第68期 定時株主総会 招集ご通知 証券コード : 9861

対処すべき課題

当面の対処すべき課題の内容等

① 今までにない「新しいビジネスモデル」創り
 当社グループは、現在のビジネスモデルに代えて長期的に運用できる「新しいビジネスモデル」の構築を課題としています。既存の外食産業の範疇を超えるような市場創造・価値提供を行うモデル創りは、すでに素材開発や商品の提供方法の改善など、従来とは一線を画した踏み込みを開始しています。今後はその踏み込みを一層強めていくと同時に、さらに突出した「革新」による飛躍を図っていきます。

② 「飲食業の再定義」を実現するための組織づくりと取組み
 「飲食業の再定義」を実現していくため、よりスピーディーな意思決定が可能となるグループ経営体制への見直しを行っていきます。全てのグループ本部の機能発揮を最大化し経営効率を高めて、海外を含めたグループ全事業への能動的な貢献・関与・統制を強化していきます。グループ間での人事交流の活発化およびグループ商品本部による仕入れの共通化も引き続き行っています。海外各地域においては、現地経営体制の確立および現地での意思決定を可能にするエリアと部分的に日本で意思決定するエリアを明確にすることで、今後のグローバル展開を一層加速していきます。
 また、「飲食業の再定義」の実現のため、ダイバーシティ(人材構成の多様化)およびインクルージョン(多様な個性の尊重)の推進も引き続き行っていきます。

③ 「ひと・健康・テクノロジー」の実践へ
 当社グループでは、「ひと・健康・テクノロジー」をキーワードとし、これまでの飲食業になかった新しい価値創造にチャレンジしています。
 「ひと」に関わる取組みでは、「ひと」を活かすことで生まれる価値を追求し、その価値をお客様に提供していきます。従業員の働き方改革も進めており、エンゲージメント向上に向けて、従業員からのヒアリング強化を行っています。「健康」に関しては、従業員の心と体の健康を経営の柱とする「ウェルネス経営」の一環として、従業員の健康リテラシーの向上と浸透を図っていきます。また、今後のメニュー開発は、「健康的」から「健康」そのものの追求へ取組みを深化させていきます。
 最後に「テクノロジー」に関わる取組みでは、複雑なオペレーションを簡便化・効率化する設備や機器を導入し、職場環境の改善を図ることで、労働力の確保と生産性の向上につなげていきます。経営環境の激しい変化に機動的かつ能動的に対処しつつ、デジタル技術の効果的な活用を推進することでデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し、既存のビジネスモデルの変革につなげていきます。

④ 人的資本価値の最大化に向けた取組み
 当社グループは、サステナビリティ基本方針にもとづき特定した「5つのマテリアリティ」において、「ダイバーシティ&インクルージョンを実現し『ひと』の成長と活躍を促進する」ことを掲げています。経営理念に「For the People」を掲げ、日常食を提供する当社グループにとって、従業員が仕事を通じて感じる喜びややりがいは、お客様のおいしく豊かな食事を支えるサービスの源泉であり、「ひと」にしか成し得ない価値があります。「ひと」の多様性や個性を尊重し従業員の活躍と成長を促すことは、拡がり変わりゆく顧客ニーズを捉えた価値を生み出し続けることにつながり、企業としての持続的成長と社会への価値還元をもたらしていきます。

<人材育成方針>
 当社グループでは、全ての社員を幹部候補とみなし、公平な教育機会を提供しています。成長のための挑戦機会の提供や専門教育、配置転換を行い、成長と学びに必要な投資と環境整備を行います。

<社内環境整備方針>
 当社グループでは、全ての従業員が心身ともに健康で、安全な環境で働くことができるように、ダイバーシティ&インクルージョンの実践、ライフワークバランスの推進、ウェルネス経営の推進に努めています。

<人的資本の最大化に向けた3つの取組み方針>
ⅰ. ダイバーシティ&インクルージョンの実践
 「一人ひとりの個を活かす」という考えのもと、すべての従業員が互いに信頼関係を育みつつ持てる力を発揮し、いきいきと活躍できる会社を目指します。「個」から生まれる知の多様性をかけ合わせることで、変化への対応力=レジリエンスを高め、新たな価値=イノベーションを創出し、お客様と社会の課題を解決し続けます。
ⅱ. ライフワークバランスの推進
 仕事以外の生活の充実を促す休暇制度、従業員同士のつながりや関係性を良好にするためのコミュニケーション施策を導入・実施するとともに、社員の心と体の健康を経営の柱のひとつに位置付ける「ウェルネス経営」を推進しています。
ⅲ. 人材育成・キャリア支援
 従業員一人ひとりの十分な能力発揮と、長期的な成長促進に主眼を置き、人材教育・キャリア支援への積極投資による「ひと」づくりを継続しています。

定量情報

※1 吉野家ホールディングス、国内吉野家、はなまるの3社実績
※2 男性賃金を100としたときの女性賃金の割合

⑤ 今後の見通し
 2025年2月期(当期)においては、店内飲食を中心に既存店売上高が増加しました。様々なコスト上昇の影響を受け、売上高の伸長に伴う粗利益高の増加やコスト低減の取組みを行ってきましたが、本業の儲けを示す営業利益は73億6百万円と、前期を6億67百万円下回りました。コスト上昇の主な要因は、原材料価格の高騰です。牛丼の主要食材である牛肉のほか、米、鶏肉、輸入野菜などの様々な原材料価格が上昇しました。
 当社グループは、コロナ禍を機会に収益の構造変化を実現していますが、継続して経費コントロールの強化に取り組むとともに、財務の健全性の回復に向けた借入金の返済や効率的な資金管理を行いました。一方、これらの自社努力だけではコスト上昇分の全てを吸収することはできず、グループの各事業において商品の価格改定を行うなど、状況に柔軟かつ適切に対応しました。
 2026年2月期においては、成長性および収益性の向上に向けて「成長投資の継続」と「客数獲得」を優先事項として取り組みます。特にグループの基幹事業である吉野家において、新サービスモデル店舗の改装を継続するとともに、これまで積み重ねてきた改装投資の効果を確実に収益につなげていきます。また、量的成長を図るため、テイクアウト・デリバリー専門店の出店も継続していきます。
 「客数獲得」は、魅力的な商品・販売施策の展開と従業員の接客サービスの向上による店舗体験価値を高めることで、既存顧客の来店頻度向上と新規顧客の獲得を図ります。一方、原材料価格や人件費などのコスト上昇影響は、同期も継続すると見込んでおり、引き続き適正な経費コントロールに取り組みます。
 ラーメン事業においても、吉野家、はなまる、海外に次ぐ柱と位置付けて取り組んでおり、多様なニーズに対応する新ブランドの育成と国内、海外での収益力の強化を行っていきます。既存事業に加えてM&Aによる事業拡大をこれからも進めていくとともに、マーチャンダイジングとサプライチェーンの融合効果で商品価値強化とコスト最適化を図り、事業の次の柱へ成長させていきます。

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2025/05/27 12:00:00 +0900
2025/05/27 16:00:00 +0900
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