第69期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 9861

対処すべき課題

当面の対処すべき課題の内容等

【事業上の課題】
① 事業ポートフォリオの変革と収益安定性の向上
 吉野家事業を主軸とした従来の事業構造を転換し、はなまる事業やラーメン事業の成長を加速することで、収益構造の多様化と安定性の向上を図ります。吉野家事業の着実な成長を継続させつつ、はなまる事業およびラーメン事業の拡大によって売上構成のバランスを最適化し、経営リスクの分散を推進します。こうした取組みを通じて成長性と安定性を両立させる経営基盤を構築し、環境変化への対応力を一層高めていきます。

② 主要事業の量的成長と利益成長の実現
 吉野家事業は、合理性・効率性を徹底的に追求するとともに、基盤強化の観点から戦略的なマーケティングを推進し、量的成長と利益成長の両立を実現します。もう一つの柱であるはなまる事業は、立地別戦略を軸に新規出店を行い、量的成長を図ることで利益拡大を加速していきます。商業施設内への出店は継続しつつ、オフィス立地や繁華街立地では大都市圏への出店を集中させ、狭小モデル店舗の出店・開発を推進し、店舗数拡大を図ります。

③ 吉野家の海外市場における最適化と新市場開拓
 海外吉野家は、グローバル市場での持続的成長を目指しています。未進出エリアへの新規出店によってドミナント戦略を展開し、認知度の向上と店舗運営の効率化を図ります。また、日本国内で成果を上げたサービスモデルや運営手法を、現地ニーズに合わせて柔軟に導入し、競争力を強化していきます。さらに、各国の文化や食習慣を反映させた商品開発を進めることで、地域に最適化された店舗運営を推進します。中国・香港では、フランチャイズ企業との連携による共同購買体制を強化し、米国ではセントラルキッチンの稼働によって、原価構造の見直しと品質の安定化を実現します。

④ ラーメン事業の拡大と収益性向上
 国内外での既存ブランドの積極出店に加え、マルチブランドM&A戦略を推進し、牛丼・うどんに次ぐ「第3の事業ドメイン」として成長を図ります。その中核を担う宝産業が持つ国内外の開発・製造機能を活用してグローバル需要へ対応しつつ収益性を高めていきます。海外展開を通じてラーメンの世界的な普及を図り、宝産業を軸としたグローバルサプライチェーンを構築することで、持続的な収益成長を実現します。

⑤ 人的資本経営の推進
 人材を中長期的な企業成長の原動力と捉え、全ての従業員が能力を最大限に発揮できる環境の整備を進めています。性別や年齢、国籍、ライフステージの違いを超えて、多様な価値観を尊重する組織づくりを進めることで、創造性と持続力のあるチーム形成を目指しています。併せて、キャリア開発の支援や研修制度の充実により、個々の成長を後押ししています。健康管理や働きやすさの向上に関する施策も強化し、従業員のエンゲージメントを高めていきます。

⑥ IT戦略とデジタル基盤の整備・活用
 経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、ITを活用した業務改革と情報基盤の強化を推進しています。店舗オペレーションの効率化や部門間の連携強化を目的としたシステムの導入を進めることで、生産性の向上と品質の安定を図っています。また、顧客接点におけるデジタル施策や、経営判断を支援する情報活用の仕組みも整備しており、ITを戦略的に活用することで企業全体の競争力を高めていきます。

⑦ サステナビリティ推進とガバナンス強化
 持続可能な社会の実現に向けて、環境・社会・ガバナンスの各分野において実効性の高い取組みを進めています。環境面では、資源の有効活用と廃棄物の削減を継続的に取り組んでいます。社会面では、地域社会との協働やサプライチェーンにおける責任ある調達体制の構築を通じて、企業の社会的信頼の向上を目指しています。ガバナンスの領域では、透明性と説明責任を重視した経営体制を整備し、ステークホルダーとの建設的な対話を重ねていきます。

【財務上の課題】
① 財務健全性の維持と資本構成の最適化
 財務健全性の維持と資本構成の最適化については、D/Eレシオ0.9倍以内を規律として維持しつつ、財務レバレッジを戦略的に活用することで成長投資を適切に進める方針です。また、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮と資本コストの最適化を通じ、財務健全性と資本効率のさらなる向上を図ります。

② 投資効率の向上と成長投資の実行性
 投資効率の向上と成長投資の実行性については、5年間で総額1,300億円(成長基盤投資900億円・M&A投資400億円)の投資を計画しています。これに対し、EBITDA1,000億円超の創出と、CCC改善による50億円のキャッシュ創出を見込んでいます。資金調達においては財務規律を堅持しつつ、レバレッジファイナンスを戦略的に活用して資本コストを最適化し、ROICの持続的な向上を目指します。

③ 株主還元と資本市場対応の強化
株主還元については「安定的かつ継続的な配当」を基本方針としています。当期の配当については前期の20円から2円増配し22円としました。今後も業績向上に応じて段階的な配当の引き上げを検討していきます。また、株主・投資家の皆様とのIR機会を拡大し、対話の内容を取締役会へ報告することで、持続的な企業価値の向上を実現します。

【今後の見通し】
 2026年2月期においては、店内飲食を中心に既存店売上高が堅調に推移しました。米を中心とした原材料費などのコスト上昇による影響を受けたものの、売上高の伸長に伴う粗利益高の増加やコスト低減の取組みにより、売上高は2,256億67百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益は80億89百万円(前年同期比10.7%増)となり、増収増益を達成しました。
 当社グループは継続して経費コントロールの強化に取り組む一方で、自社努力のみではコスト上昇分の全てを吸収することは難しく、各事業において商品の価格改定を実施するなど、状況の変化に柔軟かつ適切に対応しました。
 2027年2月期においては、中期5か年経営計画の2年目として、引き続き「変身と成長」の実現に向け、最重要課題である「既存事業の変革(変身)と新たなドライバーの成長」に取り組みます。新設されたグループマーケティング本部を中心に、より一層魅力的な商品および販売施策を展開するとともに、接客サービスの向上を通じて店舗体験価値を高めることで、既存顧客の来店頻度向上と新規顧客の獲得を図ります。一方で原材料費や人件費などのコスト上昇影響は継続すると見込んでおり、引き続き適正な経費コントロールに注力します。
 グループの基幹事業である吉野家事業においては、新ブランドメッセージ「元気を、いただきますっ。」に想いを込め、お客様の期待を超える食事体験を届けるべく、商品および販売施策を推進します。はなまる事業では大都市圏出店モデルである狭小店舗の検証を進め、出店拡大を図ります。海外事業はさらなる収益性向上に向け、商品力の強化および販売施策による収益増加を実現します。また、ラーメン事業はグループ第3の事業ドメイン化に向け、多様なニーズに対応する新ブランドの育成と国内外での収益力の強化を行っていきます。既存事業の成長に加えてM&Aによる事業拡大を継続して進めるとともに、国内外の製造拠点の増強により、これまで以上にマーチャンダイジングとサプライチェーンの融合効果を高め、商品価値の向上とコスト最適化を両立させ、持続的な成長を実現していきます。

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2026/05/26 11:00:00 +0900
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