第187回定時株主総会招集ご通知 証券コード : 2503

事業の経過及びその成果

2025年の概況

 2025年、世界は引き続きめまぐるしく変化し、当社グループを取り巻く経営環境にも大きな影響を及ぼしました。世界各地の消費マインド低迷に加え、健康意識の高まりによりアルコールや砂糖等の消費に対する規制や抑制の動きが強まり、事業環境は一段と厳しさを増しました。AIの進歩により人々の価値観や生活様式は急速に変化し、気候変動や各地での紛争、米国をはじめとする政権交代による経済の不安定化等、変化を的確に捉えた経営が必要とされてきています。
 こうした状況下で、当社グループは、一貫してCSV(Creating Shared Value)※1を経営の根幹に据えることにより長期的かつ持続的な成長を目指すとともに、環境変化に迅速かつ柔軟に対応するため、2025年度より、3年計画を毎年見直す新たな経営サイクルに移行しました。
 また、酒類・飲料・医薬の各事業に加え、健康課題の解決を事業機会とするヘルスサイエンス事業をグループの成長ドライバーとすることを目指してきました。2025年は、㈱ファンケル(以下、ファンケル社)の100%化完了と、協和発酵バイオ㈱(以下、協和発酵バイオ社)のアミノ酸事業等の売却を行ったことで収益性が改善し、ヘルスサイエンスの成長への事業基盤が整いました。既存の酒類・飲料・医薬事業も堅調に推移し、計画を上回る成果を創出した結果、連結事業利益は3年連続で過去最高を更新しました。
 ESG※2の取り組みにおいても、外部機関から高い評価を獲得しました。ESG指標のMSCI ESGレーティング※3では、世界的なCSV経営先進企業と並ぶ「AA」評価を5年連続で獲得しました。
 また、当社は、第7回「日経SDGs経営調査」における「SDGs経営」総合ランキングでは、7年連続最高位を獲得し、その中でも1社のみに与えられる最上位の「大賞」を受賞しました。

 LION PTY LTD(以下、ライオン社)は、社会・環境パフォーマンス、説明責任、透明性等において高い基準を満たした企業の一員として「B Corp」認証を受けました。北米のNew BelgiumBrewing Company, Inc.(以下、ニューベルジャンブリューイング社)及び豪州のBlackmoresLimited(以下、ブラックモアズ社)も認証されており、グループの海外主要事業会社の取り組みも高く評価されています。


●連結売上収益:各事業の順調な進捗及びファンケル社の通年寄与等により増加し、過去最高となりました。

●連結事業利益※4:日豪の酒類事業をはじめとした各事業の順調な進捗及びファンケル社の通年寄与、協和発酵バイオ社構造改革の早期実現等ヘルスサイエンス事業の収益性向上により大幅な増益となり、過去最高益を更新しました。

●親会社の所有者に帰属する当期利益:事業利益の増加等により、前期比2.5倍以上の大幅な増益となりました。


酒類事業(キリンビール社・ライオン社)
■ 連結売上収益 1兆753億円(前期比 0.6%減)
■ 連結事業利益     1,354億円(前期比 9.1%増)

 キリンビール㈱(以下、キリンビール社)は、2026年のビール類酒税一本化をはじめとする酒税改正を見据え、主力ブランドを中心に投資を強化し、魅力あるブランドポートフォリオの構築に取り組みました。人口減少・高齢化のトレンドは継続し販売数量は減少しましたが、ブランド構成の見直しと価格改定効果、費用管理の徹底により、売上収益・事業利益ともに前年を上回りました。
 ビールカテゴリーでは「一番搾り」ブランドが堅調に推移しました。4月発売の「一番搾りホワイトビール」と、「一番搾り糖質ゼロ」を加えた3つの異なる個性をもった商品群で店頭のプレゼンスを高めることで、基盤の「一番搾り」も好調を維持し、ブランド全体で前年を上回りました。
 また、10月発売の「キリングッドエール」は発売から8日で当初目標の60万ケースを超え、年間販売数量が130万ケースを突破する大ヒットとなり、ビールカテゴリーの活性化と、高付加価値商品の拡充につながりました。
 クラフトビールでは、3月に「スプリングバレー」のロゴ・パッケージ・商品名を刷新し、「スプリングバレーブルワリー」として大規模にリブランディングを実施しました。
 ノンアルコールでは、9月に「キリン本格醸造ノンアルコール ラガーゼロ」を発売しました。キリンビール史上最もビールに近い味を実現し、未充足だった「本格的なおいしさ」への需要に応えることで、ノンアルコール市場の更なる活性化に寄与し、売上及び利益率の改善に貢献しました。
 RTD※5カテゴリーは、「キリン 氷結®無糖」シリーズは金額ベースで対前年2桁%増と好調に推移し、「キリン氷結®」ブランド全体を牽引しました。
 また、ビールの鮮度を維持し、フードロス削減にも貢献する次世代ビールサーバー「TAPPY(タッピー)」の導入が進み、導入店舗数は3万店を突破しました。「キリンビール 晴れ風」をラインアップに加えるなど、業務用需要の喚起とビール市場の活性化にも貢献しました。
 ライオン社は、豪州ビール市場が微減で推移する中、販売数量が前年を上回り、売上収益は現地通貨ベースで前年並み、事業利益は現地通貨ベースでも、円ベースでも増益となりました。クラフトビールの高価格ブランド「Stone & Wood(ストーン&ウッド)」や健康志向を捉えた「Hahn(ハーン)」ブランドが好調に推移しました。適切な価格戦略に加えて、構造改革による固定費削減が奏功し、収益性の向上を実現しました。拡大するRTD市場では、2024年に販売開始した「Hyoketsu(ヒョウケツ)」が、複数フレーバーの展開により好調に推移し、新たな成長機会の創出につながっています。
 北米では、クラフトビール市場の縮小や原材料費の高騰という厳しい環境の中、ニューベルジャンブリューイング社の「Voodoo Ranger(ブードゥー・レンジャー)」ブランドは堅調に推移し、市場平均を上回りました。また、「一番搾り」は北米でのブランド強化と物流効率化をグループ内で行うことを目的に、ニューベルジャンブリューイング社での製造・販売体制への移管を完了しました。
 なお、ライオン社は、2025年9月まで豪州・ニュージーランド・北米を統括してきましたが、10月以降はオセアニアに集中するマネジメント体制に変更しました。


飲料事業(キリンビバレッジ社・コーク・ノースイースト社)
■ 連結売上収益 5,782億円(前期比 2.4%増)
■ 連結事業利益    677億円(前期比 5.8%増)

 国内飲料市場が縮小する中、キリンビバレッジ㈱(以下、キリンビバレッジ社)は、主力ブランド「午後の紅茶」の強化に加え、免疫ケアを中心としたヘルスサイエンス飲料の拡大に注力することで、収益性の改善に取り組み、増収増益となりました。
 「午後の紅茶」ブランドは、「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖/おいしい無糖 香るレモン/おいしい無糖 ミルクティー」をリニューアルするとともに、「夏のアイスティー/冬のホットミルクティー」といった季節を捉えたコミュニケーションで、年間を通じた紅茶需要の維持・拡大に取り組みました。また、9月に新商品「キリン 午後の紅茶 FRUITS & ICE TEA」を発売し、紅茶トップブランドとして紅茶の新価値を提案することで、紅茶市場の活性化を図りました。
 ヘルスサイエンス飲料では、「プラズマ乳酸菌※6」入りの飲料の拡売に注力しました。「iMUSE(イミューズ)」ブランドからは3月に「キリン イミューズ オフ・ホワイト ヨーグルトテイスト」を新たに発売、「キリン おいしい免疫ケア」シリーズからは11月に「キリン おいしい免疫ケア +ダブルビタミン」を新たに発売し、「プラズマ乳酸菌」入り飲料の選択肢を広げることで、日常的な健康意識の高まりに応える取り組みを進めました。また、6月には子ども向けプラズマ乳酸菌飲料「キリン つよいぞ!ムテキッズ」を一部で発売し、ユーザー層の拡大にも取り組みました。販売店拡大や商品ラインアップ拡充によりお客様接点が広がり、「免疫ケア」という生活習慣の定着に貢献しました。
 北米で事業を展開するCoca-Cola Beverages Northeast, Inc.(以下、コーク・ノースイースト社)では、炭酸飲料を中心に販売が堅調に推移し、原材料費が上昇する中でも、高い収益性を維持しました。価格マネジメントに加え、営業活動により販売数量を安定的に確保し、売上収益は前年を上回りました。更に、これまで進めてきた物流拠点への設備投資の効果で、オペレーションの効率化が更に進んだこと等により、現地通貨ベースでも円ベースでも増益となりました。


医薬事業(協和キリン社)
■ 連結売上収益 4,965億円(前期比  0.2%増)
■ 連結事業利益 1,023億円(前期比 11.4%増)

 協和キリン㈱(以下、協和キリン社)は、注力する疾患領域の製品である「Crysvita(クリースビータ)※7」及び「Poteligeo(ポテリジオ)※8」の上市国・地域の拡大や市場浸透に取り組み、着実に成長しました。為替の影響や日本国内の薬価改定、更に前年に実施したアジア・パシフィック地域の事業再編に伴う売上減少の影響があったものの、全体としては増収増益となりました。
 開発パイプラインではアトピー性皮膚炎の治療を目的とする開発品である「KHK4083(一般名:ロカチンリマブ)※9」の臨床試験が順調に進行しました。更に、急性白血病の治療を目的とする「ziftomenib(米国製品名:KOMZIFTI)※10」は米国において承認されました。また、バイオ医薬開発の更なる加速化に向け建設中であった高崎工場HB7棟の竣工や北米でのバイオ医薬品原薬製造工場の建設等、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして持続的な成長を実現するための取り組みを着実に進めました。


ヘルスサイエンス事業(ファンケル社・ブラックモアズ社等)
■ 連結売上収益 2,514億円(前期比 43.4%増)
■ 連結事業利益  111億円(前期比  ―  )

 世界的に健康意識が高まる中、2025年も栄養補助食品市場は拡大が続きました。ヘルスサイエンス事業ではアジア・パシフィック地域を中心としたお客様の健康課題の解決に向けて、サプリメントや健康食品、スキンケアの各分野で事業基盤の強化を推進しました。協和発酵バイオ社のアミノ酸事業等の売却完了やファンケル社の通年での連結取り込みが寄与し、ヘルスサイエンス事業は黒字化を達成し、将来成長に向けた基盤が整いました。
 ファンケル社では、スキンケアを中心とした化粧品事業において、主力の「マイルドクレンジング オイル」の販売が堅調に推移したほか、「アテニア」ブランドが国内外で売上収益を伸ばしました。「アテニア」ブランドの「スキンクリア クレンズ オイル※11」は、日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosmeの「ベストコスメアワード」において、スキンケア部門では史上初となる、2年連続の総合大賞を受賞しました。サプリメント事業では、海外における年代別サプリメントの販路拡大やマーケティング手法の見直しが奏功し、全体の成長を牽引しました。
 ブラックモアズ社では、主力ブランドである「Blackmores(ブラックモアズ)」や、薬剤師等により販売されるブランド「BioCeuticals(バイオシューティカルズ)」の販売が好調に推移しました。オセアニア、東南アジア・韓国及び中国の全ての展開エリアで売上収益が前年を上回り、事業利益も増加しました。また、将来の収益性向上を目的として、豪州において分散している製造・物流拠点を集約することによりサプライチェーンを効率化する取り組みを開始しました。
 プラズマ乳酸菌事業では、売上収益が前年比で約2割増と堅調に推移しました。サプリメントについては、国内の好調に加え、ブラックモアズ社の販路を活用した台湾での新商品展開等、グローバルでの「プラズマ乳酸菌」配合商品の展開を進めました。特に海外向けの菌体出荷は、販売金額ベースで前年比約5割増と大きく伸長しました。


■ 長期ビジョン―2035年に目指す姿と、持続的な企業価値向上への道筋

 キリングループは、2019年に策定した長期ビジョン「キリングループ・ビジョン2027(以下、KV2027)」のもと、サステナビリティや健康意識の高まり、酒類への規制リスクや若年層のアルコール離れ、デジタルの進化等、変化する経営環境に対応しながら、ヘルスサイエンス事業の立ち上げと育成をはじめとした事業構造の変革に取り組んできました。
 KV2027の最終年度が近づく中、10年後の2035年を見据えた新たな長期ビジョンを策定し、酒類、飲料・ヘルスサイエンス、医薬から成る事業ポートフォリオにより、更なる企業価値向上を目指します。
 近年はAIの進化や人財不足、消費意識の多様化等、環境変化が加速しています。こうした変化に柔軟に対応しながら、グループ全体で、世界の生活者の行動変容を促し、新たな生活習慣を生み出すことで、心と身体の健康の未来を創造していきます。こうしたイノベーションを次々と生み出す組織能力を更に高め、挑戦する人財と組織文化を持つグローバル企業グループとしてCSVを実践し、「酒類事業を営むキリングループとしての責任」を前提に、「健康」「コミュニティ」「環境」の3領域で価値を創出し、「こころ豊かな社会」の実現に貢献します。


KIRIN WAYを体現する人財と組織文化

 キリングループでは、グループ共通の行動指針「KIRIN WAY」をグローバルに浸透させていきます。当社グループが大切にしてきた共通の価値観を継承するとともに、全従業員が行動指針に基づいて日々の業務に取り組み、変革を推進する組織文化の更なる進化を図ります。また、挑戦を後押しする評価制度を国内に導入し人財育成を強化するとともに、将来の成長に向けて部署や国を超えた配置を進め、共創と挑戦を促す風土を育んでいきます。


イノベーションを次々と生み出す組織能力の強化

 キリングループでは、研究開発とマーケティングが技術起点と生活者起点でともに未来を洞察し、部門横断の共創によってイノベーション創出に取り組んでいます。更に、AIを活用してこの共創プロセス全体を高速化するとともに、従業員一人ひとりの創造性を最大限に引き出すことで、組織能力の強化を目指していきます。

・グローバル企業でトップレベルの研究開発

 キリングループは発酵・バイオテクノロジーを基盤として、食・ヘルスサイエンス・医薬の各研究所で幅広い研究開発を進めています。更に、事業の枠に囚われない長期的な研究や、「フロンティア」領域の設置、社内外との連携強化により、中長期的な、より大きな社会的価値を生むイノベーションを追求していきます。

・生活者起点のマーケティング

 キリングループでは、食品事業を基盤に、成長を牽引するヘルスケア、スキンケア、ビューティーケア等の製品・サービスを通じて、生活者の日々の健康や暮らしの悩みに寄り添います。各事業の強みを活かしながら、データとAIも最大限に活用し生活者の声やニーズを丁寧に把握し、「世界をもっと元気にする」新しい提案を生み出していきます。

・AIとの共創

 キリングループでは、AIを共創パートナーと位置付け、積極的に活用することで、意思決定や実行のスピードを高めます。グループ全体でAIを中心としたデジタル技術の活用を進め、人の生産性と創造性を飛躍的に向上させることで、研究開発や商品・サービスの実証、事業化のスピードを更に加速させていきます。


■ CSV経営のトピックス
酒類事業を営むキリングループとしての責任

 近年、アルコールの健康への影響に対する関心が高まる中、世界的に適正飲酒に関する適切な情報が求められています。キリンビール社は酒類事業会社として、長年にわたり責任ある飲酒の啓発活動を推進してきました。2025年からはスローガン「DRINK FOR FUTURE ー未来に向けた責任ー」のもと、その取り組みを更に進めています。その一環として、筑波大学と共同で、「科学的根拠に基づく健康に配慮した飲み方」に関する総合的な研究を進めています。本研究では飲酒による健康障害の予防の観点を中心に国内外に発信していきます。
 キリングループは、これまで培ってきた責任ある飲酒啓発の取り組みを更に進め、CSV経営の推進と「こころ豊かな社会」の実現を目指します。


健康
お客様の「土台の健康づくり」と個別の健康課題を解決

 キリングループは「こころ豊かな社会」の実現に向け、発酵・バイオテクノロジーを基盤とした技術で「土台の健康づくり」と個別の健康課題に取り組んでいます。中でも、人が元来持つ力である「免疫」を維持することは、日常的な健康習慣として極めて重要と考えます。
 キリンホールディングス社のヘルスサイエンス研究所と株式会社ヘルスケアシステムズは共同で、個人の免疫状態を簡単に測定し可視化できる検査サービスの開発を開始しました。「免疫ケア」の意識向上と行動習慣化を促進し、健康維持を支援する新たなソリューションとして、ヘルスサイエンス事業の成長を加速します。
 また、約40年にわたる免疫研究の成果として開発されたキリン独自素材「プラズマ乳酸菌」においては、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果を非臨床実験で確認し、その結果を国際学会で発表しました。更に、医療従事者の体調維持に有効である可能性も示され、社会的意義の高い研究として注目されています。
 当社は、子どもの健康を守るための「キリンキッズケア」プロジェクトを始動しました。「免疫ケア」習慣の啓発や専用飲料の発売、家庭向け情報提供等を通じて、未来を担う世代の健やかな成長を支援します。
 今後も「免疫」をはじめとした研究開発を進め、事業を通じて世界の人々の健康に貢献していきます。


コミュニティ
つながりを広げ、地域支援と食品ロス削減で社会的価値を創出

① ビールの力で人と人をつなぎ、日本の未来を明るくする「グッドエールJAPAN」ブランドアクション

 キリンビール社は、10月に発売した新ブランド「キリングッドエール」を通じて、地域コミュニティの活性化を支援する取り組みを開始しました。売上の一部を全国47自治体の活動に寄付するほか、缶裏の二次元コードから「エールコイン」を使って応援したい自治体を選び、直接寄付できる仕組みを導入しています。発売後わずか8日で寄付総額は約1,090万円に達し、ブランドサイトへのアクセスは約12万件を記録しました。この取り組みは、ビールの楽しさを通じて人と人をつなぎ、日本各地の地域課題解決やコミュニティ形成に貢献しました。

②「モッタイナイ!を、おいしい!に。プロジェクト」を進化

 キリングループでは、食品ロス削減と地域・農家支援を目的とした「モッタイナイ!を、おいしい!に。プロジェクト」を推進しています。本プロジェクトは、これまでの「氷結®mottainaiプロジェクト」から発展し、2025年には「午後の紅茶」ブランドも参画。規格外果実等を活用した商品開発や、売上の一部を生産地支援に充てるなど、持続可能な社会の実現に向けた多角的な取り組みを展開しています。これらの活動を通じて、地域社会や生産者とのつながりを深めて持続可能な調達につなげるとともに、食品ロス削減への貢献を目指しています。

③ シャトー・メルシャンの地域創生

 メルシャン㈱の「シャトー・メルシャン」は、「日本を世界の銘醸地に」を掲げ、日本ワイン産業の発展に向けて、地域・自然・未来との共生をテーマに高品質なブドウ栽培と持続可能なワイン造りを進めています。「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」(長野県上田市)は、ワインツーリズムに取り組む世界最高のワイナリーを選出するアワード「ワールド ベスト ヴィンヤード 2025」において、日本で唯一6年連続選出され、世界46位にランクインしました。また、ロンドンで開催された「International Wine Challenge 2025(IWC/インターナショナル・ワイン・チャレンジ2025)」で、「シャトー・メルシャン 岩出甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ 2023」が金賞と日本ワイン最高賞となる「トロフィー」を受賞し、日本固有のブドウ品種「甲州」から造られたワインでは初の快挙となりました。


環境
ポジティブインパクトで、持続可能な地球環境を次世代につなぐ

① GHG排出量ネットゼロ目標達成に向けた取り組み

 キリングループは、地球温暖化対策として「脱炭素社会」の実現を目指し、事業活動全体で温室効果ガス(GHG)の排出削減に取り組んでいます。ニューベルジャンブリューイング社とライオン社では将来のエネルギー転換に向け、電気を用いたボイラーの導入及び実証を進めています。更に、キリンビール社の北海道千歳工場では、ボイラー燃料の一部を従来の都市ガスから環境にやさしい「グリーン水素」に切り替える実証を2026年6月からの開始を目指し準備を進めています。

② ライオン社のサプライヤー連携による持続可能な容器開発

 ライオン社の「Stone & Wood(ストーン&ウッド)」ブランドは、サプライチェーンのパートナー企業と共同で、飲料缶に平均83%の再生アルミと低炭素アルミを使用した持続可能な容器を開発しました。このプロジェクトにより、従来比でCO2排出量を59%削減し、18か月間で1,500万本の缶を市場投入することで、約1,235トンのCO2削減を見込んでいます。循環型経済の実現と資源保全を目指し、異業種連携による持続可能な容器包装の普及を加速していきます。

③ スリランカにおける多様なパートナーとの共創による社会的インパクトの創出

 当社は、11月に紅茶原料産地スリランカで「キリンフォーラム」を開催し、生産者、研究者、行政、国際機関等、多様な関係者とともに、自然環境の回復と生物多様性保全について議論を深めました。フォーラムでは、2007年から継続する農園支援や認証支援に加え、レインフォレスト・アライアンス※12と共同開発し2024年から運用を開始した「リジェネラティブ・ティー・スコアカード※13」を通じた環境再生型農業※14への移行、更に2025年より東京大学と開始した農園従業員のウェルビーイング調査の取り組みを紹介しました。また、Nature Positive Initiative(NPI※15)との連携により、自社だけでなくグローバルなステークホルダーとの共創を通じて、社会的インパクトの創出を目指しています。


※1 社会的ニーズや社会課題の解決に取り組むことで、社会的価値の創出と経済的価値の創出を実現し、成長の次なる推進力にしていくことです。
※2 「Environmental(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」の頭文字を取ったもので、これらの要素を考慮した企業経営や投資活動を指します。
※3 米国モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)社が、環境、社会、ガバナンスのリスクに対する回復力を測定し、AAA-CCCで評価する格付けです。
※4 売上収益から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除した、事業の経常的な業績を測る利益指標です。
※5 Ready to Drinkの略称で、栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料を指します。
※6 キリン独自の乳酸菌であり、pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)の働きを助け、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています。
※7 主に遺伝的な原因で骨の成長・代謝に障害をきたす希少な疾患の治療薬です。
※8 特定の血液がんの治療薬です。
※9 アトピー性皮膚炎の治療を目的とする開発品です。結節性痒疹、喘息を対象とした臨床試験も進行中です。
※10 急性白血病の治療を目的とする開発品です。
※11 「スキンクリア クレンズ オイル アロマタイプ リフレシングシトラスの香り」が@cosme ベストコスメアワード2025 総合大賞を受賞しました。
※12 持続可能な農業や森林保護を推進する国際的な非営利団体です。
※13 環境再生型農業を促進するためのツールで、スリランカの紅茶農園を対象に、農業の実施状況を評価し、必要な改善点を示します。
※14 農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和等に留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業を指します。
※15 世界最大規模の自然保護団体、研究機関、企業、金融連合27団体が集まり、発足した団体で、「ネイチャー・ポジティブ」という言葉の定義、整合性、使用に関する調整を推進し、成果をもたらすためのより広範囲で長期的な取り組みを支援することを目的としています。

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2026/03/27 12:00:00 +0900
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