取引所、オフィス、商業施設および住宅等の開発、賃貸、管理ならびに売却等を行うこととなり、「アセットマネジメント事業」は、平和不動産リート投資法人の資産運用およびハウジングサービス株式会社による不動産の仲介等を行うこととなります。
 なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成したものを開示しております。
 また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。

ビルディング事業

主な事業内容
証券取引所、オフィス、商業施設および住宅等の開発、賃貸、管理ならびに売却等

 ビルディング事業のうち、賃貸収益は、前期に取得した兜町第7平和ビル(東京都中央区)、新橋スクエアビル(東京都港区)および平和不動産日本橋ビル(東京都中央区)、今期取得した兜町平和ダイヤビル(東京都中央区)、今期開業したKABUTO ONE(東京都中央区)の賃貸収益貢献、テナント解約違約金の計上等により、261億11百万円(前期比34億86百万円、15.4%増)となりました。また、物件売却収入は、販売用不動産の売却が大幅に増加したことにより267億70百万円(同186億10百万円、228.1%増)となりました。これにその他を含めた本事業の売上高は544億33百万円(同221億27百万円、68.5%増)、営業利益は123億99百万円(同14億23百万円、13.0%増)となりました。
 なお、当連結会計年度末における当社グループのビルの空室率は4.46%(再開発関連の貸し止め等を除く)となります。

アセットマネジメント事業

主な事業内容
平和不動産リート投資法人の資産運用および不動産の仲介等

 アセットマネジメント事業のうち、アセットマネジメント収益は21億92百万円(前期比1億21百万円、5.9%増)、仲介手数料は11億91百万円(同5億20百万円、77.5%増)となり、本事業の売上高は33億84百万円(同6億41百万円、23.4%増)、営業利益は19億77百万円(同3億56百万円、22.0%増)となりました。

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2022/06/24 12:00:00 +0900
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